「就労移行支援を利用している間、どうやって生活費を工面しよう…」
などの疑問や不安を感じたことはありませんか?
就労移行支援事業所について調べてみると、お給料も出ないし、アルバイトも禁止であることに驚いた方もいるのではないでしょうか。
こうなると、就労移行支援を利用中の生活費が心配ですよね。
- 就労移行支援事業所を利用中の生活費について
- 事業所を利用するときの生活費を節約する方法
- 生活費で困ったときの相談先
についてまとめました。
福祉とお金の問題は困っている方も多いので、分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
就労移行支援事業所を利用するときの生活費について
就労移行支援事業所では、工賃や給料は貰えません。そのため、事業所を利用している間の生活費をどうするか考える必要があります。
具体的に活用できる方法として次のものがあります。
- 家族からの支援
- 障害年金
- 失業保険
なかなか働けなくて、お金がないという方も多いのではないでしょうか。
まずは、就労移行支援事業所を利用するときの生活費について1つずつ解説します。
家族からの援助
就労移行支援事業所を利用中の生活費を、家族から援助してもう方は非常に多いです。家族と同居している方なら、日常の家事や食事も助けてもらえるので、安心感があります。
貯金を切り崩しながら生活するよりも、精神的に安定するので、訓練にも集中できるのではないでしょうか。
しかし、居心地が良すぎる反面、就職に対するモチベーションが低下するリスクもあります。
就労移行支援事業所の利用期限は2年間なので、有効的に使うことが大切です。
そのため、支援してくれる家族にも「1年で就職を目指す」など具体的なゴールを決めて協力をお願いしましょう。
障害年金
障害年金も就労移行支援事業所を利用するうえで、生活費の足しになります。既に障害年金を貰っている方は、就労移行支援事業所に通いながらでも貰うことが可能です。
現在、障害年金の受給を受けていない方は、この機会に申請してみてはいかがでしょうか。障害年金にも等級がありますが、障害者手帳の等級とは全く関係ないので注意しましょう。
初診の日に厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金、国民年金に加入していた場合は障害基礎年金に該当します。
しかし、障害年金の申請は非常に複雑で、慣れていないと書類の不備で不支給になる可能性が高いです。
ご自身で申請するのが不安な方は、社労士に依頼しましょう。障害年金が支給されれば、偶数月に障害等級によって定められた金額を受け取れます。
家族からの援助とも合わせれば、余裕を持って就労移行支援事業所を利用できるので、検討してみてください。
失業保険
過去に就労経験がある方は、失業保険を申請できる場合があります。失業保険は、雇用保険に加入していた期間によって、離職したときに受け取れるお金です。
ハローワークで申請ができて、障害者手帳を持っていると「就職困難者」に認定される場合があります。
この「就職困難者」に認定されると、失業保険の給付日数が150日から360日と、一般の方よりも長くなるので、ぜひ利用しましょう。
自己都合で退職した場合は、手続きの関係から4ヵ月ほど経つと現金が振り込まれてきます。この期間は収入がありませんから、貯金を崩すか、家族からの援助も必要です。
しかし、就職困難者のような障がいが原因で退職した場合は、手続き後すぐに現金を受け取れる可能性があります。
申請するときにハローワークの担当者に、障がいがあることを忘れずに伝えて下さい。
150日から360日までが支給対象になるので、就労移行支援事業所を利用しても5か月以上は失業保険を得ることができます。
受給できる日数や金額は個人によって異なるので、ハローワークでしっかり確認しましょう。
就労移行支援事業所を利用中の生活費を節約する方法
家族からの援助、障害年金、生活保護、何かしらの援助を受けることができても、余裕のある生活ができる方は少ないかもしれません。
そんなときは、就労移行支援事業所を利用しながら、障害者割引の制度を利用して生活費を節約しましょう。
障がいがある方にとってうれしい制度を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
公共交通機関
障害者手帳を持っている方は、公共交通機関の料金が割引になる可能性があります。
就労移行支援事業所まで電車やバスを使っている方は、障害手帳を持参することで運賃が半額になる場合が多いです。
定期券も障害者割引で購入できるので、利用する公共交通機関のホームページで確認してみましょう。
携帯電話の割引
また、携帯電話の料金も値引きになります。大手キャリアならプラン料金が50%OFFや通話料無料などが適用される場合があります。
就労移行支援事業所に通いながら就職に関する情報収集や、就職活動の連絡を受けるためなど、現代生活にスマホは欠かせません。
店頭からの申し込みが前提となっている場合がほとんどですが、ぜひ検討してみてください。
自立支援医療費制度
自立支援医療費制度とは、障がいによる治療費や薬の費用を軽減してくれる制度です。精神の方は「精神通院医療」、身体の方は「更生医療」と障がいによって分類されています。
指定した病院と調剤薬局のみですが、通常3割負担の医療費が1割負担まで軽減されます。医療費もそれなりの金額がかかりますから、安くなるのはありがたいですよね。
申請は、障害福祉課で受け付けています。その際、診断書や世帯所得を確認できる書類、保険証、マイナンバーカードが必要です。
地域によって必要なものが少し異なる場合もあるので、各自治体に問い合わせてみましょう。
経済的に余裕があると、就職や治療に安心して取り組むことができます。まだ利用していない方は、ぜひ検討してみてください。
就労移行支援を利用するときにお金がなくて困ったときに相談できる場所
就労移行支援事業所を利用したいけど、身内や障害年金にも頼ることができず、経済的に苦しいという方もいるでしょう。
これから先のことや、生活費のことを考えるとストレスも溜まって不安になりますよね。
そこで、就労移行支援事業所を利用するうえで、どうしてもお金が無くて不安なときに、相談できる場所を紹介します。
少しでも経済的なストレスを軽減する考え方も書いてあるので、ぜひ参考にしてください。
役所で相談する
区役所や市役所の窓口でお金の相談をすることができます。必要に応じて、生活費を借りる融資を案内されることもあります。
「融資」と聞くと、銀行系のカードローンや消費者金融のような高い利息を想像しますが、市区町村が行う生活融資は無利息から高くても1.5%程度。
貯金が少ない方でも、無理なく生活費を維持できるように設定されています。
また、生活と家計を立て直す方法や、就労に関する資料提供の相談も可能です。就労移行支援事業所に通っている間の生活費や、家計のやり繰りも提案してくれるので、気軽に相談してみましょう。
自立相談支援事業に相談する
自立相談支援事業では、お金や就職、家計のことまで、日常生活において困っていることを相談できる窓口です。
電話でも相談ができるので、なかなか外に出られない方にもおすすめです。
平成27年4月に厚生労働省が、「生活困窮者自立支援制度」というものを立ち上げました。
これは働きたくても働けない、お金が無い、というさまざまな生活の悩みに専門の相談員が対応してくれます。
相談できる連絡先は全国にありますので、近所の施設に連絡してみてください。電話を掛けるのが緊張して怖い方は、メールや対面での相談は可能か相談してみましょう。
困窮者支援情報共有サイト~みんなつながるネットワーク~|一般社団法人生活困窮者自立支援全国ネットワーク
他人と比較せず自分らしく生きてみる
お金の問題は個人差もあり、非常にデリケートです。就労移行支援事業所では給料も出ませんし、アルバイトをするのも原則禁止です。
どうしてもお金の都合がつかないときは、自分の時間を自分らしく使ってみてはどうでしょうか。
費用の問題で就労移行支援事業所を利用できなかったとしても、今は縁が無かったと思いましょう。
自分の好きなことや、各種制度、支援の申請、治療に専念するなど、できることはたくさんあります。
収入を得ながら社会復帰を目指せる、就労継続支援A型・B型の利用を検討するのもおすすめです。
経済的なストレスは想像以上に辛いものですよね。隣の芝生は青く見えるものです。
焦らずに、ゆっくりで良いので、今できることから始めてみましょう。
まとめ|就労移行支援を利用中の生活費
- 家族からの支援、障害年金、失業保険で生活費をまかなう
- 交通費、携帯料金の割引サービス、医療費負担の制度を使って出費を抑える
- 困ったときは役所や自立相談支援事業で生活費の相談ができる
この記事では、就労移行支援事業所を利用中の生活費について解説してきました。
就労移行支援事業所を利用中の生活費が心配なときは、まずは家族に相談してみましょう。
そして市区町村の役所に行けば、お金に関する相談も受け付けています。
力になってくれる所はたくさんあるので、気軽に相談してみてください。