ニートは正社員に受からない?職歴なしでも目指せる仕事5選

KAORUKO

「何年もニート状態…もう正社員は目指せないのかな?」
「正社員を目指したいけれど、書類選考や面接が不安…」

ニートで経歴に空白期間があると、正社員を目指す時の不安材料になってしまいます。ニートからいきなり正社員を目指そうとしても、なかなか結果が出ずに心が折れてしまう方もいるでしょう。

では、ニートの方が正社員を目指すのは不可能なのでしょうか?

そんなことはありません。実際に、ニートから正社員になった方もたくさんいるからです。

とはいえ、ニートの方が何の準備もしないまま就職活動を始めるのはあまりにも無謀です。また、ニート期間の長さによっても就職の成功率は変わってきます。

  • ニートからでも正社員になれる理由
  • ニートにオススメの仕事・業種
  • ニートにオススメの就職エージェント
  • ニートから正社員を目指すコツ

について解説していきます。

今回の記事を読んで、ニートから正社員を目指すための作戦を立てましょう。

ニートの就職率は?ニートでも正社員になれる理由3選

理由3

ニートとは、15歳~34歳の若年層で就職しておらず、学業や家事などに専念していない方と定義されています。

2022年に総務省統計局が行った調査では、ニートは約56万人いることがわかっています。

年齢別で考えた時のニートの就職率は下記の表の通りです。

年齢 就職率
15歳~19歳 29.9%
20歳~24歳 32.7%
25歳~29歳 25.5%
30歳~34歳 18.1%
35歳~39歳 15.5%

年齢が上がるほどニート期間が長くなる傾向があるため、就職率が低くなります。

当然ではありますが、早い段階で脱ニートを決意して就職活動を開始するほど有利であることは間違いありません。

ですが、全体を平均しても4人に1人程度が就職と結びついているため、ニートから正社員を目指すことは十分に可能と言えるでしょう。

では、ニートからでも正社員を目指せる理由3つを見ていきましょう。

選考は経歴よりも就労意欲を評価されやすい

15歳~34歳の求職者を採用する場合、重視される評価項目は下記の表の通りです。

選考項目 重視している企業の割合
職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神 68.7%
マナー・社会常識 59.8%
コミュニケーション能力 52.5%
組織への適応性 33.4%
業務に役立つ専門知識や技能 19.9%

このように、若年層の選考では就労意欲、マナー、コミュニケーション能力を評価する企業が多いことが分かります。履歴書の志望動機や自己PR、面接時の受け答えなどで上記ポイントをアピールできれば、正社員として就職できる可能性は高くなるでしょう。

とはいえ、面接という場所では誰しも少なからず緊張してしまうものです。ニートでブランクがある方となればなおのことでしょう。

過去にはそのような方に向けた記事も投稿しているため、ぜひ目を通してみてください。

ニートの方に向けた履歴書、自己PRの書き方はこちら

ニートの方に向けた面接対策の記事はこちら

人手不足の影響で若年層は採用されやすい

2023年11月の有効求人倍率を職種別でまとめたものが下記の表です。

業種 有効求人倍率
エンジニア(IT・通信) 11.51
エンジニア(機械・電気) 5.68
営業 3.11
建築・不動産 5.84
介護サービス 3.53
事務・アシスタント 0.49

業種別で見ると正社員になりやすい業種となりにくい業種がはっきり分かれています。エンジニア(IT・通信)で考えると1人あたり11.51件の求人がありますが、事務は1人あたり0.49件しか求人がありません。

特に事務職はデスクワークで仕事内容もイメージしやすいため、ホワイトカラーの代表的な仕事になっています。肉体労働が苦手な方からの人気が高いため、ニートから事務職を目指したいと考えている方も多いはずです。しかし、事務職志望の方に対して求人数が少ない現状があるため、正社員を目指す難易度は高いと言えるでしょう。

ですが、2023年11月時点での有効求人倍率の全国平均は1.28倍となっています。人手が欲しい業種もたくさんあるため、正社員になりやすい業種から志望企業を選んでも多くの選択肢があることが伺えます。

大学卒業後3年以内のニートなら正社員のチャンス大

大学卒業後、就職せずにニートになってしまって3年以内の方は「既卒」という枠組みで扱われます。実は、国からの通達によって既卒者を新卒と同じ扱いをする取り組みが広まっているのです。

昨今のコロナウイルスの影響などにより、就職活動を満足に行えなかった結果ニートとなってしまった方もいらっしゃるでしょう。2022年度には、既卒者でも応募できる新卒求人が全体の7割を超えており、実際に4割近い企業で既卒者を新卒扱いで採用した実績があるのです。

現在既卒の状態にあるニートの方は、このチャンスを生かして再度就職活動に挑戦してみてはいかがでしょうか?

ニートから正社員に受かりやすいオススメの仕事5選

自宅のパソコンで仕事する女性 01

ニートから正社員を目指す場合、どのような業種を目指すのかは非常に重要なポイントです。しかし、ニートの方で職歴がなかったり、長期間のブランクがある場合、どのような業種を目指せばいいのか分からないこともありますよね?

そのような時は、人手不足で採用の入り口を広げている業種や、未経験から挑戦しやすい仕事に注目してみると、正社員になれるチャンスがあるかもしれません。

先述している有効求人倍率を参考にすればわかりやすいでしょう。

では、ニートの方にオススメの仕事を紹介していきます。

IT系(プログラマー・エンジニア)

プログラマーやエンジニアなどのIT系は人手が不足しており、将来的にも需要が高まると言われています。

最近は、30代業界未経験といった方が、IT業界への転職を目指すケースも増えてきました。特に、プログラマーの求人には未経験者を募集している場合が多く、新しい人材を育成するための環境を整えている企業が増えています。

ただし、IT業界はトレンドの移り変わりが激しく、次々と新しい技術が登場していきます。そのため、常に勉強し続ける姿勢が必要です。

パソコンに詳しい方、勉強が得意な方、知的好奇心が旺盛な方などに向いている業種です。

工場勤務

工場勤務は学歴や経歴を問われない求人が多いため、ニートでも採用されやすい傾向があります。

工場の仕事はマニュアル化されている場合がほとんどで、基本は単純作業の繰り返しになります。仕事に慣れていくことで、リーダーや管理職といったキャリア形成も可能です。

製品の製造現場に関われるため、ものづくりに興味がある、製品の仕組みや構造に興味がある方などにはオススメの仕事です。また、コミュニケーションは業務に必要な報告・連絡・相談のみの現場が多いため、対人関係が苦手という方にも向いているでしょう。

介護職

介護職は業界の人手不足が深刻であり、少子高齢化の影響でますます需要が高まっていく仕事です。無資格、未経験からでも応募できる求人が多く、採用されやすい業種でもあります。

「介護は仕事が大変でやりがいも少ない」とネガティブなイメージを持たれやすいですよね?

ですが、未経験歓迎の会社では経験を積みながら資格取得を目指せる環境が整っていることが多く、手に職を付けられるメリットがあります。資格取得に応じて、昇給やキャリアアップも目指せます。

営業職

営業職は経歴よりも人柄やポテンシャルを重視して採用する傾向があるため、ニートからでも目指しやすいのではないでしょうか。

営業には大きく分けると個人営業と法人営業があります。コミュニケーション能力にあまり自信がない場合、法人営業の方が働きやすい傾向があります。

営業職はノルマやプレッシャーからストレスを感じやすい仕事ではありますが、仕事を通じて身に付くスキルは社会人として生きていく上で役立つものばかりです。営業の仕事では、話す能力以上にヒアリング能力が求められます。人の話を聞くのが好きなニートの方は、営業職を目指してみてはいかがでしょうか。

警備員

ニートでも応募すればすぐに正社員になれる可能性があるのが警備員です。

警備員には、施設警備を行う1号警備、交通整理を行う2号警備、輸送警備を行う3号警備、身辺警備を行う4号警備の4種類があります。種類ごとに業務内容は変わるものの、基本的な業務はシンプルで、持ち場を巡回して事件やトラブルを警戒、防止することなどです。

入社前に必要なスキルなどは特に無いため、ニートからいきなり正社員になれる可能性がある仕事でしょう。しかし、ある程度の体力は求められるため高齢になるほどきつい仕事であり、一生の仕事にするかどうかは検討が必要です。

ニート向け就職エージェント3選とハローワークについて

ハローワークの建物(横位置)

ニートからでも正社員を目指せる理由は、これまで述べてきた人手不足の影響だけではありません。昨今登場してきたニート向けの就職エージェントも、正社員を目指す方にとって心強い存在でしょう。

就職エージェントには企業ごとに特色があり、ニートの方がキャリアアップや経験者優遇の求人を中心に扱っているエージェントを利用しても、なかなか就職に結びつきません。

これから紹介する就職エージェントはニートの就職支援を得意としており、実際に正社員として採用されたとの声も多くあるエージェントのため、参考にしてみてください。

ジェイック(JAIC)

ジェイックは大学中退者、既卒、ニート、フリーターなどに特化している就職エージェントです。未経験から応募可能な求人を多数取り揃えており、全てが正社員求人となっています。

ジェイックが展開している就職支援の1つに、「就職カレッジ」と呼ばれるコースがあります。

就職カレッジは18歳~35歳までの方を対象としており、このコースを利用した方の81.1%が就職を成功させています。

就職カレッジでは、7日間を目安にジェイックが用意している講座を受講して、ビジネスマナーや自己分析、履歴書の書き方、面接などを学ぶことができます。この講座を終えた後に、ジェイックが選んだ優良企業20社と書類選考なしで面接することができます。

ニートで経歴に空白期間があり、書類選考が通らないなどの悩みがある方にオススメの就職エージェントです。しかし、就職カレッジで行っている研修が勉強になったと感じる方もいれば、辛く感じる方もいるため、評価や合う合わないが分かれる就職エージェントです。

ジェイック(JAIC)

ハタラクティブ

ハタラクティブも、「ニートでも就職できた」という声が多い就職エージェントです。学歴や職歴を問われない求人を数多く取り揃えており、全体の8割が未経験でも応募できる求人です。

キャリアコンサルタントがマンツーマンでサポートしてくれる体制が整っており、LINEのチャットからも気軽に相談できるという特徴もあります。

ハタラクティブを経由して求人を応募すると、書類選考通過率が96%、内定率は80%といずれも高い成功率になっています。応募書類の添削、面接対策のどちらも手厚いサポートが受けられる結果と言えるでしょう。

しかし、ハタラクティブは対応している求人の地域が限られているというデメリットがあります。

東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、愛知、福岡の都市部の求人を中心に取り扱っているため、地方在住で地元企業に就職したいという方のサポートには弱い就職エージェントです。

ハタラクティブ

DYM就職

DYM就職もニート、既卒、フリーターの就職に強いです。未経験からでも応募可能な求人や、研修制度が充実した企業の求人を多数保有していることが特徴の就職エージェントです。

また、「DYM IT転職」という同社サービスとの繋がりがあるため、IT業界とパイプを持っており、未経験積極採用を行っているエンジニア求人を数多く保有しています。それに次いで、営業職、販売職の求人を多く扱っています。

ブラック企業を積極的に排除して、厳選された求人を紹介しているため、DYM就職を利用して正社員となった方の離職率は3年間で3%という低さです。

IT業界、営業職、販売職に挑戦したいと思っているニートの方にオススメの就職エージェントです。

DYM就職

ハローワーク

ハローワークの求人数は2023年時点で100万件を超えており、地元の企業に就職したいと考えているニートの方にオススメの就職支援機関です。

上記で紹介した就職エージェントでは都市部を中心とした求人を多く扱っているため、希望エリアの求人と巡り合えなかった場合はハローワークを訪ねてみましょう。

ニートの方の場合、ハローワークでは主に、

  • 職業相談
  • 応募書類の添削と面接対策
  • 求人検索と企業への応募
  • 職業訓練の受講

これらのサービスを受けることができます。

スキルが足りないと感じている場合、職業訓練の受講は正社員を目指す上で確実な手段となります。学べる分野はIT系、介護系、事務職系などがあり、地元企業に需要のある内容の訓練も実施しています。

ハローワークの利用に不安があるニートの方には、下記の記事がオススメです。

ニートから正社員を目指すコツ3選

ポイント 要点 文字素材

ここまで、ニートでも正社員を目指せる理由として、さまざまな業界で人手不足が深刻になっていることや、ニートを対象とした就職エージェントの存在を挙げてきました。

続いては、ニートの方が正社員を目指す上で気を付けたいポイントを整理していきましょう。

就職活動中に自信を持って働ける状態を作る

「ニートがいきなり正社員になっても、しっかり働けるか不安」という場合は、就職活動中に下記のポイントが改善されているか確認しましょう。当たり前のことが徹底できているだけでも、社会人としての評価は大きく変わります。

昼夜逆転の生活になっていないか?

生活リズムが整っていないと、「毎日出社できるのか?」という不安が生まれてしまいます。夜型の生活は肉体にも精神にも悪影響があるため、体調を崩す原因にもなります。

生活リズムに不安がある方は、こちらの記事がオススメです。

体力が低下していないか?

ニート生活によって外出の機会などが減っていると、体力の低下が懸念されます。1日8時間の労働をこなすには、ある程度の体力が必要です。生活の中で軽い運動を心がけることは、健康の維持や疲れにくい体づくりに役立ちます。

体力面に不安がある方は、こちらの記事がオススメです。

清潔感を保てているか?

ニート生活で人との関わりが減ると、身だしなみに無頓着になってしまう方もいるでしょう。

就職活動に合わせて、

  • 清潔感のある髪型にする
  • 毎日の入浴を欠かさない
  • 歯磨きをしっかりする
  • スーツやシャツのシワはアイロンで整え、定期的にクリーニングに出す

これらの点を確認して、毎日の習慣となるように心がけましょう。

ニートになった理由をごまかさない

ニートから正社員を目指す方は、ニートになった理由を明確にしておきましょう。

家族の介護や体調不良などのやむを得ない理由でニートになっていた場合、正直に伝えても問題ありません。今は問題なく働ける状況であることをはっきりと伝えることが大切です。

しかし、「働きたくなかった」「特に理由はないけれど…」という場合、正直に伝えてしまうとマイナスのイメージを持たれてしまいます。

例えば、

  • 友達が社会人として生き生きと生活している姿を見たことがきっかけ
  • 自立した生活を送りたいと思った
  • 自分で稼いだお金で親孝行をしたいと考えている

などのエピソードと合わせて、前向きに正社員を目指す理由を伝えられるように準備しましょう。

条件にこだわりすぎない

勤務地、給料、休日日数など、企業を選ぶポイントはさまざまにあります。ですが、自分が望む条件を全て満たした企業と出会える可能性は極めて低いのです。

就職エージェントやハローワークの就職相談を利用し、あなたが正社員を目指す上で譲れない条件に優先順位を付けることが大切です。

条件にこだわりすぎてどこの企業にも応募できていない、という状況は避けるべきです。

また、面接時に「転勤はしたくありません」「ワークライフバランスを重視しています」など条件の話ばかりすると、不採用の原因になります。自分の望む条件だけではなく、相手企業の労働環境の中で働きやすいと感じたポイントも伝えられるように意識しましょう。

まとめ|ニートから正社員は目指せるのか

  • ニートから正社員を目指すなら、経歴よりも意欲を重視している企業、未経験歓迎の求人、人手不足の業界、という3つのポイントを意識すると成功しやすい。
  • 転職エージェントは「ジェイック」「ハタラクティブ」「DYM就職」など、ニートの方を対象としているところを選ぶのがオススメ。
  • 生活リズムの乱れや体力の低下など、不安要素となる部分は就職活動の段階で改善に向かうよう努力することが大切。
  • ニートになった理由やその期間について、誤魔化さずに向き合うこと。
  • 条件にこだわりすぎて自分の視野が狭くならないように気を付ける。

今回の記事では、ニートからでも正社員を目指せるという内容でした。

ニートから正社員を目指そうと立ち上がることは、あなたにとって大きな一歩です。人手不足が深刻化している世の中、あなたの社会復帰を心待ちにしている企業はたくさんあります。

これからの就職活動で、あなたが自分らしく働ける仕事と出会えることを祈りつつ、この記事の最後とさせていただきます。

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