この記事を読んでいる引きこもりの方、次のような悩みはありませんか?
「現状から抜け出したいけど、なかなか一歩踏み出せない…」
「他の人はもっと頑張っている」「辛いのはお前だけじゃないぞ」そんなことを言われながら歩き続けていたある日、突然足が全く動かなくなった。「自分だって頑張っているはずなのに、どうして誰からも認められないのだろうか?」そんなことを思ううち、何か自分というものが決定的に壊れる音が聞こえた。
これはあくまでも一例で、引きこもりに至る経緯は様々です。しかし、人と関わること、働くこと、努力すること、全てが嫌になって逃げだしてたどり着いた「引きこもり」という場所もまた地獄です。
あなたは大丈夫でしょうか?引きこもりという現実に耐えられていますか?少しでも現状を変えたい気持ちがあるのであれば、この記事を参考に、まずは行動を起こしてみましょう。
- 引きこもりの生活が辛い理由
- 引きこもりで気持ちが辛い時に効果的な、気分転換の方法
- 引きこもりが相談できる支援機関
について解説します。
引きこもりの生活が辛い3つの理由
自ら望んで引きこもりになる方はいません。引きこもりのあなたは今、心の底から休息できている状態でしょうか?恐らく、違うと思います。辛い現実に打ちのめされて、無気力の中を生きてはいませんか?
何もしなくていい生活のはずなのに、辛いと感じてしまう理由を3つ紹介します。
誰からも理解されない
引きこもりに対する世間の風当たりは強いです。
引きこもりの方の多くは挫折やいじめ、パワハラなど辛い経験を背負っていることが多くあります。にもかかわらず、事情を理解していない人達から「引きこもりって気持ち悪い」「犯罪者予備軍だよね」「働かなくていいから楽そう」と後ろ指を指されるのです。
私も引きこもっていた時、父親から「頼むから犯罪だけはやめてくれよ、窃盗とか人殺したりとかさ」と言われたことを今でも覚えています。
このように、引きこもりに対する先入観を持った人々とのコミュニケーションでは、すれ違いが生まれてしまうのは当然のことです。何度もすれ違いを経験することで、人との関わりを避けるようになります。引きこもりには、自分が抱える悩みや辛さを吐き出す先が見当たらないために、強い孤独感の中を生きている方がたくさんいます。
将来に対する不安
「このままではいけない」
引きこもりでも、心の中でそう思っている方はたくさんいます。ですが、踏み出そうとする際、次のような不安が必ずつきまといます。
- 経歴に空白期間ができたら再就職で不利になるのではないか
- 引きこもりから脱出するには何をすればいいのかわからない
- 何年も引きこもってしまったし、もう手遅れなのでは
こうした将来への不安感から、一歩も動き出せない自分がいるのです。
引きこもりが続くと自己肯定感が下がり、思考がネガティブになります。自分の頭の中で、「引きこもりから社会復帰しても、辛く厳しい状況が待ち受けているだろう」というイメージが形成されてしまい、立ち直るきっかけを失い続けるのです。
精神の健康が損なわれる
引きこもりとメンタルヘルスには、明確な関係があります。引きこもりの8割以上が、うつ病や統合失調症などの精神疾患を抱えていると言われています。
実際の引きこもりの方は、このようなイメージとは真逆の生活に陥っていることが多いです。引きこもりには、真面目で頑張りすぎる特徴を持つ人が多いです。そのため、「きちんとしなくては」と自分にプレッシャーをかけて、自分自身を追い込んでしまいます。
引きこもり生活が始まってもこのサイクルから抜け出せないため、「引きこもりの現状を変えなくては」と空回りし続け、絶え間なくストレスが生み出されていきます。
そのストレスが原因となり、精神疾患を引き起こします。すると、一日中気分が落ち込んだ状態になり、趣味にどれだけ時間を割いても楽しいと感じられなくなってしまうのです。
引きこもりの辛さを和らげる方法
引きこもりの方は自己肯定感の低さから、ネガティブな思考に陥りやすい傾向があります。そんなあなたに、効果的な気分転換の方法をお伝えします。
それは、セロトニンの分泌を活性化させることです。セロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれており、怒りや焦りなどマイナスの感情を抑制して、精神を安定させる効果があります。セロトニンをしっかり分泌させることで、心身をリラックスさせることができるでしょう。
では、どうすればセロトニンの分泌が活性化されるのでしょうか?効果的な3つの方法を解説します。
散歩
散歩は、気分転換に非常に効果的です。散歩は、一定のリズムで足を動かす有酸素運動に分類されます。有酸素運動を行うとセロトニンの分泌が活性化します。無理にジョギングしたり、遠くまで行ったりする必要はありません。リズムを一定に保つよう意識しながら、20~30分歩くことがポイントです。
また、たくさんの人で溢れかえっている駅や繁華街などを歩くよりも、人があまりいない公園などの場所を選んで散歩すると、より効果的です。
日光浴
あなたは、カーテンが閉め切られた暗い部屋で一日中過ごしていませんか?
朝にカーテンを開けて日光を浴びる習慣をつけることにより、気分転換や気持ちのいい目覚めにつながるだけでなく、セロトニンの合成を促進することができます。セロトニンの活性化には、午前8時~午前10時頃までの日光が特に効果的とされています。この時間帯に20~30分程度、日光を浴びるようにしましょう。
前述の散歩を、日光浴も兼ねて朝の時間帯に行うと、引きこもりで辛い気持ちの解消により効果的です。
入浴
入浴も、気分転換に効果があります。
人の体は、活動している時は自律神経が優位となりますが、休息をとる時は副交感神経が優位な状態に切り替わります。体を緊張から解放してリラックスさせる効果があるのが副交感神経です。
つまり、湯船に浸かることで人の体は副交感神経が優位な状態となり、セロトニンの分泌が活発になります。
38~40℃程度のお湯に20分ほど浸かるのがストレス解消に効果的な入浴方法です。42℃以上の熱めのお湯に浸かると、逆に交感神経が活性化してしまうため、気分転換やストレス解消の目的で入浴する際は水温に気を付けましょう。
気分や身体をリラックスさせれば、辛さが和らぐだけではなく、引きこもりそのものから抜け出せる可能性も上がっていきます。
下記の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
引きこもりが相談できる機関
引きこもりは、現在では社会問題として扱われています。そのため、引きこもりの方が相談できる支援機関はたくさんあります。
代表的なものは下記の通りです。
引きこもり地域支援センター
引きこもり地域支援センターとは、行政が運営する引きこもりに特化した相談窓口であり、全ての都道府県と指定都市に設置されています。引きこもり当事者からその家族まで、引きこもりに関わる内容であれば誰でも相談できます。年齢も問われません。
引きこもり支援センターでは、社会福祉士、精神保健福祉士、後任心理師などの資格を持った支援員がアドバイスを行っています。医療機関やハローワークなどと連携しているため、適切なサポートをスムーズに受けられる点も特徴です。
精神科、心療内科などの医療機関
引きこもりの専門外来を設置している精神科や心療内科は、全国に多数あります。
あなたは、次のような症状に当てはまってはいませんか?
うつ病
「倦怠感が強くやる気が起きない」「何をしてもつまらない」「食欲がない」「眠れない」などの症状が発生します。うつ病が悪化すると布団から起き上がることすらおっくうになり、結果として引きこもりになってしまいます。
統合失調症
陽性症状では「誰もいないのに悪口が聞こえる」「誰かに見張られている気がする」など、幻覚、幻聴、妄想が激しくなります。陰性症状では「意欲が低下する」「感情表現が乏しくなる」などの症状が現れやすく、人付き合いを避けて引きこもりになります。
発達障害
「落ち着きがない」「細かなミスが多い」「場の空気感がわからない」など、日常生活に支障をきたしやすく、対人関係を苦手とする方が多いです。同じミスの連続で自己肯定感を失いやすく、人との関わりを避けて引きこもるようになります。
精神疾患が原因で引きこもりとなる場合や、原因は別でも長い引きこもり生活の中で精神疾患を発症している場合があるため、医療機関の受診をオススメします。
他にも、精神障がい者の方等が社会復帰をするためのリハビリを受けられる、「精神科デイケア」が存在します。
以下の記事にて詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
引きこもり専門のNPO法人
NPO法人とは、ボランティア活動をはじめとする社会貢献活動を行う団体のことです。引きこもり支援を行うNPO法人も多数あります。引きこもり専門のNPO法人は引きこもり向けの支援施設を運営している場合が多く、これは引きこもりという共通の過去を持つ人同士で共同生活を送る中で、自立を目指すことを目的としています。
とはいえ、引きこもりの方がいきなり共同生活の場に入ることはハードルが高く、人との関わりが苦手な場合は激しいストレスを受けることが考えられます。また、NPO法人が運営しているとはいえ、施設の利用や相談にはお金がかかる場合がほとんどです。
引きこもり当事者とその家族が納得した上で、利用を検討するのがよいでしょう。
まとめ|引きこもりの辛さの和らげ方
- 引きこもりは他人に理解されづらく、将来に対する不安が大きい。精神疾患を発症することもあるため、生活が辛いと感じる。
- 引きこもり生活の苦痛を和らげるには、気分転換が重要。そのためには「朝の散歩」と「入浴」を行うことが特に効果的。
- 引きこもりやその家族が相談できる支援機関はたくさんある。心療内科や精神科で診断を受けることも大切。
引きこもりが社会問題として扱われるようになった現代でも、引きこもりに対する風当たりは依然として強い現実があります。そのため、引きこもりの方が抱えている辛さはなかなか理解されにくいのです。
- 引きこもり支援センターをはじめとする国の機関
- 心療内科や精神科の医療機関
- 引きこもり専門のNPO法人
引きこもりの辛い状況から抜け出すためには、これらの機関を利用できます。
周囲の人の手助けや理解も大切ですが、引きこもり当事者が「助けてほしい」という声を発することが何よりも大切です。