「社会復帰に向けて動きたいけど、何をどうしたらいいのかわからない…」
などのお悩みはありませんか?
ひきこもっているご本人やそのご家族の方で、今後社会復帰も検討していきたいという方は多くいらっしゃると思います。何らかの障がいが原因でひきこもりになっている場合は、就労移行支援が利用できます。
「えっ、障がいなんて関係あるの?」と思われる方もいるかもしれませんね。実は、ひきこもりは障がいが原因となることも多いのが現状です。
- ひきこもりやニートと障がいの関係
- 就労移行支援とは
- 引きこもりが就労移行支援を利用するメリット
について紹介しています。
現在ひきこもっているけれど社会復帰を目指していきたい方や、そのご家族の方は是非読んでみてください。
ひきこもりとニートの原因は障がいかもしれない?
ひきこもりの背景にはさまざまな要因があります。
ここでは障がいと、ひきこもり、ニートの関係を紹介していきます。
ひきこもり
ひきこもりとは、
を指します。
ひきこもりは原則、統合失調症の陽性、陰性症状に基づく引きこもり状態とは異なる、非精神病性の現象とされています。しかし、実際には確定した診断が出される前の統合失調症が含まれている可能性は少なくありません。
ひきこもりは統合失調症という精神障害によってもたらされる場合もある、ということです。
ニート
「ニート」とは、「Not in Education, Employment or Training」の頭文字「NEET」からきた英語での造語です。
直訳すると「就業、就学、職業訓練のいずれもしていない人」となります。
日本において近いものは、内閣府の「平成17年青少年の就労に関する研究調査」の報告書に記載された、
とした定義があります。職に就いていなくても求職活動を行っている「失業者」はニートから除かれています。
ニート状態の方の中にも、ひきこもり問題を抱え、専門的な支援を必要としている方が少なからず含まれています。
ひきこもりと精神障害
精神保健福祉センターの「ひきこもり相談における研究」では、当事者との面談ができた事例の大半に、精神障害の診断が可能であることが示されました。
ひきこもりと関連の深い精神障害の主なものとしては、
- 広汎性発達障害
- 強迫性障害を含む不安障害
- 身体表現性障害
- 適応障害
- パーソナリティ障害
- 統合失調症
などをあげることができます。
ひきこもり=精神障害とは限りませんが、事例として少なくないことがわかります。
ひきこもりと発達障害
ひきこもりと発達障害の関与はけっして稀ではないことから、現在特に注目されています。
急性期精神科医療の現場で、30歳以下の初診患者のうち、22%がひきこもりを表しており、その診断は、統合失調症、神経症性障害、広汎性発達障害を中心とする発達障害がほぼ同数だったという報告もあります。
また、精神保健福祉センターでのひきこもり相談来談者の調査からも全体の30%弱ほどに発達障害の診断がついたという報告もあります。
このような数字から、ひきこもりと発達障害の特性には関連性が見られるのではないか、と考えられています。
ひきこもりと就労移行支援
ひきこもりの原因が、障がいによるものの場合、就労移行支援を利用することが可能です。
長期間ひきこもっていて社会復帰に不安を感じていても、サポートが充実しているので安心してください。
就労移行支援とは
就労移行支援とは、障がいのある方が一般企業への就職を目指して、就職に必要な知識やスキルを身につけるためのサポートを行うものです。
この3つに当てはまっている方が利用できます。
- 一般企業への就職を希望する方
- 障がい、難病の診断を受けている方
- 年齢が65歳未満の方
障害者手帳がなくても医師や自治体の判断などにより就職に困難が認められる方も利用することができます。
就労移行支援の詳しい利用条件は下記の記事を参考にしてください。
引きこもりが就労移行支援を利用するメリット
引きこもり状態の方が就労移行支援を利用することについて、下記のようなメリットがあります。
- 生活リズムが確立できる
- 職業訓練を受けられる
- 就職活動のサポートが受けられる
- 入社後もフォロー
順番に詳しく説明しています。
生活リズムが確立できる
「朝早く起きられない…」「いきなり平日ずっとは通えないかも…」などの心配をしている方もいるでしょう。
就労移行支援は、週1日、短時間の通所から始められるところも多いです。
まずは、生活リズムを整えることを目標にして通所しましょう。
通所に慣れてきたら、週5日通えるようになるでしょう。毎週5日通うことができるようになると、毎日通ったという事が自信になります。
また、空いている時間に体力づくりを行うことで、より効率的に進めることができます。
下記の記事でも詳しく解説しておりますので、あわせて読むことをお勧めします。
職業訓練を受けられる
「仕事の経験がなくて不安…」というひきこもりの方もいるかもしれませんね。
就労移行支援では、社会で必要なマナーから一般常識、生活に役立つスキルまで丁寧に教えてくれます。
また、さまざまな職業訓練を行うことも可能です。職業訓練を通じて、自分の長所を見つけたり、自信を取り戻したり、コミュニケーションが取れるようになったりします。
さらに、インターンや実習を通じて実際に会社で、職場体験として働くことが可能です。
実際に働くことでどんな職種や働き方が向いているかがわかります。
ひきこもりの影響で仕事の経験がなくても、しっかりと訓練をさせてもらえるので、社会に出る準備を十分に行うことができます。
就職活動をサポートしてくれる
仕事未経験者だと内定がもらえるのか、不安に感じるひきこもりの方もいらっしゃるでしょう。
長期間仕事をしていないと不安も大きいですよね。
就労移行支援では、履歴書や面接から徹底して対策を行い、自信をもって臨めるようにサポートしてもらえます。
ひきこもりから就職して、社会で活躍するケースはたくさん存在しているので、安心してください。
また、企業側から許可を得られれば、就労移行支援事業所のスタッフが面接に同行し、通所の状況や訓練の態度などを企業側に伝えてもらえるため、雇用側の不安解消にも一役買ってくれます。
入社後にもフォローがある
ひきこもりの方はコミュニケーションを苦手としている場合も多いです。
もし、就職することができたとしても、その後の人間関係で苦労しないか心配ですよね。
コミュニケーションについて、就労移行支援では、コミュニケーションに関する訓練を開講していることが多いです。
受講することで、入社までにスキルを習得することが可能でしょう。
また、就労移行支援では職業定着支援として、会社に就職した後も引き続き、仕事を続けることができるようにサポートを行っています。
定期的に面談の機会を設けるため、仕事のことや人間関係のことなど、なんでも相談をすることができます。
時には、会社側と相談して問題を解決することもあります。
まとめ|ひきこもり・ニートと就労移行支援
- ひきこもりは障がいが原因になっているケースが多い
- 障がいが原因のひきこもりの人は、就労移行支援を活用できる
- 就労移行支援では、生活リズムの改善、仕事訓練、就活対策、定着支援などを行っている
障がいが原因でひきこもりをしている方は就労移行支援を利用することができます。
もし今ひきこもっている方で、思い当たることがある場合は医療機関を受診してみましょう。何らかの障がいがあると診断されるかもしれません。
障がいがあると診断されて、社会復帰したいと思ったならば就労移行支援を活用することを考えてみるといいでしょう。