働くのが怖いと感じているニート・ひきこもりの方や、そのご家族のみなさん、
「引きこもりやニートだと怒られそうで怖いな…」
「他にも利用できる支援制度はないの?」
このような疑問や不安をお持ちではありませんか?
また、「現状から脱出したいけど、どこに相談すれば良いかわからない」と悩んでいませんか?
こうした疑問をお持ちの方に向けて、サポステで受けられる支援内容や、それ以外にも利用できるサービスについて解説します。自分に合った支援を頼り、社会復帰への一歩を踏み出しましょう。
- サポステ[地域若者サポートステーション]について
- サポステではどんな支援が受けられるのか
- サポステは怖い場所なのか
- 引きこもり・ニートの方が利用できる他の支援制度
について解説していきます。
「サポステ」とは?どんな支援が受けられる?
「サポステ」の通称で親しまれている「地域若者サポートステーション」は、働くことに不安や悩みを抱える15〜49歳の方を対象とした支援機関です。
厚生労働省が委託した民間団体などによって運営されており、利用にかかる料金は原則無料です。利用することで、コミュニケーションスキルやビジネスマナーを身につけるための講座、職業体験、面接・履歴書の指導といった多様な支援が受けられます。
また、サポステは全国に177か所もの事業所があり、すべての都道府県に設置されているため、多くの方にとって身近で相談しやすい機関だと言えるでしょう。
サポステの対象者
サポステの対象となるのは、下記のような方です。
- 15~49歳の方
- 現在、仕事や学校に行っていない
- 働いていく自信がない
- コミュニケーションが苦手
- 就職活動の進め方がわからない
- いつも仕事が長続きしない
こうした方々が職場に定着し、自信を持って働けるようになるまでをバックアップしてもらえます。
サポステで受けられる支援内容
サポステでは、次のような支援プログラムが用意されています。
コミュニケーション講座
人と関わることに対する苦手意識の強い方を対象に、働く上で必要なコミュニケーションスキルを身につける訓練を行います。参加者とのフリートークなどを通して、少しずつ自分を表現するコツをつかむことができるでしょう。
ジョブトレ(職業体験)
サポステでは、利用者の状況や希望に合わせてさまざまな職場の見学・体験を実施しています。働いた経験が無い方や自分に向いている仕事がわからない方も、働いている自分をイメージしやすくなり、就労に向けて前進することができます。
ビジネスマナー講座
社会人として求められるビジネスマナーを、一から学ぶ講座です。身だしなみ、名刺交換、メールのマナー、電話対応などといった実践的な知識が得られます。特に、社会経験が無い方や少ない方にはオススメのプログラムです。
就活セミナー
就活セミナーは、「就職まであと一歩」という方に向けた支援です。実際に企業に応募する上で必要になる履歴書の書き方や面接の受け答え、労働法や雇用契約の知識などを学ぶことで、自信をもって就職活動に臨めるようになるでしょう。
他にもさまざまな支援内容があります。詳しくは下記ページを参考にしてください。
サポステ利用の流れ
サポステを利用して就職するまでは、一般的に下記のような流れになります。
サポステはどこにある?
先述のように、サポステは全ての都道府県に設置されています。下記ページから、お近くの施設を探してみましょう。
一例として、岐阜市のサポステの所在地を載せておきます。
本所 | 所在地 | 岐阜市橋本町1-10-1アクティブG2F |
---|---|---|
電話番号 | 058-216-0125 | |
Fax | 058-216-0124 | |
開設時間 | 10時~17時(月~金曜日) | |
gifusapo@icds.jp | ||
ホームページ | 岐阜県若者サポートステーション | |
岐阜 出張相談 |
実施日 | 第1土曜日 |
場所 | 岐阜県シンクタンク庁舎 (岐阜市薮田南5-14-2) | |
実施日 | 第4金曜日 | |
場所 | ハローワーク岐阜内 (岐阜市五坪1-9-1) |
本所 | 所在地 | 岐阜市橋本町1-10-1アクティブG2F |
---|---|---|
電話番号 | 058-216-0125 | |
Fax | 058-216-0124 | |
開設時間 | 10時から17時(月から金曜日) | |
gifusapo@icds.jp | ||
ホームページ | 岐阜県若者サポートステーション | |
岐阜 出張相談 |
実施日 | 第1土曜日 |
場所 | 岐阜県シンクタンク庁舎(岐阜市薮田南5-14-2) | |
実施日 | 第4金曜日 | |
場所 | ハローワーク岐阜内(岐阜市五坪1-9-1) |
本当にサポステから就職できる?
サポステの公式サイトによると、令和4年度の新規登録者のうち、約7割の方が就職や公的職業訓練へのステップアップを果たしています。サポステの利用を通して自分の課題と真摯に向き合っていけば、就職につながる可能性は高いでしょう。
また、支援開始から1年未満で就職した方が8割を超えるため、できるだけ早く就職を目指したい方にもオススメです。
ただし、サポステはハローワークのように仕事を斡旋してもらえる場所ではありません。あくまで「働くことに悩みを抱えている若者に、働く意欲を持ってもらうための場所」であるという点には、注意が必要でしょう。
数字で見るサポステ!|サポステ[地域若者サポートステーション]
サポステは怖いのか?説教される?
「担当スタッフの人とうまく話せるか心配だな…」
長く引きこもっていた方や、コミュニケーションが得意でない方が最初の一歩を踏み出すにあたって、こうした不安はつきものでしょう。
ですが、サポステをはじめとした各種支援機関は皆さんのサポートをしてくれる場所であり、厳しく鍛えあげられるような場所ではありません。
そんな気持ちが起こったとき、みなさんのさまざまな思いを聞き、受け止めてもらえる場所の一つがサポステです。個別⾯談・適職診断・セミナー・職場体験・定着⽀援など、幅広いメニューを⽤意し、みなさんの就活に向けた動きをサポートしています。
引きこもりやニートだからといって怒られたり、説教されたりすることは基本的にありません。親身になって相談に乗ってもらえるため、安心して活用してください。
仮に勇気を持って一歩を踏み出した後、引きこもりやニートであることについてお説教をしてきたり軽く扱ったりしてくるような職員がいたら、困っている当事者に対して適切な対応が取れていないわけですから、それについて耐える必要も乗り越える必要もありません。
万が一、そうしたケースに遭遇してしまった際は、次の項目で紹介する内容も参考に、他の支援サービスの利用も検討すると良いでしょう。
サポステ利用を検討している方の助けになりそうな他の支援制度
引きこもり・ニートの方を支援してもらえるサービスは、サポステだけではありません。他にもさまざまな種類の制度が存在するため、自分に合ったものを選択すると良いでしょう。
引きこもり・ニートの方が利用できる支援制度の一例を紹介していきます。
ハローワーク(公共職業安定所)
ハローワークとして知られる「公共職業安定所」は、厚生労働省が運営する就労支援機関です。すべての都道府県に設置されており、仕事探しや雇用に関わる総合的なサービスを無料で行っています。
ハローワークでは、次のようなことが可能です。
- 求人の検索・応募
- 求職活動の進め方に関する相談
- 職業訓練の案内
ただし、ハローワークの利用対象となるのは全ての求職者です。サポステとは違って、引きこもりやニートの方への対応に特化した機関ではありません。
困りごとについてじっくり相談して、それぞれの状況に合わせた支援プランを作成してもらえるサービスとは違うことを理解しておきましょう。
引きこもりの方のハローワーク利用については、下記の記事でも詳しく解説しています。
生活困窮者自立支援
生活困窮者自立支援とは、経済的な事情から生活を維持することが困難な方へのセーフティネットとして用意された支援制度です。専門の支援員が個別の支援プランを作成し、それぞれの状況に合わせた支援を行います。
生活困窮者自立支援制度で行われる主な支援には、次のようなものがあります。
- 自立相談支援事業
困りごとについて支援員と相談し、支援プランを作成します - 住居確保給付金の支給
条件を満たす方に家賃として必要な額を支給します - 就労準備支援事業
今すぐ働くことが困難な方に、必要な能力を養うための支援をします - 家計改善支援事業
家計の立て直しに向けて、アドバイスや関係機関へのつなぎを行います - 就労訓練事業
今すぐ一般企業で働くことが困難な方に、就労の場を提供します - 子どもの学習・生活支援事業
生活困窮世帯の子どもに学習や生活に関する支援を行います - 一時生活支援事業
住居が定まっていない方に一定期間、衣食住を提供します
年齢を問わず相談可能であることや、利用者個人だけでなく世帯全体の困りごとについて相談できる点がサポステとは異なります。
詳しくは、下記のページを参考にしてください。
就労移行支援
就労移行支援とは、今すぐ一般企業で働くことが難しい方に、就職する上で必要になる知識やスキルを得るための支援を行う制度です。
ただし対象となるのは、次のような障がいや難病をお持ちの方に限られます。
- 精神障害(うつ病、パニック障害など)
- 身体障害(視覚障害、聴覚障害など)
- 発達障害(ADHD、ASDなど)
- 難病
そのため、こうした障がい・難病をお持ちでない方は基本的に利用できない点が、サポステとの大きな違いです。また、障害者手帳を持っていなくても、障がいを証明する「福祉サービス受給者証」があれば利用することができます。
就労移行支援事業所の選び方については、下記の記事で詳しく解説しています。
まとめ|ひきこもり・ニートがサポステで利用できる制度
- サポステは、働くことに不安や悩みを抱える15〜49歳の方を対象とした支援機関。厚生労働省が委託した民間団体などによって運営されており、原則無料で利用できる。
- サポステではコミュニケーションスキルやビジネスマナー、履歴書の書き方、面接対応などを学べるほか、職場の見学・体験など個々の状況に合わせた多様な支援が受けられる。
- 引きこもり・ニートだからといって説教されるようなことは、まず起こらない。ほとんどのスタッフは親身になって相談に乗ってもらえるため、安心して利用しよう。
- 引きこもり・ニートで悩んでいる方には、サポステの他にもハローワークや生活困窮者自立支援、就労移行支援などの選択肢がある。自分に合ったものを活用しよう。
引きこもりやニートの方が就労するにあたって準備をしていくための就労支援機関であるサポステについて紹介しました。
みなさんの就労を支援したい・応援したいと思っている職員や指導員の方々はたくさんいますから、安心して利用してみてくださいね。