A型事業所が「やめとけ・おかしい」と言われる理由

事業所がおかしい?
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「なぜA型事業所に通うのを『やめとけ・おかしい』と言われるの?」
「A型事業所に通うメリットって何があるの?」

上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

さまざまな理由から一般就労が難しく、A型事業所の検討を利用している方もいると思います。

しかし、A型事業所について知りたいと思い、いざ検索をしてみると、サジェストには、

「A型事業所 やめとけ」
「A型事業所 おかしい」

などの言葉が表示されます。

就労への一歩を踏み出そうとする中で、このような情報があるのは不安になりますよね。

A型事業所は、決して悪い場所ではありません。知らないことは、不安に直結します。正しい情報を知り、適切に判断してきましょう。

  • A型事業所について
  • A型事業所が「やめとけ・おかしい」と言われている原因
  • A型事業所に通うメリット
  • 自分に合うA型事業所の選び方や探し方

などについて解説していきます。

この記事を通して、少しでも利用することへの不安を解消していただけたら幸いです。

就労継続支援A型事業所ってどんな場所?

A型事業所は、福祉サービスの1つです。原則、18歳~64歳までの障がい・難病をもっている方が利用対象になります。ただし、平成30年に年齢の見直しがされており、65歳になる前日までに正式な利用手続きが完了すれば、65歳以上でも利用ができるようになりました。

また、障害者手帳をもっていなくても、主治医の診断書や定期的な通院で、利用できる場合もあります。

全国に約4,000か所設置されている

A型事業所は、全国に約4,000か所設置されています。

数年前までは、仕事内容のほとんどがいわゆる軽作業でしたが、近年はネット関連の仕事も増えてきました。母体が多ければ選択肢も広がります。ご自身の障がいや性格に合った事業所を選ぶことができれば、A型事業所はとても魅力的な福祉サービスです。

雇用契約を結ぶので最低賃金が発生する

福祉サービスは他にも、就労移行支援やB型事業所などがあります。ただし、A型事業所の決定的に違うところは、雇用契約を結ぶので、最低賃金が発生するところです。

厚生労働省の資料によると、

  • 平均工賃(賃金)83,551円
  • 時間額947円

 
となっています。

現在は全国的に最低賃金が上がっているので、この表よりも平均賃金は増えています。

さまざまな理由からバイトや一般就労が難しい中で、この金額の給料が貰えることは、生活を送っていく上でとても助かりますね。

A型事業所が「やめとけ・おかしい」と言われている原因

上記でA型事業所が約4,000か所設置されていると書きましたが、残念ながら、全ての事業所が利用者にとって良い事業所とは言えません。

サジェストに「やめとけ・おかしい」と出てくる原因について、

ここでは

  • 悪徳業者の蔓延まんえん
  • 支援員や利用者との相性
  • 仕事内容が単調

の主に3つの理由を仮定として解説していきます。

悪徳業者の蔓延

2017年に、複数のA型事業所の閉鎖に伴い、そこで働いていた利用者が大量解雇されたという事件がありました。事件の背景には、一定期間事業所を開業し助成金や給付費をもらい、しばらくして閉鎖を繰り返す、という悪徳業者がいたことが原因とされています。

このことを問題にした厚労省は、2017年に基準を改定しました。利用者への賃金は、事業所の生産活動の収入で支払い、給付費から払うことを原則禁止。その結果、事業所の閉鎖が相次ぎました。

利用者の賃金を事業所の利益だけで支払うことは、なかなか難しいのが現状です。一般就労が難しい障がい者を採用しながら、一定の生産性を保つことが必要になってくるからです。よって、軽作業をメインの仕事としていた、決して悪徳業者ではない事業所の経営も厳しくなってしまいました。

現在は細かいお金の流れが分かる計画書などの提出が義務化され、インターネット上でも公開されており、調べれば誰でも見られる状態になっています。

このように、2017年からさまざまなことが厳しくなった結果、閉鎖せざるを得ない事業所が一時期、急速に増えました。

A型事業所の閉鎖の時期が重なったこともあり、不安な言葉が検索候補に出てくるようになってしまった可能性があります。一度ネット上にマイナスなことが書かれてしまえば、たとえ数年前のブログや口コミでも、悪評は絶えず流れてしまうのがインターネットです。

ただし、質の悪い事業所を問題視した国が、規制を強化した結果なので、閉鎖が多い=危険な場所、ではないことが分かります。

情報を集める際には、しっかりと「いつ書かれたものか」も確認するようにしましょう。

支援員や利用者との相性

福祉サービスと言えど、結局一番大きく関わってくるのは人間関係です。前提として、一生懸命やっている方が大半としても、支援員の利用者に対しての態度が悪かったり、利用者の言動が気になったりなど、実際に利用してみて初めて分かることが、どうしてもあると思います。

事業所によって、発達障害の方が多い・精神障害の方が多いなど特色があるので、自分に合わない事業所に居続けると強いストレスを感じてしまう可能性があります。

仕事内容が単調

あまりに仕事内容が単調な事業所を選んでしまうと、「こんなことをするために通わなければならないのか……。」「自分がいる場所じゃない……。」などの思いが出てきてしまいます。これらの気持ちは、至極当然なことです。

例えば、「手先を使う作業」と言っても、同じ作業を連続でやることが苦にならず得意な人・自分で考えて作業に変化が欲しい人など、障がいの特性や本人の性格によっても大きく変わってきます。

また、発達障がいの方を多く雇用している事業所の仕事内容は、身体障害の方にとっては単調に感じて苦痛になってしまったり、逆に、身体障害の方を多く雇用している事業所の仕事内容は、発達障害の方にとっては内容が複雑で合わなかったりする場合があります。自分に合った仕事内容を行っている事業所に通うことが、とても大切になるでしょう。

自分に合うA型事業所の選び方

上記でA型事業所が「やめとけ・おかしい」と言われている原因について考えてみました。しかし、A型事業所は、上手く活用することができれば、生活を支えてくれる魅力的な福祉サービスです。

では、自分に合うA型事業所はどのように選べばいいのでしょうか?

ここでは主に3つのポイントを紹介していきます。

  1. 自分の障がいや体調に合った仕事内容を選ぶ
  2. 実際に見学や体験をしてみる
  3. 通いやすい距離にある事業所を選ぶ

順に見ていきましょう。

自分の障がいや体調に合った仕事内容を選ぶ

A型事業所は全国に約4,000か所設置されていることもあり、仕事内容は多岐にわたります。具体的には、座りながらできる梱包や仕分けなどの軽作業や、肉体労働を伴う公共の施設やホテルの清掃などです。

他にも、パンやお菓子の製造・カフェや飲食店の運営を行っている事業所も多くあります。料理が得意な方や興味がある方は、まずはお店に直接行ってみたり購入してみたりするのもいいですね。

また、近年ネット社会の発展により、PC作業をメインにしているA型事業所も増えてきました。

通信販売やSNS運用の代行など、比較的初心者からでも挑戦できるものから、プログラミングや動画編集などの専門的な技術が求められる仕事、さらには、近年話題のeスポーツに関連した事業所も出てきています。

特に、PCを使うA型事業所は、体調・体力に不安のある方や就労に向けてPCスキルを身に付けたい方などに、とてもオススメできます。

実際に見学や体験をしてみる

気になるA型事業所を見つけて、HPや口コミなどを見てみても、やはり実際その場に行ってみないと分からないことがあります。事業所の雰囲気や利用者の表情、支援員の対応などを確認することが大切です。見学の際に、体調や障がいへの配慮をどのように行っているか、質問してみるのもいいですね。

体験期間を設けている事業所では、仕事内容が合うかどうか・続けられそうかなどを意識しながら、自分の目で見て納得できるA型事業所を選んでいきましょう。

通いやすい距離にある事業所を選ぶ

通勤は、肉体的にも精神的にも大きな影響を与えます。事業所によっては、交通費が全く出ないところもあります。

交通費が支給される事業所も、上限金額が設定されている場合が多いです。公共交通機関を利用される方は自宅から事業所までの料金、車通勤の方はガソリン代などをあらかじめ計算して、収入との折り合いをつけておきましょう。

また、身体障害の方にとって、事業所に行くまでの経路や事業所内のバリアフリー化などが、とても重要になってきます。実際に確認してみて、継続的に利用できそうか判断することが大切です。

通勤の負担にならない範囲にあるA型事業所を選んでいきましょう。

A型事業所に通うメリット

次に、A型事業所に通うメリットについて紹介していきます。メリットが分かれば、通う目的が明確になり、モチベーションも上がりやすくなりますね。

ここでは主に

  1. 一般就労に近い形態で働ける
  2. 技術や能力が身に付けられる
  3. 生活リズムが安定する
  4. 社会との繋がりがもてる

の4つのメリットを紹介していきます。

順に見ていきましょう。

一般就労に近い形態で働ける

A型事業所は、基本的に1日4~6時間、週3~5日勤務のところが多いです。

清掃業務や接客業などを行っている事業所だと、体力をつけることができます。他にも、集中力や体調の面で不安がある方も、配慮を受けながら仕事をすることができるので、一般就労に不安がある方におススメです。

また、事業所によっては、体調に配慮して勤務日数を調整してもらえる場合もあるようなので、「長時間働けるか不安……。」と思う方は、事前に質問してみましょう。

詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。

技術や能力が身に付けられる

事業所の仕事内容によっては、技術や能力を身に付けることができるので、その後の就労に役立つことがあります。

パンやお菓子の製造やカフェなどの接客業などは、実践に近い形で働けるので、就職の際に0から覚えることは少なくなります。

また、PC業務などをメインにしている事業所では、IT関連の仕事に慣れることができるので、まずは挑戦してみるのもいいですね。近年は人手不足も叫ばれている業界なので、技術さえ身に付ければ在宅でも働ける業界です。

生活リズムが安定する

思い出してみてください。小学生時代、夏休みに入った途端、生活リズムが乱れたという方も多かったのではないでしょうか?

幼少期から学生時代、社会人まで「決まった時間に外出する予定がある」という環境に常に身を置いていると忘れがちですが、実は、生活リズムを形成する上でとても重要な要素となっています。

心身ともに疲れていると、頭の中では「正しい生活リズムが大事」と分かってはいても、実際に実行することは、なかなか難しいですよね。そんな中で、A型事業所などの通う場所を少々強制的にでも作ると、生活リズムが整いやすくなります。

また、起床時間が変わると、活動できる場所や利用できる施設も増えるので、生活自体にも変化が現れるかもしれません。

社会との繋がりが持てる

体調不良や心の疲れから、人と交流することや仕事に行くことが億劫になってしまい、引きこもり状態になってしまう方はとても多いです。

社会的な繋がりがないと、家庭内や自分自身の問題を外に出すことが難しく、他者に相談することが難しくなってしまいます。また、代わり映えのない日常に退屈してしまい、精神的にも良くありません。

社会に疲れて距離を取りたいと思っても、いざ完全に遮断してしまうと、結局困ってしまうのは自分自身です。近年、引きこもりが長期化しているという調査結果も出ています。

行動を起こせる余力が残っているうちに、A型事業所をはじめ、福祉サービスなどを利用して社会との繋がりをもっておくことが大切になるのです。

A型事業所の探し方

上記でA型事業所について説明してきました。利用することに対して、少しは不安が減ってきたのではないのでしょうか?

最後に、A型事業所の探し方について、ここでは主に3つのパターンを紹介していきます。

  1. ハローワークからの紹介
  2. 行政や病院からの紹介
  3. 直接事業所に連絡を取る

順に見ていきましょう。

ハローワークからの紹介

ハローワークには、障害者雇用について、詳しい専門家の方がいる窓口があります。
地域によっても変わってきますが、A型事業所に興味がある方は、まずは相談してみましょう。

行政や病院からの紹介

現在、各市町村の支援や病院と繋がりがある方は、そこから紹介される場合があります。自分から話題に出して、詳しく聞いてみるのもいいですね。

ネット上に出ている情報よりも、地域にあるA型事業所の話を、より深く知ることができるかもしれません。

直接事業所に連絡を取る

現在はHPを作っているA型事業所も多くあります。お近くのA型事業所をネットから探してみて、直接連絡をとるのもいいでしょう。ただし、利用するにはさまざまな書類や手続きが必要になってくるので、見学をしてすぐ利用できる訳ではありません。

あらかじめ興味のある事業所を決めておいて、ある程度の事前準備やなんとなくのイメージをしておくと、スムーズに物事が運びやすくなります。

まとめ

  • 2017年以前まで就労継続支援A型では悪徳業者が蔓延まんえんしていた。
  • 支援員や利用者との相性、仕事内容によって、合う合わないがある。
  • A型事業所選びのコツは、自分の障がいや体調に合った仕事内容を選んだり、実際に見学や体験をしてみたりすること。
  • A型事業所に通うことで、技術や能力が身に付けられたり、生活リズムが安定するメリットがある。

この記事では、A型事業所が「やめとけ・おかしい」と言われている原因、自分に合った事業所の選び方、通うメリット、探し方について紹介してきました。

何事も知らないことから不安が生まれます。初めて利用を考えている方も、数年前に利用したことがある方も、ネット上の情報だけを鵜呑みにせず、ぜひ実際に赴いて、自分の目で確かめてみてください。

A型事業所以外にも、福祉サービスの種類はたくさんあります。一人で悩まず、まずは相談をして、自分に合いそうな福祉サービスを積極的に受けていきましょう。少しずつでも、生活が送りやすくなるはずです。

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