「いろんな事業所を調べたけど、迷ってしまった…」
「どこに注目して事業所を探せばいいんだろう?」
就労移行支援事業所の利用を考えている方の中には、上記のような方も多いのではないでしょうか。
就労移行支援事業所では、就職に役立つスキルや専門のカリキュラムが用意されています。
IT関係やビジネスマナー、飲食店や企業での職業体験実習などさまざまです。
そこで、あなたに合った就労移行支援事業所を選ぶポイントを分かりやすく解説します。
- 自分に合った就労移行支援事業所を選ぶときの3つのコツ
- 事業所選びで迷ったときに相談できる専門機関の紹介
- 就労移行支援事業所を見学時に確認するべき4つのポイント
を解説していきます。
初めての方でも分かりやすいようにまとめましたので、よろしければ参考にしてみてください。
自分に合った就労移行支援事業所の選び方3つのコツ!
令和4年の時点で、就労移行支援事業所は全国に3,393件あります。これだけたくさんあると、自分に合う事業所が分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、自分に合った就労移行支援事業所の選び方に関する3つのコツをご紹介します。
- 自分の就職活動に役立つか
- 就労移行支援事業所の就職実績が自分と合うか
- やりたいことが見つからない方は自分に正直になってみる
たくさんある事業所の中で、どこがいいか迷っている方は、自分自身の将来をイメージしながら参考にしてください。
自分の就職に役立つか
まず1つ目は、自分の就職活動に役立つかです。
就労移行支援事業所で学ぶ内容は、事業所によって異なります。そのため、自分が今後就職するときにどんな力をつけたいかで判断しましょう。
社会人マナーを学び、就職活動に自信を付けたい方は、面接対応やマナー講座に力に入れている事業所。
事務職でデータ入力や経理の仕事がしたい方は、パソコンスキルの向上に力を入れている事業所。
このように、ご自身の将来を想像してみると、選ぶべき事業所が少しずつ見えてくるはずです。
中には税理士や会計士、プログラマーのような非常に高い専門知識とスキルを学べる事業所もあります。
今まで、漠然と就労移行支援事業所の内容を調べていた方は、1度ご自身の将来を想像してみてください。
あなたが気になる事業所があれば、下記のリンクから調べることができます。
就職の実績が自分と合うか
2つ目のポイントは、就労移行支援事業所の就職実績です。
単に就職実績を見るだけではありません。
ここでも自分のやりたい仕事の分野に近い就職実績があるか確認しましょう。
そうすることで、あなたに合う事業所でスキルを学ぶことができます。
就職実績があなたに合うということは、おすすめの就職先や企業の評判を教えてくれるはずです。
また、就職実績が多い事業所は、高いスキルを持った職員さんが在籍している可能性もあります。
せっかく事業所に通うので、効率よく自分のためになる事業所の方が良いですよね。
就職実績が良い事業所はカリキュラムがしっかりしており、サポート体制が整っていることが多いので、しっかり確認しておきましょう。
やりたいことが見つからない方は自分に正直になってみる
3つ目は、自分自身に正直になることです。そもそも自分のやりたいことが分からない方もいらっしゃるでしょう。
その状態で就労移行支援事業所を探していると、なかなか自分が行きたいと思う事業所を見つけられないですよね。
そのような方は、まず自分に正直になってみましょう。
周りの意見や仕事のことは一旦忘れて、あなたが好きなことと、苦手なことを紙に書いてみてください。
歌を歌うこと、散歩をすることは好き。人前にでること、新しいことは苦手。
どんな些細なことでも構いません。とにかく書き出してみましょう。
そうすることで、これはできないけど、これならできる!という目安が完成します。
その目安こそが、「本当にあなたがやりたいこと」です。
「目立ちたくないけど、コツコツとした作業ならできそう」
このように曖昧でも大丈夫です。やりたいことが少しでも見えてくると、自分に合う就労移行支援事業所も見えてきます。
就労継続支援事業所を選ぶときに注意すべきこと
ここまで、自分に合う就労移行支援の選び方を見てきました。
しかし、事業所を選ぶポイントが分かっても、注意しないといけないこともあります。
- 就職先の視野を狭くし過ぎない
- 就職実績を公開していない事業所もある
ここからは、就労移行支援事業所を選ぶときに注意すべきことを見ていきましょう。
就職先の視野を狭くし過ぎない
就職するときの自分を想像するのは大切です。しかし、あまりにも狭い分野で専門的過ぎる目標は避けましょう。
なぜなら、障害者求人は一般求人よりも求人数が少なく、専門的過ぎる分野だと就職先を見つけるのが困難だからです。
事務職や倉庫作業、プログラマー、デザイナーの求人は比較的多くありますが、手に職をつけるような特定の求人は少ないのが現状です。
どうしても狭い分野になってしまう場合は、少しだけ視野を広げて考えてみましょう。
就職実績を公開していない事業所もある
就職実績を確認することは、自分に合った就労移行支援事業所を探す判断材料です。しかし、事業所の方針で就職実績を公開していない場合もあるので注意してください。このような場合、事業所に直接問い合わせてもなかなか教えてもらえません。
そんなときは、事業所が行うカリキュラムが、どのくらいのレベルかで判断しましょう。単に「パソコンのスキル」と言っても、Excelに特化しているのか、プログラミングを学ぶのかで変わってきます。
事業所のホームページやパンフレットを見ると、どんな学習内容で、どんなサポートを受けられるかが分かります。
社会人マナーの講座や、講習の内容などを総合的に判断して、自分に合う事業所を見つけていきましょう。
就労移行支援事業所の選び方で迷ったら専門家に相談しよう
就労移行支援事業所を選ぶポイントや注意点が理解できても、どうしても迷ってしまう方もいますよね。そんなときは、専門家に相談してアドバイスを貰いましょう。
特に、初めて就労移行支援事業所を利用する方にとって、どこがいいのか判断するのは難しいと思います。
相談できる専門機関には下記のものがあります。
- 市区町村の障害福祉課窓口
- ハローワーク
- 障害者就業・生活支援センター
- 行きたい就労移行支援事業所
があります。
詳しく見ていきましょう。
市区町村の障害福祉課窓口
まず1つ目は、お住まいの市区町村の障害福祉課で相談する方法です。障害福祉課に相談する最大のメリットは、就労移行支援事業所との繋がりの多さです。
就労移行支援事業所でも障害福祉課と連携を取って、サービスや支援の内容を確認しています。そのため、各市区町村の障害福祉課に行けば、必然的に事業所の情報が集まるというわけです。
1人で自分に合う事業所を見つける自信が無い方にとっては、非常に心強い相談窓口ではないでしょうか。
市区町村によって異なりますが、就労移行支援事業所の最新情報を載せた冊子を用意している所もあります。事業所のパンフレットが置いてある所もあるので、参考にしてみてください。
ハローワーク
2つ目はハローワークです。ハローワークといえば、一般求人や就労継続支援の求人が多い印象ですが、就労移行支援事業所も案内してもらえます。
民間の求人サイトは、就労移行支援事業所の情報をあまり載せていません。しかし、ハローワークは就労移行支援事業所と深く関わっているため、情報をたくさん持っています。
ハローワークでは、障害福祉に詳しい専門の担当者がいるので、安心して相談してください。
障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)
3つ目は障害者就業・生活支援センター(通称:なかぽつ)です。
障害者就業・生活支援センターとは、障がいがある方を対象に、就職活動や職場への定着、日常生活までさまざまな相談ができる施設です。
どの就労移行支援事業所を利用するか迷ったら、担当者と面談をして、事業所選びを一緒に考えてもらいましょう。担当者は障がいへの理解や配慮がある方達なので、安心して相談ができます。
また、障害者就業・生活支援センターはハローワークや市区町村とも関わりがあります。そのため就職するときも、就職先はどこが良いか、就職した後も安定して働けるか、といった支援もしてくれるので、ぜひ相談してみましょう。
全国の障害者就業・生活支援センターは下記から探すことができます。
行きたい就労移行支援事業所
4つ目は実際に就労移行支援事業所に行って相談することです。行ってみたい事業所が複数あって悩む場合や、もっと詳しい情報が欲しい、という方に向いています。
ほとんどの就労移行支援事業所は、事前に見学や体験ができます。実際に自分の目で見て、直接話を聞いて、自分に合う事業所なのかを判断しましょう。
見学した事業所の職員さんには、どんな支援があるのか、自分はどんなことをしたいのか、しっかり伝えてください。
職員さんは障がいへの理解や配慮がある方達なので、安心して相談ができます。
しかし、実際に事業所へ見学に行くのは、精神的にも体力的にも疲れます。たくさん見学したい気持ちも分かりますが、多くても1日2か所までにしておきましょう。
就労移行支援事業所の見学時に見るべき4つのポイント
就労移行支援事業所の選び方で迷ったら、思いきって見学してみるのも大切です。
ホームページや人から聞いた情報では得られなかった部分まで見ることができます。
しかし、初めて就労移行支援事業所を見学に行くときは、やはり緊張がつきもの。
そこで、実際に事業所を見学した際に見るべきポイントをまとめました。大きく分けて4つあるので、見学するときの参考にしてください。
プログラムの内容が自分に合うか
就労移行支援事業所は、事業所ごとに学習プログラムが用意されています。
対人スキルの向上やビジネスマナー、飲食店での実習、プログラミング学習などさまざまです。
今まで、ホームページやパンフレットだけで自分に合うカリキュラムかを判断していたと思います。
ですが、実際に見に行くと、予想外の発見が得られるかもしれません。
「家で調べたときは分からなかったけど、こんなプログラムもあったのか!」
など、見学することで新たに分かることもあります。
この学習プログラムが自分に合うプログラムなのか、希望している職種に合うのかを判断しましょう。
事業所の雰囲気
実際に事業所を見てみると、その場所の雰囲気を感じることができます。
アットホームなのか、堅い雰囲気なのか。静かな雰囲気なのか、活気があるのか。あなたが実際に事業所を訪れて、心地よい雰囲気だと感じる場所を選んでください。
また、利用者さんの表情や職員さんの雰囲気も見ておきましょう。
職員さんの人柄
職員さんは、今後あなたのスキルアップや就職活動に深く関わる人なので、特にしっかり確認しましょう。あなたへの言葉遣いや、利用者さんへの話し方、接し方が優しく丁寧だと安心できます。
また、職員さんの中にも得意な分野、不得意な分野があります。自分がスキルアップしたい分野に特化した職員さんが在籍しているかも確認してください。
就労移行支援事業所を利用する中で、困ったことや悩みを相談することもあると思います。そういうときに話しやすい雰囲気の職員さんの方が安心ですよね。
ご自身の性格に合った職員さんと出会うのも、非常に大切です。
通える距離かどうか
自宅やグループホームから、就労移行支援事業所まで通う距離も確認しましょう。
あまりにも遠い事業所だと、通うだけで疲れてしまいます。ご自身にとって通いやすい道のりで、無理なく通える事業所を選ぶのが大切です。
- 事業所まで通う時間と費用は、どのくらい掛かるか
- 電車やバス、密接した空間は苦にならないか
- 事業所の開始時間、通う時間を逆算して、朝起きられるか
- 家族や付き添いの方に車で送ってもらえそうか
この辺りのことを考えてみると、自分が通えるか分かってきます。実際に事業所へ見学に行くときも、通うことを想定して移動してみましょう。
まとめ|就労移行支援事業所の選び方
- 自分が希望する職種や学びたいことが勉強できるか
- どこがいいか迷ったときは専門家に相談することができる
- 実際に事業所を見学して総合的に判断することが大切
この記事では、就労移行支援事業所の選び方について解説してきました。
事業所によって支援の内容や雰囲気は大きく異なります。
分からないことが多くても、焦らずに事業所を選びましょう。
あなたを支援してくれる方はたくさんいるので、あなた自身が納得できる就労移行支援事業所を選んでください。