仕事が続かないのは発達障がいのせい?仕事を長く続けるコツ3選を解説!

KAORUKO
「なかなか仕事が続かず、転職を繰り返してしまう…」
「転職って大変だから、長く働くコツが知りたい…」

発達障がいの方は、このような悩みを抱えやすい傾向があります。あなたは大丈夫でしょうか?

実は、これらの悩みは、下記の3つのコツを押さえることで解消できます。

  • 自分の特性を理解する
  • 自分に合った雇用を選ぶ
  • 適切なサポートを受ける

ですが、いきなりそう言われても、「具体的に何をどうすればいいの?」「面倒くさそうだからあまり考えたくないんだけど…」と疑問や不安がありますよね。

  • 仕事が続かない原因は発達障がいにあるのか?
  • 仕事が続かない原因が発達障がいかどうかまだわからない場合に必要なこと
  • 発達障がいがあっても仕事を長続きさせる3つのコツ
  • 精神障がい者保健福祉手帳は取得したほうがいいのか?

についてわかりやすく解説していきます。

一読して、今後にお役立てください。

発達障がいだと仕事が続かないのはなぜ?

落ち込む女性 depressed

発達障がいとは、生まれつきの脳の特性によって生活のさまざまな場面で困りごとが発生してしまう状態の総称です。そのため、発達障がいの影響で業務や通勤に問題が出て仕事が続かない方もいます。

発達障がいの種類として挙げられるのは主に下記の3つです。

  • ASD(自閉スペクトラム症)
    対人関係やコミュニケーションに苦手がある など
  • ADHD(注意欠如・多動症)
    不注意性・多動性・衝動性などの特性がある など
  • LD(学習障がい)
    「読む」「書く」「計算する」などの学習行為の1つ、または複数に困難がある

また、複数の発達障がいを持っているケースもあるため、「表れる性質」「特性の強弱や程度」などには大きな個人差があります。

下記に述べるのは特性ごとの仕事が続かない原因の一例です。個人差によってあなたのケースには当てはまらないこともあるでしょうが、参考にしていただけたら幸いです。

ASD(自閉スペクトラム症)で仕事が続かない原因

対人関係やコミュニケーションに苦手があり、人間関係に苦労しやすいのがASDの特徴です。なかには感覚過敏や感覚鈍麻が特性として表れる方もいます。

ASDの特性上、下記のような理由で悩みを抱えてしまい、仕事が続かない場合があります。

  • 曖昧あいまいな指示に対応できない、自分の意見を伝えること、相手の意見を受け入れることが苦手
  • 強いこだわりがあって融通が効かない、予定の変更が突然だと対応できない
  • 通勤時や職場で感じる音やにおいが苦手で耐えられない
  • 表情や仕草から気持ちを読み取れない、読み取ろうとしない
  • 上司、部下、同僚との接し方の使い分けがうまくできない など

ADHD(注意欠如・多動症)で仕事が続かない原因

不注意性・多動性・衝動性の大きく3つの特性によって、発言や行動に問題が表れるのがADHDの特徴です。

ADHDの特性上、下記のような理由で悩みを抱えやすく、職場での信用や自信を失ったり、衝動性によって辞職を即決してしまったりして、仕事が続かない場合があります。

  • 集中が持続せずミスをする、ミスの反省をする前に次の行動に移ってしまいミスを重ねる
  • 物を忘れたり失くしたりする
  • 思いつきで発言や行動をする、感情が抑えられずカッとなる
  • 物事の優先順位がつけられず、予定通りに業務を進められない
  • 落ち着きがない、大事な話を聞き逃してしまう など

LD(学習障がい)で仕事が続かない原因

「読む」「書く」「計算する」などの学習行為の1つ、または複数に困難があるのがLDの特徴です。

LDの方は下記のような理由で業務についていけず、仕事が続かない場合があります。

  • 漢字が覚えられない、もしくはすぐ忘れる、ひらがな・カタカナも間違えることがある
  • 「ぬ」と「ね」、「b」と「d」など似た形の文字を混同し誤読してしまう
  • 文字を読むのにとても時間がかかる、正確に読んで理解するのが難しい
  • 図形やグラフを理解できず作図も困難、地図がまったく読めない
  • 複数の要素から考えて答えを導く推論が苦手 など

「仕事が続かないのは発達障がいが原因かも?」と悩んだら

医療スタッフの男性

発達障がいの診断を受けている方も、自分が発達障がいかもしれないと考えている方も、仕事が続かないことに悩んでいる場合は、早めに医療機関や専門の窓口に相談することをオススメします。

発達障がいは生まれつきの障がいです。必ず幼少期に何らかのサインが表れています。

しかし、発達障がいの特性は「幼少期特有の個性」として見過ごされるケースも多く、大人になるまで自分も周囲も気付かない場合があります。「はっきりとわからないまま悩んでいる」というのは非常に大きなリスクです。はっきりしていなければ、仕事での困りごとや短期離職の原因と発達障がいの関係を明らかにできませんし、適切な治療を受け、職場に必要な配慮を求めることも難しくなります。

あなたがまだ大丈夫なつもりでも、うつ病や適応障がいなどの後天的な精神障がいに発展する恐れもあります。適切なサポートを受けるためにも医師の診断は必要です。ぜひ一度ご検討ください。

精神科でも心療内科でも診断を受けることは可能ですが、迷ったときは下記の記事を参考にしてみると良いでしょう。

発達障がいがあっても仕事を長続きさせる3つのコツ

POINT+豆電球の絵

先に述べたように、発達障がいの方は短期離職を繰り返しやすいですが、仕事を長続きさせるコツを知ることで改善できる可能性も十分にあります。

下記に述べる3つのコツを参考にしてみると良いでしょう。

自己分析で得意・不得意を理解する

発達障がいの方は「他の人と比較して得意・不得意が極端に分かれやすい」特性が多いため、自己分析を通して得意・不得意を理解するのは仕事を長続きさせるために非常に重要です。

ですが、仕事で失敗続きだと「得意なことなんてない」と思ってしまい、なかなか自信を持つことができませんよね。

そこで意識したいのは、「誰かと比べて」ではなく「自分の中での」得意・不得意に目を向けることです。

例えば、

口頭での指示はあまりうまく理解できないが、マニュアルを読むとよく理解できる
マニュアルの指示が多い事務系の仕事なら続くかもしれない

こういった形で、〇〇は苦手だけれど〇〇ならできるという物事を言語化していきましょう。

ただ、真剣に行うとなると1人では難しいのが自己理解です。うまくできないと思ったら、迷わず後述する支援機関への相談をオススメします。

合理的配慮のある雇用を選ぶ

発達障がいの診断を受けている場合、「障がい者雇用」や「オープン就労」などの形で合理的配慮を求めながら働けるようになります。

現在、障がい者雇用促進法により雇用者は、

  • 法定雇用率以上の割合で障がい者を雇用すること
  • 障がい者の能力と特性に応じて雇用や労働条件、職場環境などを適切に調整する「合理的配慮」を行うこと
  • 障がい者であることを理由に不当な差別的扱いをしないこと

の3つが義務付けられています。

そのため、

曖昧あいまいな指示を避けてほしい」
「落ち着けるようにデスクにパーテーションを設けてほしい」

など、会社側に過度な負担が発生しない範囲であれば、発達障がいの特性に合わせた職場環境を整えられる場合があります。加えて「就労継続支援」という、障がいのある方が働くことを前提とした就労支援もあります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

働きやすい職場環境や労働条件であれば、仕事も続けやすいですよね。障がい者手帳や医師の診断書など、障がいを証明するための書類が必要になりますが、準備ができている場合は積極的に活用を考えてみると良いでしょう。

就労支援サービスのサポートを受ける

これまで仕事が続かないと悩んできたあなたの心の中には、

「また仕事探しや履歴書の作成、面接対策などを1人で行うのはちょっと大変…」
「自分だけだと自己分析がどうしても億劫だな…」

など、不安な気持ちが少なからずあるでしょう。しかし、安心してください。

そういった方は、下記のような就労支援サービスが利用できます。

  • 就労移行支援事業所
  • ハローワーク
  • 発達障がい者支援センター
  • 地域障がい者支援センター
  • 障がい者就業・生活支援センター(なかぽつ)

これらは障がいのある方を対象としている就労支援の専門機関です。あなたが必要とすることはすべてサポートしてくれます。

例えば、「就労移行支援事業所」である『atGPジョブトレ』は、発達障害を専門に、特性に合わせた実践的なトレーニングや就職支援を行っています。

お住まいの近くの機関を探して、電話やメールなどで相談してみましょう。心強い味方になってくれるはずです。

精神障がい者保健福祉手帳の取得は考えた方が良い?

年金手帳と障害者手帳02

発達障がいの方は、条件を満たすことで精神障がい者保健福祉手帳を取得することができます。

精神障がい者保健福祉手帳とは、障がい福祉サービスを利用するための許可証のようなものであり、取得することで下記のように経済的な優遇を受けられるメリットがあります。

  • 水道代の一部減免(自治体によって異なる)
  • バスやタクシーの割引(会社によって異なる)
  • 所得税の障がい者控除 など

仕事探しや仕事を長く続けるという目的に絞って考えた場合でも、障がい者雇用で働く場合には精神障がい者保健福祉手帳が必須となるほか、先述している就労支援サービスをスムーズに利用できるようになるメリットがあるのです。

また、就労支援サービスの中でも「就労移行支援」「発達障がい者支援センター」「障がい者就業・生活支援センター(なかぽつ)」などは精神障がい者保健福祉手帳がなくても利用可能であり、

「発達障がいグレーゾーンだから手帳が取得できない…」
「申請の手続きが複雑すぎてサポートして欲しい…」

などの悩みを抱えている方の支援も実施されています。

精神障がい者保健福祉手帳を所持していてもデメリットは発生しません。生活の負担軽減や働き方の選択肢が増えることに繋がるため、発達障がいのある方には特にオススメです。

取得手順などについては、下記の記事などを参考にしてみると良いでしょう。

まとめ|発達障がいだと仕事が続かない?長続きさせるコツや支援

  • 仕事が続かない理由として、発達障がいが原因となっている可能性がある。
  • 仕事が続かない原因が発達障がいにあるかどうかまだわかっていない場合は、早めに医療機関や専門の窓口へ相談することが大切。
  • 発達障がいの方が仕事を長続きさせるコツとして「自分の得意・不得意を理解する」「会社に合理的配慮を求める」「就労支援サービスのサポートを受ける」が考えられる。
  • 精神障がい者保健福祉手帳を取得することで、障がい福祉サービスや就労支援サービスを利用できるようになるため、仕事を長続きさせるためのサポートが受けられる。

仕事が続かず、転職を繰り返してしまう原因として、発達障がいの影響が考えられます。

発達障がいの診断を受けたことが無い方や発達障がいグレーゾーンの方、発達障がいが原因かまだ分からない方の場合、精神科・心療内科のような医療機関や、発達障がい者支援センターなどの専門機関へ相談してみましょう。

原因がわかれば対策を考えることができます。

この記事があなたのお役に立てば幸いです。

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