「いじめが無いA型事業所を選ぶにはどうしたら?」
「なにかあったとき、誰に相談したらいいんだろう?」
A型事業所の利用を検討している方へ、事業所内でいじめが無いか気になりませんか?
A型事業所内の人間関係についてはネットでもあまり情報がないため、悩みや疑問を抱えている方は少なくないと思います。
結論から言えば、A型事業所でも人間関係のトラブルは起こります。一般の会社や学校と同じように、いじめやパワハラが絶対に無いとは言い切れません。
そのような時に重要なのは、悩みを一人で抱え込まないことです。あらかじめ相談できる相手や窓口を把握しておくとよいでしょう。
- いじめの無いA型事業所を選ぶためにできること
- A型事業所ではどのような人間関係のトラブルが起こるのか
- 人間関係の悩みはどこに相談すればよいか
- いじめが無くならなかった場合どうしたらよいか
について解説していきます。
A型事業所にいじめはあるのか?
一般の学校や職場と同じように、A型事業所でも一部施設においていじめが存在すると思われます。実際に被害を訴えている利用者・元利用者もいます。その内容は、利用者同士のトラブルや支援者からのパワハラなどさまざまです。
他の福祉施設や職場と比較して、A型事業所に特別いじめが多いといった情報はありません。ですが、さまざまな障がいを持った方が集まる場であるため、一般的な職場には無い対人関係の難しさがあるでしょう。
また、「いじめられている」と感じる基準は人それぞれです。利用者が持つ障がい特性によっては、周囲の方の何気ない言動を不快に感じてしまう可能性もあります。
いじめがないA型事業所を選ぶには
A型事業所の中には、契約を結ぶ前に見学や利用体験を実施している施設が多くあります。いじめの無い事業所を選ぶためには、これらに参加し、不安なく働ける環境かどうかを確認しておくことが重要です。
職場の雰囲気や業務内容、質問対応の丁寧さなどをチェックし、「ここなら安心して働けそう」と思った事業所を選ぶとよいでしょう。
A型事業所ではどんな人間関係のトラブルが起こる?
A型事業所で起こる可能性がある人間関係のトラブルは、「利用者同士のトラブル」と「支援者・利用者間のトラブル」の2つに大別できます。
それぞれの具体的な事例について見ていきましょう。
利用者同士のトラブル
A型事業所ではさまざまな特性を持つ方が働いており、コミュニケーションを苦手としている方も多いです。そのため利用者同士の意思疎通がうまくいかず、いじめ等のトラブルに発展する可能性があります。
具体的には、次のような事例が挙げられます。
支援者と利用者間のトラブル
支援者と利用者の間でトラブルが起こるケースもあります。その多くは、事業所の方針や利用者の特性を、お互いが十分に理解できていないことによる行き違いが原因だと考えられます。
このような場合は事業所とよく話し合いを行い、認識のズレを埋めていくことが重要です。
しかし、中には支援者によるいじめ・パワハラに該当する行為がみられることがあります。明確な上下関係のある相手からのいじめは、抜け出すことが難しいでしょう。
次のような事例が挙げられます。
これらはあくまで、「一部のA型事業所で起こる可能性がある」ことです。
過度に恐れる必要はありませんが、実際にこのようないじめ・パワハラがあった場合、これから紹介する対処法を参考にして早急に対処しましょう。
A型事業所でトラブルがあった場合は誰に相談したらいい?
人間関係の悩み事は、一人で抱え込まず信頼できる方に相談しましょう。誰かに話すだけでも気が楽になります。解決の糸口が見つかるかもしれません。
以下に、おすすめの相談先を紹介します。
事業所の職員
まずはトラブルの内容や悩みを、自身の担当相談員や自分の話しやすい事業所の職員に直接伝えましょう。この際、自分が感じていること、思ったことをありのまま言葉にすることが大切です。
職員の方の大半は親身に聞いてくださり、解決のための環境調整や対策に協力してくれるでしょう。一番身近で働いているため、味方になってくれればとても心強いと思います。
自治体の福祉相談窓口
事業所の職員に相談しづらい場合や、まともに取り合ってもらえなかったときは、地域の自治体の福祉相談窓口で話を聞いてもらうことをおすすめします。
福祉相談窓口では、A型事業所を含む福祉サービスに関する相談を受け付けています。外部の窓口であるため、客観的な視点からのアドバイスが期待できるでしょう。
個人的な話をすることに抵抗がある方もいると思いますが、相談窓口には守秘義務があります。相談内容が漏れる心配はないため、安心して利用してください。
トラブルを相談しても状況が変わらなかったら?
一度崩れた人間関係を修復することは難しいです。信頼できる方に相談しても解決に至らなかった場合は、環境を変えることを検討しましょう。
自分に合わない環境に身を置き続けるよりも、思い切って違う場所に移ったほうが楽になれます。
事業所を変更する
通っているA型事業所が合わなかったときは、違う事業所を探してみましょう。
A型事業所は、令和4年時点で約4,200か所あります。また、B型事業所や就労移行支援事業所など他の福祉サービスも含めると、さらに多くの選択肢があります。
きっと中には自分に合った環境があるはずです。現在通っている事業所にこだわる必要はありません。
いったん休職する
人間関係のトラブルで傷ついたり、ストレスが溜まったりしたときは、休むことも一つの方法です。無理して働き続けて、体調を崩してしまっては元も子もありません。
一度休職し、英気を養うという選択肢もあります。
まとめ|A型事業所にいじめはある?
- A型事業所でもいじめは起こる
- いじめの無い事業所を選ぶため、見学や体験に参加する
- 人間関係の悩みは、職員や相談窓口に相談する
- 自分に合わないと思ったら、思い切って環境を変える
A型事業所の利用を不安に思っている方は、上記を押さえてトラブルに備えましょう。
いじめやパワハラにおいて悪いのはすべて加害者側です。人に助けを求めたり、逃げたりすることを恥じる必要はありません。何かあった際は、迷わずに自分を守るための行動をとりましょう。
この記事が、一歩踏み出すためのお役に立てたのであれば幸いです。