
「以前より小さなことに怒りを覚えるようになった」
この記事を読んでいるあなたは。このような症状に悩んでいませんか?
うつ病になると気持ちの落ち込みや憂鬱感の他に、イライラが抑えられず怒りやすくなることがあります。
- イライラが抑えられないのはうつ病が原因?
- うつ病になると表れるイライラの症状とは?
- イライラを改善するための4つの方法
- うつ病の悩みを相談できる3つの相談窓口
について解説していきます。
あなたの症状に合わせて対策を行うことで、より良い生活を送ることができるようになれば幸いです。
イライラが抑えられないのはうつ病の影響?
うつ病の症状として代表的なものは「抑うつ」「無気力」などが挙げられます。しかし、人によっては感情の制御が難しくなり、イライラを感じて怒りやすくなる場合もあります。
そのため、うつ病の症状としては、
- 思い通りにならないとイライラしてしまう
- 無視したり不機嫌そうな返事をしたりしてしまう
- 強烈な怒りを感じてしまう
などが表れる場合があります。
ですが、イライラの症状は本人が「うつ病が原因」だと自覚しにくいため、気づくのが遅れて周りの方ともめごとが起こるケースも多い傾向にあります。
うつ病だと感情がコントロールできない理由
この項目では、なぜうつ病になると感情のコントロールができなくなりイライラするのか、その理由を解説します。
神経伝達物質の障がい
うつ病は、脳内の神経伝達物質である、ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニンなどのバランスが崩れることで発症すると考えられています。
これらの神経伝達物質は感情や気分を調整する役割を持っているため、不足すると感情のコントロールが難しくなり、イライラ感が発生しやすくなるのです。
自己批判による不安や焦燥感
うつ病の症状として、気持ちが落ち着かず不安になり、焦りを感じる場合があります。
この症状によって集中力が低下するため、仕事でのミスをしやすくなり、さらに心の余裕がなくなってしまいます。
仕事が上手くいかないストレスやプレッシャーによりうつ病が悪化、イライラが増していくという負のスパイラルに陥ってしまうのです。
環境によるストレス
仕事や私生活においてストレスの多い状況にいると、精神的に余裕がなくなっていきます。
特に、「人間関係が悪い」「長時間労働」「ミスが許されない仕事」などの環境は、うつ病の方にとって大きなストレスの要因となるため注意が必要です。
また、うつ病になると交友関係が面倒になることが増えるため、孤立しやすい傾向にあります。また、それらに伴い「誰も理解してくれない・助けてくれない」という感覚がイライラを増幅させてしまう場合もあります。
睡眠不足・疲労によるストレス
うつ病の症状として、不眠や疲れやすいなどの身体症状が表れる場合があります。睡眠不足や疲労によるストレスが積み重なると脳の働きが低下し、判断や感情の抑制が難しくなります。
また、ものの見方や考え方が否定的になりやすいです。そのため、普段よりイライラ・焦燥感を感じやすくなります。
うつ病で起こるイライラの種類
先述した通り、うつ病になるとイライラしやすくなります。
この項目では、「じゃあうつ病のイライラって実際どういうもの?」という疑問がある方のために、うつ病特有のイライラの種類を解説します。
小さなことに激しい不快感を覚える
うつ病を発症すると、物事の受け止め方や価値観が否定的に変化することがあります。
そのため、感情のコントロールができなくなるとイライラしてしまい、
「些細なことが気になって、不快に感じてしまう」
「気に入らない人を無視するようになり、人間関係の構築ができなくなった」
などが表れることがあります。
他人や物に攻撃的になる
うつ病になるとネガティブ思考が強くなるため、周囲の物事や人に対して敵意を感じてしまうことがあります。
そのため、
「上手くいかないのはあの人のせいだ」
などの考え方になりやすく、他人を責めたり物に当たったりしてしまいます。
うつ病により表れる攻撃性は、特に身近な人や物に向けられる傾向があり、「嫌がらせ」などの行動を無意識に行っているケースも多いです。
怒りが抑えられない
うつ病によるイライラが増すと、突発的に激しい怒りが沸き上がることがあります。
「無性に大声を上げたくなる…」
このように、些細な出来事で怒鳴ってしまう症状は「怒り発作」と呼ばれています。
怒り発作の多くは衝動的なもので、
- 周りの物を投げたり殴ったりしてしまう
- 上司に反抗的な態度を取ってしまう
- 周囲が引いてしまうくらい声を荒らげてしまう
などのケースも少なくありません。
また、怒り発作後に強い罪悪感を抱く傾向があります。
イライラを改善するための4つの方法
イライラはあなたにとっても周りにとっても良いものではありません。
あなたがイライラに悩んでいる時は、この項目で解説する改善方法を試してみてはいかがでしょうか。
生活習慣を整える
うつ病は自律神経が乱れていると悪化するため、規則正しい生活を送って自律神経を整えることが重要です。
十分な睡眠をとると、ストレスにより分泌されるコルチゾールという神経伝達物質が適正化されます。また、日光を浴びて運動すると、幸せホルモンといわれるセロトニンが多く分泌されるため、うつ病の改善に効果的です。
適度な運動や十分な睡眠をとることで生活習慣が整うと、イライラが軽減されます。
親しい人を頼る
うつ病の辛さや悩みを親しい人に理解してもらうのは大切な事です。
親しい人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが軽くなるでしょう。また、人に話すことで、自分の感情を理解したり整理したりできるため、感情コントロールの助けになる場合もあります。イライラを抑えるための効果的なアドバイスがもらえることもあるでしょう。
無理に人を頼る必要はありませんが、ふとその気になった時は信頼できる方に相談してみましょう。
怒りの要因から離れる
怒りの要因と接する状況が続けば、ストレスが貯まるばかりでイライラは収まりません。一度怒りの要因から離れて深呼吸をしてみましょう。それだけでもイライラは軽減されます。
また、職場の「物音や話し声」「対人関係」などがストレスになりイライラしてしまう場合、上司に相談して環境や働き方の調整をするのが効果的です。
ストレスを感じたら、怒りの要因から離れて安心できる場所に身を置くようにしましょう。
ストレスを管理する
イライラはストレスの蓄積が原因となっていることが多く、ストレスを管理することがイライラの解消につながります。
例えば、
- リラックスできる音楽を聴く
- 温かいお風呂に入る
- 趣味に没頭する
- 旅行に行ってみる
など、リラックスできる時間を見つけてストレス解消をしましょう。
仕事ばかりにならず、自分の時間を取ることは心を穏やかにし、生活を豊かにしてくれます。
また、ストレスの管理には、イライラした原因をメモに書き出す習慣も効果的です。怒ってしまった時の感情や状況を整理できると、ストレスをコントロールしやすくなるでしょう。
ストレスとその対処法については、下記の記事でも解説しています。
うつ病の方が頼れる相談窓口4選
イライラを抑える方法は先述した通りですが、実際にやってみても、うまくいかないこともあるでしょう。
人によって合う・合わないもあるので、「自分じゃどうにもできない…」「相談できる人がいない…」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。
そのような時には、1人で抱え込まず、この項目で紹介する相談窓口を利用してみましょう。
精神科・心療内科
うつ病が要因と考えられるイライラによって、生活や仕事に支障が出ている場合、精神科・心療内科のような医療機関への相談が効果的です。
診断を受けて定期的に通院している場合、メモなどに伝えたいこと、困っていることを書いて渡すだけでも伝えられます。服薬治療や精神療法によってイライラの症状が改善するケースもあります。
もし、うつ病の診断を受けていない状態でイライラにお困りの場合、別の病気が原因となっている場合もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
働く人の「こころの耳電話相談」
働く人の「こころの耳電話相談」とは、全国の働く方やその家族がメンタルヘルスの不調について電話で相談できる窓口です。ここでは、過重労働が原因の健康被害やうつ病の予防・対処法などの相談ができます。
人間関係や仕事の悩みを相談するのも良いですし、具体的に問題を解決するためのアドバイスを求めることもできます。あなたの今のストレス状況や職場のストレス対策が気になった場合は、気軽に相談してみると良いでしょう。
保健所
保健所は、都道府県や指定都市などに設置されており、地域での健康づくりや健康問題への対応、健康危機管理などを担っています。
保健所では、健康に関して幅広い相談を受け付けており、メンタルヘルスやうつ病の予防・治療や、医療機関を受診すべきか、などの相談が可能です。もし、自身のストレスやイライラの原因について、1人での解決が難しい場合は、保健所に相談すると良いでしょう。
全国の保健所は下記から探すことができます。
保健所所管区域案内|厚生労働省
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、精神的な悩みを相談できる支援機関です。「こころの健康センター」など、名前が異なる場合がありますが、各都道府県・政令指定都市に設置されています。
センターの規模にもよりますが、基本的に医師が常駐しているため、うつ病などの悩みに対して、具体的なアドバイスをもらうことが可能です。事前予約が必要ですが、電話や面談形式で心の悩みについて幅広く相談ができます。1人で抱え込む前に頼ってみましょう。
全国の精神保健福祉センターは下記から探すことができます。
全国の精神保健福祉センター|厚生労働省
まとめ|うつ病によるイライラの原因と対処法
- うつ病になると感情のコントロールが難しくなるため、イライラが抑えられない原因になる。
- イライラの原因は神経伝達物質のバランスの崩れや、うつ病による不安感・焦燥感などが要因となっている。
- イライラには種類があり、小さなことで不快感を覚えるものから、怒りが爆発して攻撃的になってしまうものなどがある。
- イライラを抑えるためには、規則正しい生活や、ストレスコントロールが効果的。周りの人に相談すると気持ちが軽くなることもあるので、1人で抱え込まない方が良い。
- もし、自身の力で対策ができない場合は、保健所や精神保健福祉センターなどの機関に頼ることも大切。
うつ病になると、自分ではだめだと分かっていても、イライラしたり、怒りが爆発したりすることがあります。
そのままでは、周りの方も自分もストレスが溜まるばかりで、より良い人間関係は作れないでしょう。
自身がイライラに苦しんでいるように、家族や同僚・友人もあなたのイライラに苦しんでいます。そのため、うつ病の治療を進めながら、イライラを抑える工夫や相談窓口を頼るなどの対策を行うことが大切です。
この記事を読んで、前向きにイライラを解消する気持ちになり、行動していけることを願っています。
もし、現状の職場では厳しいと感じ、転職を考えているのであれば、就職・転職エージェントを頼ってみませんか?
特に、障害者手帳をお持ちであるなら、「dodaチャレンジ」のような障がい者向けのエージェントも利用できます。あなたのうつ病に配慮した求人の提供や、応募書類の添削、面接対策などを行ってもらえるのでおすすめです。
気になる方はまず、無料相談から試してみてください。