就労移行支援事業所を変えたい!途中で他に移るデメリットは?

KAORUKO

「今の就労移行支援事業所が自分には合わない…」
「別の事業所に移りたいけど、どうしよう…」

と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただ、途中で就労移行支援事業所を変えることで起こる問題などもあります。

  • 就労移行支援事業所は途中で変更できるのか
  • 途中で事業所を変更するデメリット
  • 就労移行支援事業所以外の選択肢

を解説します。

就労移行支援事業所は途中で変更できる

OKのポーズをするカジュアルな服装の女性

利用している就労移行支援がどうしても自分には合わないと感じる場合、今利用をしている事業所を退所し、他の就労移行支援事業所に転所することができます。

就労移行支援事業所を変更するには、自治体へのサービス申請と紐づけされているため、転所する場合も自治体に申し出る必要があります。

サービス利用計画も新たに作り直す必要があります。

最初のアクションとしては、利用している事業所の職員に転所したい旨を伝えるのが最適でしょう。相談支援事業所も併せて利用している方は、相談支援専門員にまず相談してみましょう。

相談支援専門員とは

相談支援事業所の利用者である障がい者の方が、さまざまな支援サービスを受けられるようサポートする役割を行っています。

地域生活での安定を目指し、日中活動の提案やサービス利用計画の策定を行います。

就労移行支援を転所するデメリット

デメリット

就労移行支援事業所は途中で変更することができますが、次のデメリットがあります。

  • 基本的に合計2年間の利用しか認められない
  • 転所後3か月ほどは就職活動ができない場合もある
  • 双方の職員からの心象が悪くなる

就労移行支援事業所の利用期間は、原則2年間です。自治体によっては1年追加し、計3年間利用できる許可が出る場合もあります。

この2年という期間は、途中で事業所を変わったとしてもリセットはされません。

下記のようになります。

前の事業所で通所していた期間 + 次の事業所で通所する期間 = 2年間(3年間)

そのため事業所を途中で変更した場合、変更先の事業所に2年間通い続けることはできません。転所直後は訓練が必要と見なされる場合が多く、すぐには就職活動を行えないことがほとんどです。

通常、3か月ほどは新しい事業所でカリキュラムを受けるため、通所期間が残り少ない方は転所することで就職活動ができない状態になる可能性があります。

また、転所の理由はさまざまだと思いますが、利用していた事業所に対する不満があったために事業所を変える場合、理由として双方の事業所の職員に伝えることになります。

その第一印象を払拭しようと新しい事業所で頑張るには、多大な労力が必要でしょう。

就労移行だけじゃない! 転所先の選択肢

進路に迷う 進むべき道 どちらにしようかな

就労移行を辞めたいと考えたとき、他の就労移行支援事業所に転所する他、就労継続支援事業所の利用に変更するという選択肢もあります。

就労継続支援事業所は働きながら、就労に必要なスキル等を得るための訓練を行うサービスで、雇用契約を結ぶA型事業所と、雇用契約を結ばないB型事業所があります。どちらも利用期間の定めはありません。

就労継続支援B型事業所

就労計億支援B型事業所は、就労系福祉サービスの1つで、雇用契約を結ばず、体調に合わせた通所ペースで作業を進めることができます。

工賃(賃金)は労働基準法が適用されないため、支払われる金額は最低賃金以下となりますが、日中活動を行いながらお金がもらえるので、就労移行支援事業所への定期的な通所が難しい、という方にオススメです。

令和4年度 B型事業所平均工賃
 月額17,031円
 時給243円

福祉サービスとしての特色が強いため、事業所によっては昼食の提供や送迎サービスを行っている場合もあります。

ゆったりと働ける事業所が多いですが、製菓関係の仕事を行っている事業所の場合、時間が長く、立ちっぱなしで作業を行うところもあるため、訓練を重視するか、体調を整えるのを重視するかで、事業所の選び方が変わります。

就労継続支援A型事業所

就労継続支援A型作業所は、利用者と事業所の間で雇用契約を結び、収益を上げることを目指して働く障害者福祉施設です。

賃金は雇用契約を結んでいる影響で最低時給が保証されており、それに合わせて最低賃金が設定されているところが多いですが、昇給制度がある事業所などもあります。

令和4年度 A型事業所平均工賃
 月額83,551円
 時給947円

作業内容は障がいがある方でもこなせる内容が設定されています。

労働基準法に則り、雇用保険に入るため、基本的に週20時間以上働く必要がありますが、作業時間は一般企業と比較すると短く設定されており、特性に合わせてさまざまな配慮を受けながら就労を行うことができます。

最近ではデスクワークやWeb関連の仕事を行っている事業所も増えており、一般企業へのステップアップとして利用することもできます。

就労移行の目的は就職活動

若いスーツを着た日本人女性

就労移行支援事業所を利用する本来の目的は、就職活動です。

今通っている事業所に、自分の就職活動を妨げる要素があるのか、転所する前に考える必要があります。

もし、退院後の日中活動の場として利用していたり、就職できる状態が整っていないと考えられたりする場合は、利用期間が決められていないA型・B型事業所やデイサービス等の利用を検討してもいいかもしれません。

通っている利用者の方でどうしても嫌な人・合わない人がいる、プログラムの内容がつまらない、といった理由で転所を考えているのであれば、自分の就職活動への影響と天秤にかけて判断すべきでしょう。

転所をすると、どうしても就職活動の開始時期が遅れてしまいます。

そういった影響があったとしても転所したい、という強い気持ちや動機があるのなら、周囲も応援してくれることでしょう。

まとめ|就労移行支援事業所は途中で変更できるのか

  • 就労移行支援事業所は途中で変更できる
  • 就労移行支援事業所は転所しても、基本的に合計2年間の利用しか認められない
  • 利用期間の限られている就労移行支援だけでなく、利用期間の定めがない就労移行支援を利用するという選択肢もある

以上が、就労移行支援事業所を転所する前に考えるべき点でした。

就労移行支援事業所が次から次へと林立している中で、悪質な事業所が存在していることも否定できません。

しかし、通所を決定したのはおおよそ現在利用している当人でしょう。

自分の決断に責任を持って、就職活動に支障がある事業所だと判断したら早々に転所することも、自分の人生との真剣な向き合い方の1つです。

他人に退所・転所を引き留められたからずるずる通所している、という状態を避けるには、なぜ就労移行支援事業所に通うのか、今一度考える必要があります。

良い選択ができるよう、事業所に対する自分の感情を冷静に見つめてみましょう。

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