
「就職はしたいけど具体的にどうすればいいのかわからない…」
この記事にたどり着いたあなたは、こう思ってはいませんか?
引きこもりは、誰にでも起こるといわれています。
あなたも、つらい気持ちで心が押しつぶされそうになってはいませんか?また、ニートである自分を責め続けていないでしょうか?頭では「早く就職しなければ」と分かっていても、実際に働くための一歩は踏み出せないでいる状態だったりしませんか?
この記事を読みながら、できることを考えていきましょう。
- 高卒ニートは人生終わりだといわれる理由
- 高卒ニートの女性が就職するために必要な3つのポイント
- 高卒ニートの女性にオススメの職業
- 高卒ニートの女性が利用できる就労支援制度
を解説していきます。
高卒ニートとは?
厚生労働省は、「ニートとは15~34歳の非労働力(仕事をしていない、また失業者として求職活動をしていない者)のうち、主に通学でも、主に家事でもない独身者」と定義してきた。ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書(P63)|厚生労働省
つまり高卒ニートとは、働く意思がなく、通学も家事もしていない、学歴が高校卒業となっている方が当てはまります。
高卒ニートになる要因は人によってさまざまですが、次のような例が考えられます。
- 「高校卒業後に就職したが、途中で辞めてしまった…」
- 「就職活動で失敗した…」
- 「大学・短大もしくは専門学校に進学したが中退してしまった…」
など、必ずしも全員に当てはまるわけではないものの、ニートになった方は何かしら苦しい経験をしてきた場合が多いです。こうした苦しい経験をしてきたニートにとって、引きこもるという選択は自身を守るための防御反応でもあったりします。
社会に出て働きたいと思っても、失敗した経験が前に進もうとする意欲を打ち消してしまっている状態といえます。
高卒のニートは日本にどれだけいる?
総務省統計局が公開している労働力調査によると、2022年平均(令和4年)でニートは57万人いるという結果でした。割合でみると、若年層の人口(15歳~34歳)に対してニートは2.3%になります。
そのうち、高校を卒業した年齢に一番近い区分の15歳~24歳のニートは26万人となっており、人口に対する割合は2.2%となっています。2022年時点でも、57万人の若者が働いていないと考えるとけっして少なくない数字なのではないでしょうか。
また、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「資料シリーズNo.217」によると、ニートの学歴で特に多かったのは高卒ということがわかっています。
1992年~2017年の調査を行った年すべてで、高卒が50%以上を占めており、男性も女性も同様に高卒の学歴の方が最も多いという結果になりました。よって、現在も高卒ニートの数は多いと考えるのが自然でしょう。
高卒ニートは人生終わりだといわれる理由
では、なぜ高卒ニートは人生終わりだといわれてしまうのでしょうか?理由を確認していきましょう。
1.就職活動でライバルよりも不利になりやすい
高卒ニートが就職で不利になりやすい理由は主に2つです。
- 大学卒業以上の求人には応募できない
- 即戦力になりにくい
理由①:大学卒業以上の求人には応募できない
高卒ニートは、学歴が「高校卒業」なので大学卒業以上の求人には応募することができません。「高卒以上」や「学歴不問」、「未経験可」と書かれている求人に応募することになります。
そのため、学歴が大学卒業の方と比べるとどうしても応募できる求人が限られてしまい、不利になりやすいといわれています。
理由②:即戦力になりにくい
ニートは新卒採用の枠が使えないため、中途採用の求人を探すことになります。新卒採用はポテンシャル採用ともいわれ、社会人未経験を前提に企業が一から教育してくれます。
対して、中途採用は年齢に応じた経験やスキルを持っている人材が求められるため、「即戦力になるかどうか」を採用基準としている企業もあります。高卒ニートは、持っているスキルが少ないことや働いた経験が無い方も多いです。他に応募者がいた場合は、スキルや経験が豊富な方を優先して採用を行い、高卒ニートは不採用となることも多いのが現状です。
しかし、あなたの年齢が20代の場合は話が変わってきます。なぜなら、20代の年齢が若いうちはスキルや経験が無くても、新卒と同じように将来の伸びしろを期待してもらいやすいからです。
ニートは、30代以降になってくると急に就職が厳しくなってくると言われています。そのため、高卒ニートが就職を成功させるためには「いかに早く行動に移すか」が重要になります。早い段階で行動を起こせば、就職を成功させやすいです。
2.ニートは人生終了だと自分で決めつけてしまっている
高卒ニートが人生終わりだといわれる理由は、他にもあります。それは、無意識に自分自身で人生終了だと決めつけてしまっている場合が多いことです。
高卒でニートの女性が自分で人生終了だと決めつけてしまう理由に大きく関わっているのは、引きこもり状態によるネガティブ思考です。思考がネガティブになる原因には下記が考えられます。
- ニート生活で人との関わりが少なくなっているから
- 自己肯定感が下がっているから
- 体力や気力がなくなっているから
- 過去の失敗経験を引きずっているから
この他にも原因はたくさんあります。あなたは無意識にネガティブ思考になってはいませんか?
さらに、引きこもり・ニートの多くは何らかの精神疾患がある方が多いことがわかっています。実際に女性は男性よりも2倍程度、うつ病になりやすいという調査結果もあります。
心が疲れてしまっている場合は、まず気持ちを安定させることから始めましょう。
高卒ニートの女性の人生は終わっていない
高卒ニート女性の人生は、まったく終了していません。
ニートになったくらいで人生は終わらないので、自分で「もうダメだ…」と決めつける必要はないのです。なぜなら、人生が終了するかは、その人の今後の行動次第だからです。
繰り返しになりますが、なるべく早い段階で就職に向けて行動を起こせば、十分に挽回することが可能です。中には、「もうすでに長い期間引きこもっている人は手遅れなんでしょ…」と思う方もいるかもしれませんが、大丈夫です。
すでにニート生活が長期化している方でも、思い立ったらすぐに行動すれば就職することはできます。反対に、就職することを完全に諦めてしまえば本当に人生が終了してしまいます。
社会復帰するタイミングに遅いということはありません。就職したいと思ったら、まずは自分のできることから始めてみましょう。
高卒ニートの女性が就職するにはまず何をやるべきか
ここまで、高卒ニートの女性が就職するには、早めの行動が大切だということをお伝えしてきました。しかし、就職するには具体的に何をすればいいのか思い浮かばない方もいるかと思います。
そこで、下記に高卒ニートの女性が就職するために行うべき項目を3つまとめました。ぜひ参考にしてください。
- 生活リズムを整える
- 自分の長所や得意なこと、苦手なことを明確にする
- ニート期間の説明ができるようにしておく
1.生活リズムを整える
働いていくうえで、最も大事なことは「生活リズムを整える」ことになります。
不規則な生活を送っていると、せっかく働き始めたとしても途中で体がつらくなってしまい、長く働き続けることが困難になります。
あなたは、次のようにはなっていませんか?
- 朝早く起きられない
- 夜更かしがやめられない
- 体力面で疲れやすい
特に生活が昼夜逆転している場合は、今のうちに直すようにしましょう。
なぜかというと、体内時計が正しく機能していない状態では、体が重く感じることにより、就職どころか就活することすら自身にとって苦しくなってしまうからです。
また、もう一つ気を付けたいのが運動不足です。
引きこもり生活を送っているニートの方は、どうしても運動不足になりがちです。もし、普段の生活や外出時に疲れやすいと感じるのであれば、体力がない可能性があります。
下記に生活リズムを整えるオススメの方法を5つご紹介します。
- 仕事がなくても、仕事に行く前提で朝に起床することを目標にする
- すぐに起きられない場合は、起床後に太陽の光を浴びる
- 朝ごはんを食べる
- 夜は早めに寝るように心がける
- 可能な範囲で外に出て運動してみる
生活リズムが整えば、スムーズに就活を進めることができるでしょう。
引きこもり・ニートの方が生活リズムを整える方法については、下記の記事でも詳しく解説しています。
2.自分の長所や得意なこと、苦手なことを明確にする
高卒ニート女性の方が就職活動をするうえで必ず行うべきことは、自分の長所や短所を明確にする「自己分析」です。
自己分析が役に立つタイミングとして、履歴書の作成や面接などが挙げられます。しかし、履歴書を書くときに「自分の短所は書けても長所は思いつかない」という方は多いのではないでしょうか?
長所がなかなか思いつかない場合は「リフレーミング」という物事を別の視点から捉え直す方法が効果的です。
リフレーミングの例として下記があります。
- 人と話すことが苦手→聞き上手である
- 働いたことがなく知識や経験がゼロ→伸びしろがある、初めてのことにも進んでチャレンジできる
- 心が疲れやすい、傷付きやすい→思いやりのある
などです。
空白期間があるニートの履歴書の書き方は、下記の記事で詳しく解説しています。
3.ニート期間の説明ができるようにしておく
高卒のニート女性が、ニート期間の説明をできるようにしておく理由は、1つだけです。それは、ニートの場合は面接の際に面接官からほぼ確実に聞かれる質問だからです。
「どうしてニートになったか」や「ニート期間は何をして過ごしていたか」は必ず聞かれると思っていてください。事前に相手に説明できるように練習をしておくことが大切になります。
ただし、注意点として面接官への印象を良く見せようと嘘を話すことは避けてください。なぜなら、嘘をついてもほぼ確実に面接官にバレてしまい、不採用となるリスクが大幅に高まるからです。
答えるときのポイントとして、「ニートになった理由や空白期間のことは正直に」「応募理由はポジティブに」伝えるといいでしょう。
空白期間があるニートの面接対策については、下記の記事で詳しく解説しています。
高卒ニートの女性にオススメの職業
ここでは、高卒ニートの女性にオススメの職業を4つご紹介します。
どの仕事も働いたことがない方でも挑戦しやすい職業です。
事務職
事務の仕事は、資料の作成やデータ入力を行うことが多いです。基本的なパソコンスキルが求められるものの、未経験可となっている求人も多く存在します。そのため、職歴のない高卒ニートでもチャレンジしやすいです。
事務業務は繰り返しとなる作業も多いので、慣れれば自信を持って取り組める点が魅力といえます。
ショップ店員
ショップ店員といっても、種類はさまざまです。
ここで重要なのは、自分が興味のある商品を取り扱っているお店を選んで働くことです。なぜなら、興味を持てる職場で働くことができれば、モチベーションに大きくつながるからです。
ただし、ショップ店員は、接客業になるのである程度、人と関わる職業になります。そのため、接客に挑戦してみたいと思う方にオススメです。
プログラマー
プログラマーは「プログラミング」と呼ばれる作業をする仕事です。
プログラミングとは、コンピューターを動かすための言語「プログラミング言語」を使いながら、システムが作動するように設定をしていく作業になります。
プログラマーがオススメできる理由として、IT業界の人手不足により需要が高まっていることが挙げられます。プログラミングと聞くと難しく感じるかもしれませんが、未経験でも採用している企業はあります。
企業によっては、経験が無くても入社後に教えてくれる場合もあるので、求人に応募する前に一度確認をしておくといいでしょう。
Webライター
Webライターとは、パソコンでインターネット上に掲載する記事を書く職業です。
Webライターのメリットは、スキルや知識がまったく無くても始めやすい点があります。特に、未経験でも一から教えてもらえる企業を選んで入社すれば、勉強しながら働くことができます。
文章を書くことが好きな方や、パソコンを使って黙々と作業したいという方に向いています。
高卒ニートの女性が利用できる就労支援制度
ここでは、高卒ニートの女性が利用できる就労支援制度をご紹介します。
地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーション(通称サポステ)では、15歳~49歳までの仕事や通学をしていない方のサポートを行っています。厚生労働省委託の支援機関で、費用は原則無料で利用できます。「働きたいけど働けない…」などの就労に関する悩みを何でも相談できる点が大きなメリットです。
詳しくは下記の記事で解説しています。
就労移行支援
就労移行支援とは、障がいのある、一般企業での就職を希望する方に対して支援を行う障がい福祉サービスになります。就労移行支援事業所に通い、作業や実習などの訓練を通して適正に合わせた職場探しをすることができます。
就労移行支援を利用するメリットは次のとおりです。
- 仕事をしていくのに必要なビジネスマナーを身に付けられる
- 作業や実習を行うことで就労に必要なスキルを習得できる
- 働いていく自信をつけることができる
就労移行支援と就労継続支援の違いについては、下記の記事で解説しています。
就労継続支援(A型・B型)
就労継続支援とは、障がいのある、一般企業での就職が困難な方に対して、働く機会の提供を行う障がい福祉サービスになります。
就労継続支援事業所には、雇用契約を結んで働くA型と雇用契約を結ばないで働くB型の2種類があります。A型とB型のどちらも、障がいに対して理解・配慮してもらえる環境で働くことができるので、自身の体調に合わせた働き方ができます。
就労継続支援を利用するメリットは次のとおりです。
- 働きながら就労に必要なスキルを身に付けられる
- 給料(A型の場合)や工賃(B型の場合)を受け取れる
- 働く自信をつけることができる
A型事業所とB型事業所の違いについて、詳しくは下記の記事で解説しています。
まとめ|高卒ニート女性の就職
- 高卒ニート女性の人生が終了するかは、その人の今後の行動次第。なるべく早い段階で就職に向けて行動を起こせば、十分に挽回できる。
- 高卒ニート女性は、社会復帰に向けてまず生活リズムと体調を整えることが重要。不規則な生活のままでは、長く働き続けることは難しい。
- 求人に応募する前に、自己分析を行って自分の長所・短所を明確にしておくことや、面接で空白期間の説明ができるように練習しておくことが大切。
- 一人で就職活動を行うことに不安がある場合は、地域若者サポートステーションや就労移行支援、就労継続支援など就労支援制度の利用もオススメ。
いかがでしたか?
繰り返しになりますが、ニートくらいで人生は終わらないので安心してください。最初の一歩さえ踏み出すことができれば、あなたの就職活動を応援してくれる方はたくさんいるはずです。
この記事が少しでもあなたの助けとなれば幸いです。