就労継続支援B型事業所の選び方・探し方、注目するべきポイント6選を紹介

就労継続支援B型事業所の数は年々増加しており、全国には15000件以上の事業所があります。

そのため、あなたのお住いの地域から就労継続支援B型事業所を探そうと思った時、選択肢が多すぎてどこを利用すればいいのかわからないということが起こるかもしれません。

この記事にたどり着いたあなたは、

悩む女性のアイコン
「就労継続支援B型事業所を選ぶ時に注目するべきポイントを知りたい」
「利用する就労継続支援B型事業所によってどのような違いがあるのだろうか?」

このような悩みや疑問を抱えてはいませんか?

この記事では、

  • 就労継続支援B型事業所を選ぶ時の6つの注目ポイント
  • 就労継続支援B型の探し方、オススメの情報サイト

について解説します。

就労継続支援B型は、事業所ごとに様々な特色があります。この記事を読むことで、あなたに合った就労継続支援B型事業所と出会うための一助としていただければ幸いです。

就労継続支援B型の注目ポイント6選、事業所の選び方を解説

POINTの文字+豆電球

就労継続支援B型とは、障がいや病気によって一般企業での安定就労が難しい方を対象に、「福祉サービスを受けながら就労できる場所を提供する」という目的で運営されています。昨今は就労継続支援B型事業所の増加に伴い、支援内容や扱う作業についても多様化が見られます。

「あなたが継続して事業所を利用できるか?」

これは、就労継続支援B型事業所を選ぶ際に最も大切な判断基準となります。6つのポイントに注目して、様々な事業所を比較してみるとよいでしょう。

ポイントは、大まかには以下の通りとなります。

  1. 作業内容、或いはやりたいこと・できること
  2. 障がいや病気(障害種別)が事業所の支援対象か
  3. 事業所の雰囲気
  4. 貰える工賃の金額
  5. 事業所までのアクセス手段
  6. 事業所の就職支援実績

順を追って解説いたします。

作業内容に注目する、やりたいこと・できることから選ぼう

就労継続支援B型事業所で行われている作業は、

  • 農作業
  • パンやお菓子の製造
  • 郵便物の梱包や仕分け
  • 部品の加工や製品の組み立て

このような軽作業が一般的となっています。

一方、最近では、

  • WEB制作やプログラミングなどのIT系作業
  • イラスト作成や動画編集などのクリエイティブ系作業
  • 喫茶店やバーの運営に関わる調理、接客スタッフ

などの個性的な作業を扱う就労継続支援B型事業所も増えています。

そのため、あなたの障がいや体調面に合わせて「無理なく作業できるか?」を考えると共に、「やってみたい仕事がある」「身に付けたいスキルがある」という視点を持って事業所を選ぶことが大切です。

また、作業内容が簡単すぎる場合や難しすぎる場合は事業所とのミスマッチの原因になります。障がいや病気によるハンデがあっても「できる作業」を通して、スキルアップを望める事業所であるかも注目したいポイントです。

事業所の雰囲気に注目する、実際に見学をすることも大切

就労継続支援B型事業所は、あなたの「働く場所」であると同時に「居場所」でもあります。そのため、事業所の雰囲気が「居心地が悪い」と感じてしまう場合は、毎日の通所がストレスの原因となってしまうことがあるでしょう。

事業所の雰囲気について、確認したいポイントは以下の3つです。

  1. 「和気あいあいとしているか?」「黙々と作業できるか?」などの事業所全体の雰囲気
  2. 利用している人と作業時間や休憩時間の雰囲気
  3. 「相談しやすい人はいるか?」「対応は丁寧か?」などの職員の人柄や雰囲気

これらは、事業所のホームページからだけでは判断しにくい部分でもあります。見学を行うと、実際に事業所内の作業を体験できる場合もあるため、先述している作業内容とのマッチングと合わせて事業所内の雰囲気を確認するとよいでしょう。

事業所の見学については、以下の記事でも詳しく解説しております。

あなたの障がいや病気(障害種別)が事業所の支援対象であるか確認しよう

就労継続支援B型事業所では、幅広い障がいや病気の方を支援の対象としている事業所もあれば、「精神疾患の方のみ」や「身体障害の方のみ」というように一部の障がいや病気の方のみを受け入れている事業所もあります。

あなた自身の障害種別が事業所の支援対象から外れている場合、望むような支援が受けられなかったり、作業内容とのミスマッチが発生したりする可能性が高くなります。また、バリアフリーに対応した設備を整えていない事業所を利用する場合、身体障害の方や車椅子の方にとって大きな負担となることもあるでしょう。

そのため、

  • 事業所側があなた自身の障がいや病気に対して理解があるか?
  • あなたを受け入れる体制は整っているか?
  • 十分な支援は受けられそうか?

このような視点を持っておくことも、事業所を選ぶ際には大切です。

貰える工賃の金額に注目しよう

お札と電卓と小銭 0307

就労継続支援B型は事業所と利用者の間で雇用契約を結ばないため、利用者が貰えるお金は「工賃」と呼ばれており最低賃金が保証されていません。令和4年度の工賃の全国平均は「月額17,031円」となっており、これを時給に換算すると「243円」となります。

利用者が受け取れる工賃の金額は、事業所ごとに作成されている「工賃規定」によって決められているため、同じ作業内容でも事業所によって工賃が異なるということもあるのです。

就労継続支援B型事業所では、「日給制」や「時給制」が導入されていることが一般的ですが、「歩合制」やスキルアップによる昇給制度を導入している事業所もあります。そのため、貰える工賃について気になる点がある時は、事業所に問い合わせることが大切です。

利用したい事業所が見つかったら、「貰える工賃はどれくらいか?」を確認することも、納得して事業所を選ぶための大切なポイントになります。

通所に負担はないか?事業所までのアクセス手段を確認しよう

就労継続支援B型では、原則として通所のための交通費の支給がありません。そのため、交通費についてはお住いの地方自治体が設けている制度や障害者割引を利用して通所することになりますが、自己負担が発生する可能性もあります。

遠方や交通アクセスが悪い事業所を利用する場合、交通費が支給される工賃を上回ってしまうこともあります。

そのような時は、「事業所が送迎サービスを実施しているか?」という点に注目するとよいでしょう。就労継続支援B型では4割以上の事業所が、無料で「利用者の自宅と事業所間の送迎サービス」を実施しています。

もっとも、「自力で通所することも訓練の一環」であると考えている事業所もあります。しかし、障がいや病気によって「満員電車が苦手」「体力的に自信がない」などの不安を抱えている場合、通所にかかる負担を減らすために送迎サービスの有無に注目するのも大切です。

事業所の就職支援実績を確認しよう

就労継続支援B型では、事業所ごとに就職支援への力の入れ方に大きな差があります。就労継続支援B型を利用することで、将来的には「就労継続支援A型(最低賃金が保証されている)」や「一般就労」に移行できる可能性があるため、利用する事業所の就職支援実績はあなたの将来を考える上で注目したいポイントになります。

もっとも、就労継続支援B型からステップアップするには、

  • 障がいや病気との付き合い方
  • 生活習慣を自己管理できるか?
  • 長期間継続して就労できるだけの体力はあるか?
  • 就労継続支援A型や一般就労が可能なスキルや知識が身に付いているか?

など、課題を1つずつ解決していく必要があります。

そのため、まずは焦らずに就労継続支援B型の利用を継続することが一番大切です。

ですが、目標に向かって一歩ずつ進んでいるという実感も、時には大切となることがあるでしょう。あなたの将来の目標によっては、利用を検討している事業所の就職支援実績も1つの決め手となるかもしれません。

あなたに合った就労継続支援B型事業所を探す方法

写真素材:テーブルでパソコン

「就労継続支援B型事業所はネットで探せばいいの?欲しい情報がなかなか見つからない」

あなたが初めて就労継続支援B型の利用を検討している場合、このようなお悩みを抱えてしまうことがあるかもしれません。

筆者自身、現在は就労継続支援A型で働いており、過去には就労移行支援などの就労支援サービスを利用していた経験があります。その時の経験を踏まえると、ネットで就労支援サービスの情報を集めるのには苦労していました。

そこで、以下では就労継続支援B型事業所を探すためのオススメの情報サイトについて紹介していきます。私が就労支援サービスを探す際に利用したサイトでもあるので、ぜひ、参考にしていただけると幸いです。

WAM NET(ワムネット)

あなたのお住いの地域から通所できる就労継続支援B型事業所を検索したい時にオススメなのが、「WAM NET」という情報サイトです。

WAM NETの検索ページでは、

  1. お住いの都道府県を選択する
  2. お住いの市町村を選択する
  3. 左上の「サービスを選択」の項目から「就労継続支援B型」の欄にチェックを入れる

という手順で選択した地域の事業所の情報を閲覧できます。マップ上に事業所の位置が表示されるため、事業所までの具体的な距離感や通所ルートのイメージを掴みやすいのがWAM NETの大きなメリットです。

WAM NETは、独立行政法人福祉医療機構という団体によって運営されており、「障害福祉」「保険・医療」についての制度について情報発信を行っているサイトでもあります。就労継続支援B型の利用にあたり、利用できる障害福祉制度を探す場合にも役立つでしょう。

障害福祉サービス事業所検索|WAM NET
福祉・保健・医療情報 – WAM NET(ワムネット)

LITALICO(リタリコ)仕事ナビ

あなたのお住いの地域にある複数の就労継続支援B型事業所の情報を比較したい時にオススメなのが、「LITALICO仕事ナビ」という情報サイトです。

LITALICO仕事ナビの検索ページでは、

  1. お住いのエリアを選択する
  2. お住いの都道府県を選択する

という手順で選択した都道府県内の事業所の情報を閲覧できます。対象となる障害種別や仕事内容、事業所の特色や貰える工賃の目安など、一目で必要な情報が得られる工夫がされているため、気になる事業所を見つけやすいのがLITALICO仕事ナビの大きなメリットです。当道府県内の事業所の人気ランキングなども掲載されているため、参考にするとよいでしょう。

LITALICO仕事ナビは、障がい者を対象とした就職支援サイトであるため、サイトに登録することで専任アドバイザーからあなたに合った就労継続支援B型の案件を紹介してもらうことも可能です。1人での事業所選びや情報収集に不安がある時は、ぜひ利用したいサービスですね。

全国の就労継続支援B型事業所を探す|LITALICO仕事ナビ

まとめ

  • 昨今は就労継続支援B型事業所が増加しており、様々な作業を扱う事業所も増えているため、あなたの「やりたいこと」に注目して事業所を選ぶことが大切
  • 事業所とのミスマッチを防ぐために、実際に見学を行い、事業所内の雰囲気や設備、作業内容を確認することが大切
  • 貰える工賃の額や事業所の就労支援実績など事前の情報収集を行い、不明点は事業所に問い合わせることが大切
  • 「WAM NET」や「LITALICO仕事ナビ」などの情報サイトを活用することで、あなたに合った就労継続支援B型事業所に出会える可能性が高くなる

就労継続支援B型を利用するにあたり、障がいや病気によって「できること・できないこと」や「働く場所が欲しい」「居場所が欲しい」などの利用目的は1人ひとり異なるでしょう。今回の記事で紹介した6つの注目ポイントに加えて、あなた自身の希望や気持ちについても整理できると、より良い事業所と出会うことに繋がるはずです。

これから就労継続支援B型を利用して新しい一歩を踏み出したいと考えているあなたに、素晴らしい出会いがあることを祈りつつこの記事の最後とさせていただきます。

就労継続支援については、以下の記事でも詳しく解説しております。


なお、一般就労を目指す気持ちが強い場合は、先に就労移行支援事業所について考えておくことも大事です。

一般就労を目指す障がい者に向けたサポートを提供する施設なので、ハードルが高いと思われがちですが、そんなことはありません。あなた自身が「何をしたいのか」「何に向いているのか」など、より良い選択肢を見つけるために必要な初歩のところから一緒に探してくれる「ココルポート」のような就労移行支援事業所もあります。

障害者手帳がなくても、医師の診断書や自治体の判断などがあれば利用可能です。無料で見学もできます。気になった方は気軽にうかがってみてください。

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