「就労継続支援A型事業所を探しているけど、どこを見たらいいんだろう?」
という方も多いのではないでしょうか?
就労継続支援A型事業所を利用すれば、社会参加への大きな一歩となります。
- A型事業所の探し方3選
- 求人情報を見る際の3つのポイント
- 見学するときに確認すべき4つのポイント
を解説していきます。
自分に合ったA型事業所の探し方・選び方を知って、快適な就労につなげていきましょう。
就労継続支援A型事業所の3つの探し方
ご自身に合ったA型事業所を効率良く探す3つの方法をご紹介します。
- ハローワークで探す
- 求人サイトで探す
- 各自治体の障害福祉課でたずねる
いずれの探し方でも事業所への給付金の関係上、最終的にはハローワークを通して紹介状を発行してもらい、応募する形になります。また、就労継続支援A型事業所の求人に応募するには、障がい者としての求職者登録が必要です。
障がい者として求職者登録するには「障がい者手帳(身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳)」または「医師の意見書」が必要となります。
自身に合った事業所を選ぶためには、1社だけではなく、3社くらい候補を挙げて見学に行くとよいでしょう。
ハローワークで探す
一般の求人と同じく、A型事業所の求人もハローワークに載っています。ハローワーク内のパソコンで検索し、気になる求人があったら障がい者相談窓口の担当者に見学や面接の連絡を取ってもらいます。
- 担当者と相談しながら求人を紹介してもらえる
- 早ければその日のうちに応募できる
- 多くのA型事業所の求人情報がある
窓口では「ここ1ヶ月くらいで○人応募して◇人採用された」などの担当者ならではの詳しい事情が聞ける場合もあります。担当者に相談すれば、自分に合いそうな求人を紹介してもらうことも可能です。
また、ハローワークの求人は自宅のパソコンやスマートフォンからでも、登録不要で検索できます。ハローワークに求職者登録している方はログインするとより多くの求人を見ることができます。
検索する際は「障がいのある方の求人(パート)」にチェックをつけましょう。周辺の市区町村を指定すると、お近くのA型事業所を見つけやすくなります。
インターネット版で気になる求人を見つけたら、事業所に直接連絡を取って見学可能か確認してみましょう。(見学の段階ではハローワークを通す必要はありません。)応募の意思が固まった場合は求人番号(または事業所名)をメモして、ハローワークに出向き応募したい旨を伝えましょう。
なお、ハローワークインターネットサービスでは、「事業所のPR情報」や「ホームページへのURL」など、紙の求人票に載っていない情報も見ることができます。事業所にホームページがある場合はぜひチェックしておきましょう。
ただし、ハローワークインターネット版はほかの求人サイトと比べて「情報が見づらい」「検索しにくい」などのデメリットもあります。フリーワード検索では事業所名が引っかからないこともあるので、地域を絞ったり別の単語で検索したりなどの工夫が必要です。
2.求人サイトで探す
インターネット環境があれば、ネット検索が一番手軽かもしれません。ハローワークインターネットサービス以外にも、民間の求人サイトに求人を載せているA型事業所も多くあります。無料で利用できるサイトも多数あるので、ぜひチェックしてみてください。
障害者専用の求人サイトはあまり多くなく、A型事業所が記載されているサイトはより少ないのが現状ですが、大手の求人サイトにもA型事業所の求人はあります。
検索する際は「就労継続支援A型事業所」でフリーワード検索したり、「障害者求人」「パート」「地域」などで絞込検索を行うとよいでしょう。探し方によっては利用者ではなく、職業指導員(教える立場)、相談員、サービス管理責任者の求人が出てくる場合があるので気を付けてくださいね。
A型事業所の求人を取り扱っているサイトをいくつかご紹介します。
1.スタンバイ:一般の求人サイト
2.げんきワーク:一般の求人サイト
3.Indeed:一般の求人サイト
4.求人ボックス:一般の求人サイト
5.ジモティー;一般の求人サイト
ジモティー
※ジモティーは求人専用サイトではありませんが、求人情報も検索可能です。
6.就労継続ナビ:障害者向けサイト
本サイトではA型・B型事業所をエリアだけでなく仕事内容も含めて検索することができます。また、エリアにとらわれず、在宅での就労ができる事業所も調べることができます。
登録不要で利用できるので、ぜひ一度利用してみてください。
7.LITALICO仕事ナビ:障害者向けサイト
LITALICO仕事ナビは全国18,000件以上の就労支援事業所(就労移行支援、就労継続支援A型・B型)の情報から 自分にあった就職支援の事業所を探すことができます。
それ以外にも大手企業や特例子会社での採用や正社員求人も多数掲載されています。
各求人サイトによって載っている事業所の情報は違うので、「より多くの事業所をチェックしたい」という方は複数のサイトで探すことをおすすめします。自宅や施設からでも、簡単にA型事業所の求人検索ができるのが求人を扱うサイトのメリットです。外に出るのが難しい方や、気軽に調べたいという方にはおすすめです。
最近ではホームページやSNSアカウントを開設している事業所もあり、日ごろの出来事や作業所の雰囲気を事前に確認することも可能です。求人情報にURLが載っていることもあるので、気になる事業所があればチェックしてみましょう。
3.各自治体の障がい福祉課でたずねる
各自治体の役所にある障がい福祉課で相談する、という方法もあります。障害者手帳の交付を受けている方なら、馴染みがあるかもしれませんね。障がい福祉課の担当者は、相談支援員や事業所の職員と関わりがある場合があります。就労継続支援に関する情報や、おすすめのA型事業所を教えてくれるかもしれません。
また、地域のA型事業所・B型事業所を一覧にした冊子を用意している自治体もあります。ご本人やご家族、地域に寄り添った支援をしてもらえるでしょう。
気になる事業所を見つけたら見学に行こう!
実際に見学することで、求人票の情報だけではわからないことが見えてきます。ご自身に合う職場かどうかは、実際に見に行くとよくわかります。気になる事業所を見つけたら、見学の予約を取りましょう。メールで問い合わせを受け付けているところも多いので、電話が苦手な方はメールで問い合わせてみるのもオススメです。
また、ハローワークに出向いて、ハローワークの担当者から見学の予約を取ってもらうことも可能です。予約なしでも受け付けてくれる場合がありますが、事業所側にも予定があるのでアポイントメントなしの場合、断られる可能性がとても高いです。
事業所側からしても、あらかじめ連絡があったほうがありがたいので、事前連絡は必ず入れておきましょう。予約を取っておけば、快く見学を受け入れてくれる事業所は多くあります。
見学に行くのは想像以上に体力を使い、精神的にも気疲れするので、無理のない程度に予定を立てておきましょう。
数日間の体験プログラムを行っている事業所も多数あります。
求人情報を見る際の3つのポイント
A型事業所を探す方法はおわかりいただけたと思います。
ここでは自分に合った求人情報を見るときの、特に大事な3つのポイントをご紹介します。
1.仕事内容
A型事業所には、さまざまな仕事があります。
- データ入力、ホームページ制作などのパソコン作業
- カフェでの接客業務、調理補助
- ネットオークションの作業代行
- ストラップやキーホルダーの製造
など、業務内容はさまざまです。
A型事業所での作業は、障がいを考慮した軽作業である場合がほとんどです。黙々と作業がこなしたい方は製造系やデータ入力、人と関わるのが好きな方は接客、など自身に合った仕事内容か確認しましょう。
ただ、求人情報を見ただけでは、ざっくりとした仕事内容しかわからない場合もあります。疑問に思ったことがあれば事業所に直接連絡を取ったり、見学時に質問としてまとめたりして確かめてみましょう。見学の予約を取れば、作業内容や障がいへの配慮など実際に目で見て確かめることもできます。
ご自身が無理なくできる業務、向いている業務を選びましょう。
2.勤務時間
勤務時間は、それぞれ作業所によって異なります。だいたい1日4~5時間程度の短時間である場合がほとんどです。ごくまれに6~8時間勤務のA型事業所もありますが、数は少ないのが現状です。
朝は9時台に始業する事業所が多く、休憩時間を挟んで14時から16時台に終業します。
A型事業所の場合は基本的には週5日勤務ですが、事業所によっては日数を調節して週3~4日勤務にしてくれるところもあります。継続的に通えるか不安がある方は「少ない日数からはじめたい」旨を事業所側に相談してみましょう。
病院受診による遅刻や早退、欠勤にも柔軟に対応してくれる事業所も多くあります。
3.通勤距離
障がいの内容にもよりますが、通勤距離は自宅から近いほうが通いやすいですよね。求人情報に載っている事業所の住所や最寄駅から、通える範囲内にあるか確認しましょう。
ナビタイムなどの乗換案内のWebサイトを使えば自宅や自宅近くの駅から、事業所までどのくらいの所要時間・交通費がかかるのか確認できます。
ログインしなくても、無料でだいたいの機能が使えます。
公共交通機関を使う場合は、交通費も考慮しないといけません。金銭面からみても通い続けられる事業所なのか、確認することが大切です。事業所から交通費の支給があるかどうか、自治体からの交通費助成制度はないか、なども必要なら確認しておきましょう。
A型事業所の平均賃金は令和4年度時点で月額83,551円です。金銭面に不安のある方は、近場で通いやすい事業所がおすすめです。
見学の際には、継続的な通勤が苦でないかも確認しましょう。ご自身の障がいの程度にもよりますが、通勤ラッシュに揉まれながらだと疲れてしまう方もいます。
見学するときに確認すべき4つのポイント
気になった事業所は積極的に見学していきましょう。
実際に事業所を見学したときに確認すると良いチェックポイントを4つご紹介します。職員さんからの話をただ聞くだけでなく、気になることがあれば質問して、快適に働けそうな事業所なのか確認していきましょう。
1.作業所の雰囲気
作業所の雰囲気を知ることで、ご自身の体調や性格、病状に合う事業所なのかを判断できます。音が気になる方は「騒がしくないか?大きな音はしないか?」、対人恐怖がある人は「作業で必要なコミュニケーションはどの程度か?」などを確認しておくとよいでしょう。
人間関係のトラブルもできれば避けておきたいですよね。「一緒に働くのはどんな人たちなのか?」も見ておきましょう。
実際に事業所に足を運ばなければわからない情報は多くあります。どんな雰囲気が自分に合うかは人それぞれ異なりますが、求人に載っている情報以外も選考材料にしていきましょう。
2.職員の人柄
見学の際は事業所の職員から1日の過ごし方や利用の流れなどの説明があります。そのときに、笑顔で挨拶をしてくれたり、優しく対応してもらえるか確認しましょう。威圧的ではなく、優しく接している職員さんだと安心できますよね。
ただ、A型事業所の職員だからといって、必ずしも障がいや病気に理解があるとも限りません。ご自身の障がい・病気を理解してくれる信頼のおけそうな職員であるかを確認しましょう。
仮に自身の障がいや病気のことを知らなかったとしても、理解しようという姿勢が見られれば安心して就労生活を送れるかもしれません。
3.トイレや洗面台、スロープなどの設備
事業所で1日を過ごしていると、トイレや洗面台を使う場面も出てきます。
特に身体に障がいのある方は「トイレには手すりがついているか」「洗面台は使いやすいか」「段差はあるか」などを確認しましょう。洗面台に紙コップやペーパータオルが用意されている事業所もあります。細かい配慮があると、衛生面にも気を配っている事業所なのだと安心できますよね。
また、事業所がビルの一室にある場合もあります。「エレベーターはあるか?」「階段は上れそうか?手すりはあるか?」なども必要であれば確認しておきましょう。
4.休憩スペース・休憩時間
作業をする場所と休憩する場所が同じだと、休憩中もどこか落ち着かないという方もいるでしょう。
そんな方は、休憩スペースがくつろげそうな場所かどうかも確認しておきましょう。仕事をする場所とは別に、休憩する場所があるとメリハリを持って過ごすことができます。万が一体調が悪くなったときも、休憩スペースがあればゆっくりと休めます。
雑談が苦手な方は昼休憩中「利用者同士の会話が盛んな雰囲気なのか?」、それとも「みんな黙々と食べているのか?」なども確認しておくといいかもしれません。
自身に合った雰囲気なのかが確認できます。
まとめ
- A型事業所を探す方法(ハローワークで探す、求人サイトで探す、各自治体の障がい福祉課でたずねる)
- 求人情報見る際のポイント(仕事内容、勤務時間、通勤距離)
- 見学時のチェックポイント(作業所の雰囲気、職員の人柄、設備、休憩スペース・休憩時間)
どんな作業所が自分に合うかは、人それぞれ異なります。
この記事の情報を参考にして、快適に過ごせる作業所選びにつなげてください。選び方・探し方の参考になれば幸いです。