うつ病だと就職活動は難しい?再就職するための6つのポイントを解説!

KAORUKO

「うつ病からの再就職が難しいというのは本当?」
「うつ病でも自分に合った仕事を探すことはできるのだろうか?」

という悩みを抱えている方もいるかもしれません。

うつ病を発症すると、仕事を続けられなくなることがあります。治療に専念するために前職を辞めた方も少なくないでしょう。

その後、うつ病の症状が落ち着いてくると、もう一度働きたいと考え始めるでしょう。しかし、「うつ病からの再就職は難しい」という話を聞いたことはありませんか?

  • 本当にうつ病からの再就職は難しいのか
  • うつ病の方の再就職が難しいと言われる理由
  • うつ病を隠して就職活動をした方がいいのか
  • うつ病でも再就職を成功させるための6つのポイント
  • うつ病の方が利用できる就労支援機関

について解説をしていきます。

一度うつ病を経験すると、本当に再就職ができるのか不安になってしまいますよね。この記事を通して、あなたの中にある不安を少しでも和らげることができましたら幸いです。

本当にうつ病からの再就職は難しいのか

携帯を見て悩むビジネスマン

うつ病から再就職を目指すことは本当に難しいのでしょうか。

まずは、厚生労働省が発表したデータを元に、実際の就職率を確認していきましょう。

うつ病の方の就職状況は厳しい

厚生労働省がハローワークを通じて取りまとめた「令和5年度障害者の職業紹介状況」によると、うつ病を含む精神障がい者の就職率は43.9%であるという結果が出ています。

これは、就職活動をしていた人たちの約半数以上が就職できなかったことを意味しています。

データ上から見ても、うつ病の方の就職活動は厳しい状況だと言えるでしょう。

雇用状況は徐々に改善しつつある

しかしながら、障がい者雇用促進の流れを受けて、民間企業で働く精神障がい者の数は増加傾向にあります。

令和元年には障がい者雇用促進法が改正されて、障がい者の雇用義務の対象にうつ病を含む精神障がい者も加わりました。このため、改正以前の平成30年と改正して5年が経った令和4年の精神障がい者の雇用数を比べると、2倍以上増加している結果が出ています。

また、ある一定の規模を持つ企業は、一定の割合以上の障がい者を雇用することが義務付けられました。この割合を「法定雇用率」といいます。この法定雇用率も、徐々に引き上げられていくことが決まっているので、雇用数自体は徐々に伸びていくでしょう。

コロナ禍が落ち着いたことで求人数自体も回復してきています。特に、「製造業」「サービス業」「卸売業・小売業」の回復は注目したいところです。これらの作業系求人は、短い時間から始められる仕事が多く、うつ病の方でも受け入れやすい傾向にあるからです。

現在の就職状況は厳しいですが、長期的には就職もしやすくなることが予想できます。諦めずに就職活動を続けていくことが大切になっていくでしょう。

うつ病の方の再就職が難しい2つの理由

理由

では、なぜうつ病の方の再就職は難しい状況にあるのでしょうか。

その理由は大きく下記の2つであると考えることができます。

  • 職場定着率が低い
  • 企業側にうつ病を受け入れる体制が整っていない

順番に見ていきましょう。

職場定着率が低い

まず、うつ病だった方が再就職を果たしても、長く続けることができない場合が多いことが挙げられます。

うつ病は再発の恐れがある病気です。一度症状が落ち着いたとしても、仕事に復帰したことをきっかけに再発し、退職してしまうケースは珍しくありません。事実、精神障がい者を対象にした統計では、1年後まで仕事が続いている方は採用したうちの49.3%と、半数以下であることが明らかになっています。

企業が求めているのは、長く仕事を続けてくれる人材です。そのため、面接などでうつ病であると明かした場合、上記のデータや企業自体の経験から「うつ病が再発して、すぐにこの人はやめてしまうのではないか」と不安視して、採用に踏み切れないことが多いのです。

特に、うつ病によって転職と退職を繰り返している場合は、見送られてしまうケースが多々あります。

企業側にうつ病である方を受け入れる体制が整っていない

令和元年の障がい者雇用促進法の改正で、法律的には精神障がい者の雇用促進の流れが強まってきています。しかしながら、うつ病の方を受け入れる体制が整っている企業は多くありません。なぜなら、うつ病がある方向けの対応ノウハウや知識、経験がある管理職が企業側にまだ少ないからです。

うつ病の症状は、精神という曖昧で目に見えない部分に現れるので、具体的な配慮や症状の判断が非常に難しいです。また、再発してしまう可能性も考慮しなければなりません。

そのため、受け入れるには、

  • そもそもうつ病とは何かを理解する
  • 必要となる具体的な配慮を整える
  • 任せることができる仕事の範囲を決める
  • 相談窓口や人事のバックアップ体制を整える

など、多くの準備や教育が必要になってきます。

しかし、企業自体に対応ノウハウや経験が少ないと、こういった事前準備を十分に進めることができません。たとえ進めていくとしても多くの時間や負担がかかりますし、簡単にできることではありません。

こういった理由からも、企業はうつ病の方の採用を躊躇ちゅうちょしてしまう傾向にあります。

就活ではうつ病であることを隠すべき?

ソファーの前座り込んでいる女性

先の2つの理由から「就活を行うときは、うつ病であることを隠したほうが良いのではないか」と考える方もいるでしょう。

うつ病などの精神障がいを持つ方が就職する際は、障がいがあることを企業に隠して働く「クローズ就労」と、明かして働く「オープン就労」の2つの選択肢があります。

それぞれの就労方法のメリットやデメリットについて確認していきましょう。

クローズ就労のメリット

法律上、うつ病であったことを面接で話す義務はありません。自分の口から言わない限り、企業にバレることは滅多にないでしょう。そのため、一般就労で就職を目指す場合は、うつ病を隠して選考を受けることも一つの方法です。この方法を「クローズ就労」といいます。

クローズ就労ではうつ病であることを隠すため、採用を>躊躇されるようなことはありません。

さまざまな企業に視野を広げることができますし、比較的給与の高い職種を狙うことも可能です。

クローズ就労のデメリット

しかしながら、クローズ就労を強くオススメすることはできません。平成30年に行われた調査では、うつ病を含む精神障がいを隠して就職した方のうち約7割が1年後までに退職してしまったというデータが出ています。

なぜ、7割もの方が就職後1年後までに辞めてしまったのでしょうか。

主な原因として、次の3つが考えられます。

  • 必要な合理的配慮を受けることができない
  • うつ病に対する理解が得られない
  • 就労支援を利用することが難しい

順番に解説していきます。

必要な合理的配慮を受けることができない

まず、うつ病であることを隠しているため、合理的な配慮を受けられません。

うつ病は再発のリスクが高い病気です。無理をしてしまうと、症状が再度悪化してしまうことも珍しくありません。

ある程度症状が落ち着いていたとしても、合理的な配慮がない環境の中で過ごすうちにストレスを感じ、再発してしまうケースもあります。

うつ病に対する理解を得られない

次に、うつ病に対する理解が得られないことが挙げられます。

例えば、うつ病の方が服用する薬の副作用には、眠気を誘うものがあります。

しかし、うつ病に対する理解を得られていないと、眠気が出ても薬の副作用であることをわかってもらえず、「体調管理ができていない」と認識されることになってしまうでしょう。

そのほかにも、

  • 平日に通院する場合も休暇を取ることができず、有給休暇を取得しなければならない
  • うつ病の症状が原因で体調が悪くなっても、業務調整をしてもらえない

といったケースもありえます。

企業としても、周囲と同じ待遇と給料であなたを雇用しているため、理由なく特別扱いをすることは難しいです。うつ病を隠していると、こういった面でも負担を強いられることになります。

就職先と支援機関が連携してサポートを行えない

さらに、あなたが後述するような支援機関を利用していたとしても、十分なサポートを受けることができない可能性があります。

就労をサポートしてくれる支援機関の多くは、あなたが就職した後も安定して働き続けられるよう、職場との間に立って適切な配慮を働きかけてくれます。しかし、クローズ就労の場合、こうしたサポートを求めることができません。

そのため、どうしても職場に配慮や業務調整を行ってほしいことがあれば、自分自身で交渉を行わなければなりません。

ただし、うつ病であることを隠して入社しているため、後からうつ病であることを明かして配慮を求める行為は、企業によっては問題視される可能性があります。結局、職場への働きかけができないまま自分一人で抱え込むことになり、うつ病を悪化させる危険性もあるでしょう。

就職活動をするときはオープン就労がオススメ

上記の理由から、うつ病であることを明かして就職活動をすることをおすすめします。これを、「オープン就労」といいます。

オープン就労であれば、一般企業に採用された場合でもうつ病であることに理解が得られているため、適切な配慮が期待できるでしょう。先ほどの調査結果でも、一般枠のオープン就労では約5割、障がい者雇用枠では約7割もの方が1年後も就職先で働き続けているという結果が出ています。

データから見ても、オープン就労の方が長く職場で働き続けることができると言えるでしょう。

うつ病でも再就職を成功させる6つのポイント

POINT

うつ病の方の就職活動が難しいのは、これまで解説してきたとおりです。では、どうすればうつ病であっても再就職に結びつくことができるのでしょうか。

ここからは、再就職を成功させるためのポイントを6つ紹介していきます。

  1. 生活習慣と体調を整える
  2. 自己分析を深めていく
  3. 無理なく働ける仕事を探す
  4. 現在の自分に合った就労形態を選ぶ
  5. 長く働き続けられる体制が整っているかチェックする
  6. 就労支援機関を利用する

順番に見ていきましょう。

1.生活習慣と体調を整える

まず必要なことは、生活習慣と体調を整えることです。

うつ病を発症した方の多くは、朝起きることや近距離の外出、入浴、食事などが難しくなっています。もしかしたら、あなたにも心当たりがあるかもしれません。

まずは、毎日決まった時間に就寝・起床することを心がけ、生活習慣を整えていきましょう。規則正しい生活を送ることで、気持ちを前向きにする効果を持つ「セロトニン」の分泌が促されます。

体力をつけることも忘れてはいけません。うつ病になると、少し運動するだけでも息切れやめまいを起こすことが多いからです。

毎日数時間の仕事ができるだけの、最低限の体力をつけていきましょう。ウォーキングや軽いストレッチなど、無理のない範囲で大丈夫です。

あえてオススメするなら、朝に数十分のウォーキングをすることです。朝日を浴びることでも、先ほど解説したセロトニンの分泌が促されます。より前向きな気持ちになりながら、体力をつけられるでしょう。

再就職後に仕事を長く続けていくためにも、規則正しい生活習慣と体調の管理はとても大切です。家族の方や主治医の方の協力を得ながら、無理せず整えていきましょう。

2.自己分析を深めていく

就職活動をするにあたって、自己分析を深めていくことは非常に重要です。

次のような視点から、自分の能力や性格と向き合っていましょう。

  • 自分のスキルや経験
  • 興味がある・やってみたいと思う仕事
  • 自分の体調に合わせた無理のない働き方
  • 今の自分にできる仕事

さらに、働く上で譲れない条件、妥協しても良い点なども整理しておくと良いでしょう。条件を整理しておくことで、どんな職場なら働けそうか絞り込んでいくことができます。

仕事の何に対してストレスを感じるのか知る

うつ病の方は、「仕事の何に対してどんなストレスを感じるか」を知ることも大切になります。自身のストレス要因を知ることで、仕事をする際に必要な対策や配慮してもらわなければいけないことが分かるからです。

オープン就労や障害者雇用枠で働く場合は、自身の症状や必要な配慮を言葉でしっかりと説明できるようにしておきましょう。面接官にも良い印象を抱いてもらえますし、企業も採用後の具体的な配慮をイメージしやすくなります。

少しつらいかもしれませんが、仕事でストレスを感じた時の状況を思い出し、どんな症状が出たのか振り返っていきましょう。

ストレスを感じているときは、下記のような症状が現れることがあります。

  • 気分が落ち込む
  • 頭が回らなくなる
  • 漠然とした不安があって落ち着かない
  • 疲れているはずなのに眠れない
  • 常に疲労感を感じる

どんな状況で、どのような症状が現れるか事前にわかっていれば、うつ病の再発や予防にもつながります。厚生労働省の出しているストレスセルフチェックの利用もおすすめします。

「5分でできる職場のストレスチェック」こころの耳|厚生労働省

3.無理なく働ける仕事を探す

うつ病である方が仕事を続けていくためには、「ストレスを回避する」ことが最も重要となります。ストレスが大きい仕事だと、うつ病の症状が悪化してしまうリスクが非常に高いからです。

興味のある職種でも、現在の自分の状態に向いていなさそうだったり、負担が大きそうだったりする場合は、大きなストレスがかかるため避けた方が良いでしょう。

ストレスが少なく、うつ病の再発を予防する仕事には、下記の特徴を挙げることができます。

  • 勤務時間が決まっている
  • 仕事の内容がはっきりしており、マニュアルもある
  • 急に休むことになっても、他の人に引き継ぐことができる
  • 無理にコミュニケーションを取らなくていい
  • プレッシャーがかかりにくい

リモートワークも、自分の体調やペースに合わせて作業を行うことができるため、うつ病が再発しにくい働き方の一つといえます。こうした特徴を押さえつつ、自己分析した内容と合わせて、あなたが無理なく働けるような仕事を探していきましょう。

4.現在の自分に合った就労形態を選ぶ

仕事を探すときは、現在のあなたが無理なく働ける就労形態を選ぶようにしましょう。

先述の通り、うつ病の方は自身の思っている以上に体力が低下している可能性があります。加えて、精神状態がまだ安定していなかったり、長期にわたって離職期間があったりする場合は、主治医に「週当たりの勤務時間」を相談すると良いでしょう。

また、障がい者手帳を取得すれば、うつ病の方も障害者雇用に応募をすることができます。

障害者雇用では、うつ病であることを明かして働くため、一般のオープン就労と比べてもより合理的な配慮が受けやすくなるでしょう。ただし、求人数が一般就労よりも少ないことには注意が必要です。

「一般就労での就職活動は難しいかもしれない」
「より手厚い配慮を受けながら仕事がしたい」

という方は、障がい者雇用を選ぶことをおすすめします。

もちろん、「一般就労で周囲と同じように働いた方が気が楽だ」という方は一般就労を目指すと良いでしょう。向いている就労形態は、あなたの性格や適正、仕事に求めるもの、症状の度合いによって変わってきます。

正規雇用以外にも視野を広げる

正規雇用以外で再就職を目指すことも視野に入れておきましょう。

確かに、正社員のフルタイム就労には、給与が高かったりキャリアアップにつながりやすかったりなど、多くのメリットがあります。しかしその分、心身に大きな負担がかかってしまう傾向も強いです。

特に、うつ病で長期にわたって離職していた方が急にフルタイム就労を始めると、心身が仕事の負担に耐えられなくなってしまう場合があります。障がい者雇用やオープン就労で必要な配慮を受けていたとしても、結果的にうつ病の症状が悪化しかねません。

自分の現状を鑑みて、正社員として働くことに不安を覚える方は、アルバイトから始めてみることも一つの方法です。アルバイトから始めることで就労自体にも慣れていきますし、自分の向き不向き、強みや弱み、興味関心などを体感できるでしょう。

また、アルバイトを募集している企業は、アルバイトの方を改めて正規雇用として採用する制度を取り入れていることも少なくありません。この制度を、「正社員登用制度」といいます。こうした制度のあるアルバイトを探して、ステップアップを目指すのも良いでしょう。

他にも、就労継続支援A型・B型などの支援制度を利用し、うつ病の症状や体調に合わせた自分のペースで働きながらスキルを身につけていくという選択肢もあります。こちらも後で解説していきます。

5.長く働き続けられる体制が整っているかチェックする

長く働き続けるための制度や、うつ病の方を受け入れられる体制が整っているかも確認しておきましょう。

再就職が決まったとしても、残業時間が長かったり、うつ病の方の受け入れる体制が整っていなかったりすると、症状が悪化する可能性が高くなります。

仕事を探すときは、もしもの時に相談できる窓口やサポート体制があるか一緒にチェックしておくことがおすすめです。相談できる窓口があれば、困りごとや体調面での不安があるときでもすぐに駆け込めて、適切な配慮や業務調整をしてもらうことができるでしょう。

また、休職制度や残務規定などの人事制度が整っていることも重要です。人事制度が整っている職場であれば、従業員の配慮も行き届いていることが多いため、比較的働きやすい可能性があります。

6.就労支援機関を利用する

就職活動は一人だけで行わず、就労支援機関を利用して進めていきましょう。就職活動の焦りや悩みを一人で抱え込んでしまうことも、うつ病を悪化させてしまう要因となってしまうからです。

うつ病の方が長く仕事を続けていくためには、うつ病に対する正しい理解と合理的な配慮が必要になります。支援機関を利用すれば客観的なアドバイスをもらえますし、就職後の定着支援が受けられる場合もあるでしょう。

支援機関を利用する際は、自分の症状や状態、希望することをしっかり伝えることが大切です。支援機関は、あなた個人の特性を踏まえて、うつ病や就労に関する専門的な知見からアドバイスや支援を行うからです。

自分について話すことが苦手でもかまいません。少しずつで良いので、自分のことを話していきましょう。そうすることで、よりあなたに合った支援を受けることができるようになります。

就労支援機関には就労移行支援事業所や地域障害者センターなどがあるほか、ハローワークや転職エージェントでも、障がい者向けの支援を受けることができます。

詳しくは、次の項目で解説していきます。

うつ病の方が利用できる就労支援

サポート イメージ

うつ病の方が利用できる就労支援にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは、代表的な就労支援機関をいくつか紹介していきます。無料で相談できる施設も多いので、気になった際は相談・見学を行ってみると良いでしょう。

では、順番に見ていきましょう。

就労移行支援事業所

就労移行支援とは、一般就労を目指す障がいのある方に向けて、求職から就職までの一連の過程をサポートしてくれる支援機関です。うつ病の方でも、専門医の診断書があれば障がい者手帳を申請しないで利用することができます。

主な支援に、就職に向けた専門スキルの講習や自己分析のサポート、面接指導をはじめとした就職支援のほか、就職後も安定して働くための定着支援などがあります。

特に、専門スキルの講習は幅が広いです。WordやExcelなどの基本スキルから、プログラミングや英会話といった専門スキルなど、事業所によって全く内容が異なってきます。中には、資格の取得に力を入れている事業所もあります。

また、生活習慣のサポートやメンタル面での相談ができたり、自身の症状との向き合い方に対するアドバイスをもらえたりもします。

ただし、利用期間が24か月と定められていることに注意が必要です。また、求人の紹介は行っていないので、後述のハローワークや転職エージェントを使って自分で探す必要があります。

無料で相談を受け付けているので、興味のある支援内容があれば一度問い合わせてみると良いでしょう。

詳しくは下記の記事で解説しています。

ハローワーク

ハローワークでは、職業相談や職業訓練、求人情報の提示といった仕事に関する支援を行っています。うつ病であることを伝えて登録すれば、うつ病の方にでも向いている可能性のある求人情報を紹介してもらうことができるでしょう。

加えて、ハローワークには障がい者相談窓口も設置されています。

障がい者相談窓口を利用すれば、障がいに関する専門的な知識のある担当者が、障害者求人の紹介に加えて、応募書類や面接などの相談に乗ってくれたり、就職後に職場に定着するための支援を行ってくれたりします。

一般雇用か障がい者雇用かで悩んでいる場合も、障がい者相談窓口に訪れて相談してみると良いでしょう。このようなハローワークのサービスにも障がい者手帳は必要ありません。求職時にはまず訪れてみて色々と聞いてみることをオススメします。

ハローワーク|厚生労働省

転職エージェント

転職エージェントとは、キャリアアドバイザーなどの専門家が相談者の希望を聞いた上で、マッチする求人を紹介するサービスです。

求人検索サイトとは違い、担当者が面談や選考書類の書き方・面接の指導を行ってくれるなど、手厚いサービスを受けられることが特徴として挙げられます。

近年では、下記のように障がいのある方向けのサービスを提供している転職エージェントもあります。

  • LITALICO仕事ナビ
  • dodaチャレンジ
  • ランスタッドチャレンジド
  • DIエージェント
  • マイナビパートナーズ紹介

こういった障がい者向けの転職エージェントを利用することで、より自分に適した職場を見つけられるほか、企業との調整を代行してもらうこともできます。就職に関する相談だけでなく、症状に応じたアドバイスも受けることが可能です。

ただし、障がい者手帳がないと利用できないサービスもあるため、事前に確認しておきましょう。

地域障がい者職業センター

地域障がい者センターとは、障がいを持つ一人一人の要望に応じて、ハローワークなどと連携して専門的な職業リハビリテーションを行っている施設です。

職業リハビリテーションの主な内容は、下記の3つです。

・目標達成に向けて課題を整理する「職業相談」
・現状分析を行い支援計画を作る「職業評価」
・支援計画にのっとり講習や職業訓練を行う「職業準備支援」

「うつ病の治療を進めながら働きたい」という方におすすめです。就職後も、職場定着の支援を行うために、職場に職場適応援助者(ジョブコーチ)を派遣して直接的・専門的な援助もしてくれます。

障がい者就業・生活支援センター

障がい者就業・生活支援センターでは、就業やそれに伴う日常生活の支援が必要な障がいのある方向けに、センター窓口での相談や職場・家庭訪問などを実施しています。

就職の支援だけでなく、日常生活や地域生活に関することなど多岐にわたる内容を相談できることが特徴です。就職だけでなく、生活面での支援を受けたいという方にはオススメの支援機関です。

障がい者就業・生活支援センターは各地に数多くあるため、もし興味があれば近くのセンターを訪問してみると良いでしょう。

就労継続支援

就労労継続支援とは、うつ病をはじめとする精神疾患や障がいによって一般就労が困難な方を対象に、能力やニーズに合わせた働き方を提供する福祉サービスの一つです。働く場の提供に併せて、就労に向けた知識・能力を身に着けるために必要な訓練も行っています。

利用者の特性や希望を踏まえて、仕事内容や時間などを柔軟に調整してもらいながら働けるのが特徴です。

「働きたいが、一般企業で働くということがまだ難しそう」
「フルタイムでちゃんと働けるのか、不安が強い」

と感じている方は、就労継続支援を利用することをオススメします。

就労継続支援にはA型事業所とB型事業所の2種類があります。それぞれ、利用対象者と待遇面に違いがあるので、順に見ていきましょう。

就労継続支援A型事業所

A型事業所とは、一般企業で働くことは難しいが、雇用契約を結んでの労働はできる方が利用できる支援施設です。

A型事業所では、事業所と利用者が雇用契約を結んで働きます。そのため、法令で定められた最低賃金以上の賃金が給与として支払われます。

賃金は全国平均で、月83,551円となっています。

一般企業への就労に向けた施設でもあるため、スキルアップや自己成長によっては就職も可能になるでしょう。

就労継続支援B型事業所

B型事業所とは、雇用契約を結んで働くことも困難な人たちに向けて、就労の機会の提供と生産活動を通した訓練の提供を行う施設になります。

そのため、事業所と利用者は雇用契約を結びません。利用者に支払われる労働の対価も給与ではなく、成果物への報酬の工賃という形になります。

工賃は、全国平均で月17,031円となっています。

雇用契約を結ばないため、将来的には就労を希望する場合も、利用者の状態に合わせたペースでゆっくりと準備しつつ、社会参加の機会として利用を続けていくことが可能になります。

こうした違いを理解して、どちらの就労継続支援を選ぶのか判断すると良いでしょう。

就労継続支援については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。

まとめ|うつ病の方が再就職するためのポイント

  • うつ病を含む精神障がい者の就職率は5割を切っており、再就職の難易度が高い。しかし、長期的に見れば改善していく見込みがある。
  • うつ病の方の再就職が難しい理由として、うつ病の方の職場定着率が低いことや、企業にまだうつ病を受け入れる体制が整っていないことが挙げられる。
  • うつ病を隠して就労をした場合、就職後の配慮を得ることができず、症状が再発するリスクが高い。そのため、就職後も配慮を受けられる可能性の高いオープン就労がおすすめ。
  • うつ病の方が再就職を成功させるためのポイントには、「生活習慣と体調を整える」「自己分析を行う」「無理なく働ける仕事を選ぶ」「現在の自分に合った就労形態を選ぶ」「長く働ける環境かチェックする」「就労支援機関を利用する」などが挙げられる。
  • うつ病の方が利用できる就労支援機関には「就労移行支援事業所」「ハローワーク」「転職エージェント」「地域障がい者職業センター」「障がい者就業・生活支援センター」「就労継続支援」などがある。

うつ病を抱えて就職活動をするのは確かに難しいですし、焦りや不安によるストレスや負担も大きいでしょう。しかし、現在は一人で抱え込まずとも、今回の記事で紹介したような、うつ病の方が利用できる支援機関がたくさんあります。

こうした支援機関を利用し、悩みへの相談や就職活動についてのアドバイスを受けることで、焦りや不安を和らげ、ご自身に合った職場を見つけることができるでしょう。

あなたの就職活動がうまくいくことを、心から願っています。

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