昨今、発達障がいは様々なメディアやSNSで取り上げられるようになり、社会的に広く認知されるようになった障がいです。実際に、発達障がいの診断を受けている大学生は大幅に増加しており、日本人の「10人に1人は発達障害の可能性がある」と考えられています。
この記事にたどり着いたあなたは、
「発達障がいの人は障がい者として支援を受けるべき?普通の就活は無理?」
このような悩みや疑問を抱えていませんか?
「発達障がいの影響で、大学生の時に就活で非常に苦労した」という経験を持つ人は数多くいます。厳しい予定の管理やコミュニケーション能力などが重視される就活は、発達障がいを抱える大学生にとって特に困難が発生しやすいタイミングです。
そこで、今回の記事では就職活動の進め方に悩んでいるあなたのために、
- 発達障がいとは?就活で直面しやすい困りごとについて
- 発達障がいの大学生が知っておきたい就活のポイント
- 発達障がいの大学生が利用できる就職支援
- 発達障がいでも良い企業に就職するための就職支援
について解説していきます。
この記事を、発達障がいを抱えるあなたの就職活動にお役立ていただければ幸いです。
発達障がいとは?就活でうまくいかないことを整理しよう
発達障がいとは、脳の発達や機能の偏りよって、日常生活や社会生活に困難が発生してしまう生まれつきの障がいです。
発達障がいは、大きく以下の3つに分類されています。
- ADHD(注意欠如多動症)
- ASD(自閉スペクトラム症)
- LD(学習障害)
発達障がいは、学業や生活の他にも就職活動に様々な影響を与えることで知られており、日本学生支援機構の調査によると、2021年度の学生全体の就職率は76.2%であるのに対し、発達障がいの学生の就職率は41.5%にとどまることが分かっています。
以下では、発達障がいの大学生が就職活動で困ることについて見ていきましょう。
ADHDが就職活動で困ること
ADHDとは、「注意欠如多動症」という別名でも呼ばれている通り、「注意力の欠如」「落ち着きがない」「衝動的な行動」という3つの特徴が現れやすく、最も多くの人が診断を受けている発達障がいです。
ADHDの代表的な症状は「ケアレスミスが多い」「時間や予定の管理が苦手」などがありますが、「感情や興味の変化が激しい」「考えごとが止められない」などの形で内面的な部分に影響を与える場合もあります。
そのため、ADHDの大学生が就職活動で困ったことには、
- スケジュール管理ができず、面接の日程が重なったり予定を勘違いしたりする
- 計画通りに事前準備を進められず、不安を抱えたまま面接当日を迎えてしまう
- 自分の考えをまとめられず、質問に対する回答が短すぎたり長すぎたりする
- 面接官の態度や質問を過剰に意識して、動揺したり自信を無くしたりしやすい
- 長期的に就職活動を行うモチベーションを維持できない
このような体験談が多く挙げられています。
ADHDの人は非発達障害の人よりもストレスやプレッシャーに敏感であるため、
などの悩みから、就職活動自体に苦手意識を抱えやすいのです。
ASDが就職活動で困ること
ASDとは、「コミュニケーションの困難さ」「特定の物事へのこだわりが強い」「興味関心に偏りがある」などの特徴が現れやすく、以前は「自閉症」「アスペルガー症候群」と呼ばれていた発達障がいです。
ASDの代表的な症状は、「曖昧な言葉や感情を理解できない」「無表情になりやすい」「想定外の事態に対応できない」などがあるため、就職活動という土俵では不利になってしまうことがあります。
そのため、ASDの大学生が就職活動で困ったことには、
- 面接官の質問の意図を理解できず、的外れな回答をしてしまう
- 「志望動機」「自己PR」などで自分の気持ちや考えを適切に伝えられない
- 表情やジェスチャーが乏しく、「やる気や熱意が無い」と誤解されてしまう
- 想定外の質問に対して臨機応変な回答ができない
- 急な面接日程の変更などに対応できず、スケジュール調整をミスしてしまう
このような体験談が多く挙げられています。
ASDの人は話し方・表情・仕草などが独特であることが多いため、面接時に、
「何を考えているのかわかりにくい」
などの印象を与えてしまうことがあるのです。
LDの人が就職活動で困ること
LDとは、知的発達や聴覚・視覚に問題がないにも関わらず、「文字を読むこと・書くこと」「計算」などの特定分野の学習や作業に困難を抱える発達障がいです。
そのため、LDの大学生が就職活動で困ったことには、
- 企業のウェブサイトや資料を理解しにくく、企業研究に時間がかかる
- エントリーシートや履歴書な誤字脱字や文法のミスが多く、書類選考を通過できない
- 企業が実施するSPI試験や適性検査を通過できない
このような体験談が多く挙げられています。
LDは、先述しているADHDやASDと比較すると、コミュニケーションスキルや行動面に影響を与えることは少ないと言われています。ですが、LDの人には言葉や情報の処理速度に遅れが見られる場合もあるため、「質問にすぐに回答できない」「即興で話をすることが苦手」「「メモを取ることが困難」などの症状を抱えていると、面接やグループデイスカッションで困難を感じやすくなります。
発達障がいの大学生が知っておきたい就活のポイント4選
発達障がいの大学生であっても、企業選び→応募書類の作成→面接という就職活動の基本的な流れは変わりません。しかし、発達障がいの特性によって課題が発生しやすいポイントがあるため、それに応じた工夫やサポートが必要になる場合があります。
以下では、発達障がいの大学生が知っておきたい就職活動のポイントについて解説していきます。
自己分析の重要度が高い
自己分析とは、これまでの過去の経験を振り返り、自身の強みや弱み・価値観・興味関心などを理解する作業です。自己分析は、説得力がある履歴書や自己PRを作成するために必要な作業であり、就職活動の方向性を決めて納得できる就職先を選ぶためにも大切です。
発達障がいの大学生は、障がいの特性によって強みと弱みが明確に分かれやすいため、
- あなた自身の発達障がいの基本的な症状を理解しておく
- 強みを生かせる職場環境や業務内容を理解しておく
- 弱みを補うために自分でできる対策や企業に求めたい配慮を理解しておく
という3つのポイントを意識して自己分析を行いましょう。
発達障がいの人が過去を振り返ると、
「同じミスばかり繰り返して怒られることが多かった」
などの経験ばかりが目立ち、自分を過小評価しやすくなります。この点が、多くの発達障がいの人が自己分析を苦手としている理由でもあるのです。
しかし、福島学院大学の星野仁彦教授は、自身の著書の中で、
と述べています。
自己分析に悩んでいる場合は、医師やカウンセラー・大学内の就職課のスタッフ・家族や友人などの第三者に相談することで、あなた自身では気付けなかった強みを発見できるかもしれません。
発達障害に気づかない大人たち<職場編> 星野仁彦 著|祥伝社
企業研究で重視する条件が周囲と異なることもある
企業研究とは、事業内容・待遇・同業他社との違いなどを調査して、関心のある業界や応募したい企業について理解を深めるための作業です。企業研究は、あなた自身が企業とどの程度マッチングしているのかを測る指標となるため、特に志望理由を考える上で大切です。
発達障がいの大学生の就職活動では、一般的に重視される「職種や企業の将来性・給与・福利厚生・キャリアアップの可能性」などの条件だけでなく、「職場環境・業務内容・企業の障がいへの理解」なども注目したいポイントになります。
待遇面ばかりに注目すると、苦労して内定を貰ったにも関わらず入社後に「思っていた仕事と違う……」と感じて離職や転職に繋がりやすくなります。もっとも、離職や転職は悪いことではありませんが、発達障がいの人にとっては再就職に向けた活動が負担になる場合もあるため注意が必要です。
また、あくまでも一般論ですが、
- 高度な対人スキルが求められる接客業や営業(商社、保険、不動産など)
- 細かい作業を正確にこなすことが求められる金融業界
などのように、発達障がいの人には不向きとされる業界が存在します。
ADHDとASDの診断を受けている私自身は、新卒の時に「働き続けるために必要な条件」を深く考えず営業職に就職したため、1年半ほどで離職しています。
他の友人たちの価値観や職場選びの基準が、あなた自身の就活にマッチングするとは限らないという点は意識しておきましょう。
発達障がいを開示するか?「オープン就労」と「クローズ就労」
発達障がいの人の就職活動には、
- 障がい者であることを開示して入社する「オープン就労」
- 障がい者であることを開示せずに入社する「クローズ就労」
の2つの選択肢があります。
オープン就労では、
- 障がいに対する理解や合理的配慮を求めながら働くことができる
- 通院などのタイミングで休暇を取りやすい
- フレックスタイムや時短勤務などの柔軟な働き方に対応してもらいやすい
などのメリットがあります。一方で、「給与が低い」「求人の選択肢が少ない」などのデメリットがある点は把握しておきましょう。
クローズ就労では、
- 一般求人に応募するため求人の選択肢が幅広い
- オープン就労よりも給与や待遇面が良い
というメリットがあります。一方で、「障がいに対する理解や配慮が求めにくい」という点からストレスを受けたり働きづらさを感じたりしやすいデメリットがあります。
大学生の就職活動において「発達障がいを開示するか?」は、
という基準を持って判断することが大切です。また、オープン就労とクローズ就労の両方のアプローチで就活を進めるのがオススメです。
クローズ就労については、以下の記事でも詳しく解説しております。
障がい者雇用枠での就活も視野に入れよう
障がい者雇用枠とは、障がい者手帳を所持している人が応募できる特別な雇用枠のことで、先述しているオープン就労の1つに当たります。
2024年時点において、民間企業は法定雇用率に基づき従業員の40人に1人あたりは障がい者を雇用する義務を課されています。この法定雇用率は段階的に引き上げられていく予定であるため、障がい者雇用枠で働く人材の需要も高まっているのです。
特に、法定雇用率の関係から従業員数が多い大企業ほど障がい者雇用枠での新卒採用に積極的な傾向が見られ、好待遇な求人が多い特徴もあります。
発達障がいの人の中には「職場環境に馴染めない」「激務によるストレスで体調を崩した」などの原因によって、短期離職を繰り返してしまう人が多くいらっしゃいます。その結果、「長期のキャリア形成が望めない」「転職の度に就職難易度が高くなる」などの問題が連鎖的に発生してしまい、働けなくなってしまうケースがあるのです。
そのため、新卒で障がい者雇用枠での就職活動を選択することは、
- 大企業や有名企業に就職できる可能性が高まる
- 職場に定着しやすい点が長期的なキャリア形成に繋がる
というメリットがあるため、視野を広く持つことが大切です。
【オープン就労】発達障がいの大学生が利用できる就職支援
先述してきた通り、発達障がいを抱える大学生にとって就職活動は大きな負担となる可能性があります。大学内にも「キャリアセンター」や「就職課」などの就職支援を行う窓口が設置されていますが、発達障がいを抱える学生への支援が十分ではないことが多いのが現状です。
ですが、就活は1人だけで乗り切るものではありません。 昨今では、発達障がいの人が利用できる就職支援や制度が充実してきており、適切にサポートを利用することで就活の悩みや就職後の不安を軽減することができます。
以下では、発達障がいの大学生にオススメできる就職支援について紹介していきます。
- 発達障がい者支援センター
- 就労移行支援
- 障がい者向けの就職エージェント
順に紹介いたします。
発達障がい者支援センター
発達障がい支援センターとは、その名の通り発達障がいを抱える人やその家族を支援する活動を行っている公的機関です。「発達障がいグレーゾーン」や「発達障がいかもしれない……」という人も相談することが可能で、発達障がいに詳しいスタッフを相手に生活・医療・就職・利用するべき制度などの相談をすることができます。
就職活動中の大学生が利用することで、
- 就職活動の悩み相談、自己分析、面接対策などの支援
- グループワークなどを通した社会的スキルを向上させるための支援
- 対人関係やストレス管理などの大学生活における困りごとの相談支援
- 障がい者雇用枠の求人情報の紹介
- 就職後の職場定着支援やキャリア形成に対するアドバイス
このようなサポートを受けられるメリットがあります。
発達障がい者支援センターは全ての都道府県に設置されており、全国に97カ所の事業所があります。事業所によって実施している支援が異なる場合もありますが、発達障がいによって就職活動をはじめとする様々な悩みを抱えている大学生にオススメできる支援機関です。
発達障害を理解する | 国立障害者リハビリテーションセンター
就労移行支援
就労移行支援とは、一般企業(障がい者雇用枠を含む)への就職を希望している障がい者を対象にして、就職に必要な訓練を提供したり就職活動のサポートを行ったりしている障がい福祉サービスです。主に民間企業やNPO法人などによって運営されています。
就労移行支援からの就職先は多岐に渡っており、昨今ではIT系やデザイン系などの専門性が高い業界を目指せる事業所や、公務員への就職をサポートしている事業所なども増加しています。
就労移行支援は大学生が在学中に利用することも可能ですが、
- 大学内やその他の就労支援機関による就職支援の実施が難しいこと
- 大学卒業年度で卒業見込みがあり、就労移行支援の利用が学業に影響を与えないこと
- 就労移行支援の利用が就職に効果的であると認められること
これらの3つの条件が必要とされています。ですが、条件こそありますが障がい者手帳がなくても利用できるサービスです。
就労移行支援は全国に約3500件の事業所が存在しており、インターンの受け入れ先企業となる企業探しをサポートしてくれる場合もあるため、就職活動の進め方に悩んでいる大学生にオススメの就職支援です。
就労移行支援については、以下の記事でも詳しく解説しております。
障がい者向けの就職エージェント
多くの大学生は就職活動を進める時、就職エージェントを利用しますよね。そこで、以下では発達障がいを抱える人に知ってほしい「障がい者向けの就職エージェント」を2つ紹介します。
障がい者向けの就職エージェントでは、求人紹介・応募書類の添削・面接練習などの一般的な支援はもちろんのこと、障がい者雇用枠での就職に特化した様々な支援が受けられる特徴があります。就職エージェントは、求職者は利用料金が発生しないため積極的に活用すると良いでしょう。
dodaチャレンジ
大手転職サイトの「doda」で有名なパーソルグループが運営している、障がい者雇用に特化した日本最大級の就職エージェントが「dodaチャレンジ」です。dodaチャレンジには様々な障がいを抱える人がアドバイザーとして在籍しており、同じ障がい者という目線に立った丁寧な対応を得意としているため、発達障がいの人でも安心して利用しやすい特徴があります。
実際に、利用者満満足度94%・就職後の職場定着率94%という高い数字からも、dodaチャレンジの豊富な支援実績がうかがえます。
新卒・第二新卒に向けた障がい者雇用枠の求人も数多く扱っており、条件が良い大手企業への就職を目指せる点からも、発達障がいの大学生がオープン就労を目指す場合にオススメの就職エージェントです。
dodaチャレンジ|障害者の求人サイト・転職エージェント-豊富な求人情報と就職・転職支援サービス|首都圏
LITALICO(リタリコ)仕事ナビ
「LITALICO仕事ナビ」とは、15年以上の就労移行支援の実績がある「株式会社LITALICO」が運営している就職エージェントです。
LITALICO仕事ナビの最大の特徴は非常に使いやすい求人検索システムにあり、求人ページには業務内容や待遇面などの基本情報はもちろんのこと、
- 障がい者向けの就職エージェント
- 企業の障がい者への配慮状況や受け入れ態勢
などの、障がい者が特に知りたいと思うポイントが分かりやすくまとめられています。
オンラインでの面談やキャリア相談にも対応しており、
「就職後に利用した方が良い障がい福祉サービスについて知りたい」
などの疑問にもアドバイスを期待できるのは、就労移行支援のノウハウを持ったLITALICO仕事ナビならではの強みでしょう。
オープン就労を検討している大学生は、先述のdodaチャレンジと併用するかた形でLITALICO仕事ナビにも登録しておくと良いでしょう。
【クローズ就労】良い企業を目指す大学生向けの就職支援
ここまで、発達障がいを抱える大学生が直面しやすい就職活動の困りごとや、受けられる就職支援について解説してきました。しかし、誤解しないで頂きたいのは、発達障がいはあなたの就活の可能性を狭めるものではないという点です。
発達障がいを抱える大学生がクローズ就労を目指す場合、利用できる就職支援の多くは一般学生に向けたサービスが中心になりますが、
という考えを持って就活に臨むことも大切な価値観です。
以下では、そのような大学生に向けてオススメの就職支援について紹介していきます。
- マイナビ新卒紹介
- 新卒応援ハローワーク
- インターン求人サイト
順に紹介いたします。
【就活生全員にオススメ】マイナビ新卒紹介
マイナビ新卒紹介とは、名前の通り大手の株式会社マイナビが運営している新卒者向けの就職エージェントです。
応募書類の添削・面接対策・就活相談などの一般的な就活支援はもちろんのこと、
- 採用コンサルを手掛けているマイナビならではのリアルな採用情報の提供
- 就活で実施されるSPI試験などのペーパーテスト対策
- 自己分析や企業研究のツールが充実している
- 公式サイトでの就活ノウハウを解説しているコラムが充実している
など、多くの就活生に選ばれているのも納得できる手厚いサポートが受けられます。マイナビ新卒紹介1つであらゆる就活が完結する点は大きなメリットでしょう。
また、マイナビ新卒紹介は「森永」「ソフトバンク」「KDDI」などの有名企業の非公開求人を数多く保有しているほか、他の就職エージェントでは網羅しきれない地方在住の学生に向けた求人まで取り揃えているため、幅広い選択肢の中から応募する企業を選ぶことができます。
サービスの質・掲載求人の質が共に高いとの口コミが数多く見受けられるため、マイナビ新卒紹介はあらゆる大学生にオススメできる就職エージェントです。
新卒応援ハローワーク
ハローワークと聞くと、「仕事を辞めた人が行く場所」というイメージを持たれやすく、大学生が利用する就職支援の選択肢にはなりにくい現状がありますよね。ですが、新卒ハローワークは、新卒・第二新卒の人が利用できる就職支援に特化した公的サービスです。全国の各都道府県に58カ所設置されています。
就職アドバイザーが担当者制で就職相談を始めとする就活の様々な悩みを相談できるため、民間の就職エージェントに近い形での就職支援が受けられます。また、臨床心理士によるカウンセリングが提供されており、「就活が上手く進まずストレスを抱えている」「発達障害の人のクローズ就労について」などの不安を相談できる点も特徴的です。
新卒応援ハローワークが扱う求人はハローワークと共通であるため、
- 就職支援機関の中では求人数が圧倒的に多い
- 就職エージェントなどには掲載されていない地域に密着した求人が豊富
というメリットがあります。一方で、「求人の質の差が大きい」というデメリットがあり、アドバイザーと相談しながら求める条件に合致しているかを見極めなくてはいけないため注意が必要です。
【長期インターンは就活に有利】インターン求人サイト
インターンとは、学生が在学中に企業での実務経験を積むためのプログラムです。
企業で実際の仕事を経験することで、
- 業務内容を深く理解できるため、仕事への適性を判断しやすくなる
- 社会人としての立ち振る舞いやビジネスコミュニケーション能力が身に付く
- 「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」として面接でアピールできる
などのメリットがあるため、インターンを経験すると就職活動で有利になるのです。
インターンには、半日~2週間程度で実施される「短期インターン」と、おおむね3カ月以上で実施される「長期インターン」の2つがあります。
短期インターンの場合は「企業説明の場」という意味合いが大きいため無給であることが一般的ですが、長期インターンの場合は「正社員として働く形」になるため給料を貰うことができます。そのため、アルバイトの代わりに長期インターンに参加するという大学生が増加しているのです。
多くの学生が就活に本腰を入れ出す大学3年時や大学院1年時から長期インターンに参加しも、就活を有利に進めるには十分間に合うタイミングです。ただし、学業に支障がないようインターンを活用しなければいけないため、特に発達障がいの学生はスケジュール管理を徹底するよう心掛けましょう。
以下では、長期インターンの求人サイトを2つ紹介します。
【キャリア形成支援に特化】キャリアバイト
キャリアバイトは、「エン転職」で有名なエン・ジャパン株式会社によって運営されている大学生のインターン支援に特化したサービスです。営業・IT・マーケテイィング・エンジニアなど思いつく限りの幅広い職種を扱っており、週2~3日から参加できる長期インターンの案件を中心に掲載しています。
大企業のみならず、中小企業やスタートアップ企業のインターンも豊富であり、
「新卒採用に繋がるインターンシップに参加したい」
と考えている大学生には、キャリアバイトは特にオススメのサービスです。
また、キャリアバイトには、あなたの興味がある業界や参加したインターンの傾向から、今後の就活やキャリア形成に役立つアルバイト求人の斡旋を受けられるサービスもあります。
ただし、キャリアバイトは一般的な就職エージェントとは異なり、あくまでも大学生のキャリア形成のサポートを目的としているサービスです。「新卒向け求人を探したい」「就活の専門的なサポートを受けたい」などの場合は、先述している就職支援を利用すると良いでしょう。
キャリアバイト | キャリアにつながるアルバイト/長期インターン求人メディア
【トップ企業を目指すなら】UT-Board
UT-Boardとは、2021年に設立された「株式会社Brotial」が運営している、ハイクラスな長期インターン求人を専門に扱うサイトです。
サイト利用者の9割以上が東大・京大・早稲田・慶応などの高学歴な学生で占められており、
- 三菱商事や三井物産などの総合商社
- ゴールドマンサックスなどの外資系投資銀行
- マッキンゼーなどの戦略コンサルティング
このような国内外の就活市場トップクラス企業への就職を成功させている人もいます。
もっとも、上記のような企業に限らず有名企業への内定は狭き門であるため、自己分析や企業研究はもちろんのこと、徹底した選考対策が必須となります。そのため、スキルアップだけでなく企業との接点を作ることができる長期インターンや早期選考への積極的な参加は、重要な役割を持つのです。
サイト内では実際にトップクラス企業に就職した学生へのインタビューなども豊富に掲載されているため、
「就職難易度の高い企業への内定を戦略的にゲットしたい」
このように考えている大学生には、UT-Boardがオススメのサービスです。
UT-Board | ハイクラス向け長期インターン・有給インターン求人募集サイト
まとめ
- 発達障がいは就職活動において「スケジュール管理ができない」「応募書類の作成が苦手」「面接でのミスが多い」などの様々な困難を発生させる場合がある
- 発達障がいの特性が就職活動に与える影響は、自身の障がい理解を深めて適切な対策をしたり支援を受けたりすることで改善することができる
- 発達障がいの人が働きやすい職場は定型発達の人と異なる場合が多いため、「自己分析」「企業研究」などの重要度が高く、あなた自身の就活の軸を定めることが大切
- 就活において「オープン就労」と「クローズ就労」のメリットとデメリットを理解して、「発達障がいを開示するか?」を適切に判断することが大切
- オープン就労を希望する大学生を対象とした就職支援には「発達障がい者支援センター」「就労移行支援」などがあり、「障がい者向けの就職エージェント」には「dodaチャレンジ」「LITALICO(リタリコ)仕事ナビ」もある
- クローズ就労を目指す場合は一般学生向けの就職支援を利用することになるが、「マイナビ新卒紹介」「新卒応援ハローワーク」をはじめとする様々なサービスを利用できる
- 長期インターンに参加することで就活を有利に進めることができるため、「キャリアバイト」「UT-Board」などのインターン求人サイトを利用すると戦略的に就職活動が進められる
今回の記事では、発達障がいを抱える大学生に向けて、就活を成功させるためのポイントや利用できる就職支援について解説しました。
「就活をうまく進められるだろうか?」という不安は、大学生なら誰しもが抱えるものです。そのような時は、「就活は1人で進めるものではない」ということを思い出して、遠慮せずに就職支援を頼りましょう。
あなたの就職活動が成功することを祈りつつ、この記事の最後とさせて頂きます。