就労継続支援A型はつぶれる?経営が厳しい原因や安定している事業所の特徴も解説

事業所はつぶれるのか?
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「就労継続支援A型は潰れることってないの?」
「就労継続支援A型って経営が厳しいイメージがある…」
「安定している就労継続支援A型の探し方って?」

現在、就労継続支援A型を利用している方や、さまざまな理由から一般就労で働くことが難しく、これから利用を考えている方にとって、上記のような不安や疑問を持つ方も多いでしょう。就労継続支援A型は、雇用契約を結ぶので、最低賃金が保証されます。

また、就労継続支援A型の事業所数は、令和5年時点で全国4,415か所にも上っており、福祉サービスでありながら「働いてお金を稼ぐ」ことができるので、年々利用者は増加傾向にあります。

  • 就労継続支援A型が潰れることはあるのか
  • 就労継続支援A型の経営が厳しい理由
  • 安定している就労継続支援A型の探し方

少しでも参考になれば幸いです。

就労継続支援A型が潰れることはある?

シャッター通り(寂れた商店街)

就労継続支援A型は福祉サービスの一つですが、倒産する可能性は十分にあります。事業所は国や県が運営しているわけではありません。よって、一般的な会社と同じように、利益などの問題で経営が難しくなれば、福祉サービスと言えど倒産や閉鎖を余儀なくされます。

また、2017年以前は、一定期間事業所を開業し助成金や給付費をもらい、しばらくして閉鎖を繰り返す、という悪徳業者がいたことにより、事業所の閉鎖の数が多かったとされています。

ただし、そのことを問題視した厚労省が2017年に条件を改正しており、現在は福祉目的ではない就労継続支援A型が開業することは難しくなっています。よって、2024年現在は、利用者の方にとって、安心して事業所を選べる環境になっているでしょう。

スコア形式で経営を評価される

さらに、現在の就労継続支援A型は、スコア方式で経営を評価され、一定水準の経営をしているという証明をすることが求められています。

厚生労働省によると、

就労継続支援A型事業所の基本報酬は、「労働時間」や「生産活動」等からなる各評価項目の合計点に応じ算定する「スコア方式」による評価が行われている。このスコアについては、105点以上(200点満点)のスコアを取得している事業所が全体の8割以上に上っている。
引用:【PDF】スコア方式による評価項目の見直しについて P8|就労継続支援A型に係る報酬・基準について≪論点など≫

としています。

各事業所のスコア表はネット上で公開されているので、誰でも見ることができます。

現在運営されている就労継続支援A型は、活動内容がかなり可視化されているので、悪徳業者や経営悪化している事業所が分かりやすくなっています。

就労継続支援A型(A型事業所)の経営が厳しい理由

貯金通帳とお金

就労継続支援A型は全国4,415か所設置されていますが、多くの事業所が厳しい状態で経営していることも事実です。

ここでは、主に就労継続支援A型の経営が厳しい理由を3つ解説しています。

  • サービス管理責任者が不足している
  • 生産性を安定させることが難しい
  • 障害者総合支援法が改正されて基準などが変化していく

順に見ていきましょう。

サービス管理責任者が不足している

サービス管理責任者(通称:サビ管)とは、障害福祉サービスの事業所において、適切な支援ができるように個人の支援計画を作成したり、提供するサービスなどの管理や指導をしたりする職業です。

就労継続支援A型では、配置基準として、利用者が60人以下に対して1人のサービス管理責任者が必要となっています。

サービス管理責任者になるには、以下のような条件があります。

サービス管理責任者の要件については、
① 実務経験(障害者の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における直接支援・相談支援などの業務における実務経験(5~10年))
② 研修修了
・ 相談支援従事者初任者研修(講義)(11.5時間)
・ サービス管理責任者研修(講義及び演習)(19時間) サービス分野ごとの研修も実施
※ 研修終了者数(平成26年度まで) 118,604人【PDF】サービス管理責任者の要件|障害福祉サービスにおけるサービス管理責任者について|厚生労働省

さらに、サービス管理責任者になるための要件が、2022年4月から難しくなっており、より人材不足に陥っていると考えられます。

現在、事業所に1人しかいないサービス管理責任者の人が退職してしまうと、新たな人材を探すことが難しい状態にあります。

「経営は順調なのに、サビ管が見つからない……。」といった理由から、経営できなくなってしまう事業所が出てくる可能性もあるでしょう。

生産性を安定させることが難しい

就労継続支援A型は、雇用契約を結び最低賃金が発生しますが、あくまで福祉サービスのひとつです。よって、採用している利用者は障がいや病気があるため、安定して事業の生産性を保つことが難しいとされています。

また、上記でも触れた2017年の改正から、利用者の給料は助成金や給付費からではなく、事業の売り上げから支払わなければならなくなりました。この影響で、単価が安い軽作業などを請け負っていた事業所の経営は、かなり厳しくなっている現状があります。

厚生労働省によると、

就労継続支援A型における生産活動の状況を確認したところ、生産活動の収益が利用者の賃金総額を下回っている(注)事業所は3,512事業所のうち1,984事業所(56.5%)

(注)就労継続支援A型事業所については、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業
等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号。以下「指定基準」という。)第192条第2項において、「生産活動に
係る事業の収入から生産活動に係る事業に必要な経費を控除した額に相当する金額が、利用者に支払う賃金の総額以上となるようにしなければな
らない」こととされている。指定権者である自治体は、事業所の状況把握を行い、事業所が当該指定基準を満たしていない場合、経営改善計画書
を提出させることとしている。

【PDF】就労継続支援A型における生産活動の状況 P20|就労継続支援A型に係る報酬・基準について≪論点等≫

となっています。

当然、一時的な売り上げだけでは、事業所で働く利用者や従業員の人件費を賄うことはできません。
利用者の障がいや病気の影響から、行える仕事や勤務時間に制限のある中で、安定した生産性を継続させることは容易ではないでしょう。

障害者総合支援法が改正されて基準などが変化していく

就労継続支援A型を運営するには、障害者総合支援法の規定や基準を守っていく必要があります。

障害者総合支援法とは、障がいをもっている方の日常生活や、社会生活を総合的に支援するための法律です。

そのため、障害者総合支援法は、年々改正されていきます。改正の内容によっては、順調に経営していても、ある日突然経営が厳しくなってしまったり、大きく見直さなければならない事態になったりする場合があります。

2017年に悪徳業者の蔓延を防ぐために行われた比較的効果のあった改正から、働いている側からすると「それってどうなの?」と疑問に思う改正もあるようです。しかし、従わなければ経営ができないというジレンマもあり、うまく対応していける就労継続支援A型だけが、生き残っている現状になっています。

安定している就労継続支援A型の探し方

ビジネス資料の背景素材

上記で就労継続支援A型が潰れる可能性や、経営の難しさについて解説してきました。

しかし、経営が厳しい事業所もあれば、順調に経営を行っている事業所も多くあります。せっかく利用するのであれば、少しでも安定している事業所で働きたいですよね。

もちろん絶対ではないですが、ここでは安定している事業所の探し方について、主に3つ紹介していきます。

  • 病院や会社が経営していて安定した仕事がある
  • HPやSNSを覗いてみる
  • 実際に見学をして雰囲気を確かめる

順に見ていきましょう。

病院や会社が経営していて安定した仕事がある

病院や大きな利益を出している会社が、就労継続支援A型を経営している場合があります。

このような事業所は、病院の清掃業務や会社の仕事を安定して継続的に請け負うことができるので、経営が急に厳しくなってしまうといった可能性は少なくなります。

また、同じ理由から、事業所内だけで仕事が完結せずに、地域のお店や会社と繋がっている場合、安定した仕事があるという判断材料になります。

ご自身で興味のある事業所を見つけたら、どこが経営しているのか、また、仕事内容が地域とどう繋がっているかを確認してみましょう。

HPやSNSを覗いてみる

現代において、就労継続支援A型の宣伝は、主にHPや各SNSによって行われています。

HPやFacebook、InstagramやX(旧Twitter)などを覗いてみると、事業所の雰囲気や、日頃どのような仕事を行っているかなどが分かります。

特に、IT関連の仕事を請け負っている事業所のHPの造りが、あまりにも簡易的なものだったり、飲食系の仕事をしている事業所の内装があまり綺麗ではなかったりしたら、不安になってしまいますよね。

また、事業所のHPには「○○と提携しています」のように、取引先の会社の名前が書かれている場合もあるので、安定した仕事があるかどうかを確かめることもできます。

経営が安定している事業所は、さまざまな情報を活発に発信してくれています。当然、その情報がすべてではないですが、事業所を選ぶ上での一つの参考にしてみてください。

実際に見学して雰囲気を確かめる

就労継続支援A型は福祉サービスと言えど、最終的な決定権は利用する側にあります。

よって、気になる事業所があれば、積極的に見学に行って雰囲気を確かめることが大事になります。

いくらHPや口コミなどを見てみても、やはり実際その場に行ってみないと分からないことがあります。雰囲気の良い環境は、人の余裕から生まれるので、事業所の雰囲気や利用者の表情、支援員の対応などをよく観察してみましょう。

特に、飲食系の仕事を行っている事業所であれば、お客さんとして行くことができるので、見学する際のハードルはぐんと下がります。

さまざまな手続きをしてから「やっぱり止めておけばよかった……。」と後悔するよりも、事前準備として「事業所の見学をする」という選択肢を持っておきましょう。

就労継続支援A型の見学については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

  • 就労継続支援A型は、経営が苦しくなれば潰れることがある。また、経営はスコア方式で評価されていて、常に経営の状態が見られる状態にある。
  • 就労継続支援A型(A型事業所)の経営が厳しい理由として、サービス管理責任者が不足していることや、生産性を安定させることが難しいなどの問題がある。さらに、障害者総合支援法が改正されて基準などが変化していくので、迅速に対応していかなければならない難しさがある。
  • 安定している就労継続支援A型の探し方として、病院や会社が経営していて安定した仕事があることや、HPやSNSを覗いてみて活発に動いているかどうかなどを確認してみるといい。また、実際に見学をして雰囲気を確かめることもオススメ。

この記事では、就労継続支援A型が潰れることはあるのか、また、就労継続支援A型の経営が厳しい理由や、安定している就労継続支援A型の探し方について解説してきました。

さまざまな理由から一般就労で働くことが難しい方にとって、安定した収入を得ることができる就労継続支援A型は、生活をしていく上でとても重要な場所になります。

特に、これから利用を考えている方は、安定して経営している就労継続支援A型を探せるように、さまざまな視点から判断をしていきましょう。

以下の記事では、より詳しく就労継続支援A型について解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

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