この記事を開いているあなたは、

「発達障がいグレーゾーンって、どういうもの?」
このような不安や疑問を抱えていませんか?
発達障がいの特性は生きづらさの原因になりやすいため、知らぬ間に職場や人間関係などで困難に直面してしまう方は多いのです。ですが、「発達障がいの特徴に当てはまる=確定診断」となるわけではなく、その中には「グレーゾーン」に位置する人々がいます。
- 大人の発達障がいのグレーゾーンとは?
- 大人の発達障がいグレーゾーンの特徴
- 大人の発達障がいグレーゾーンの人が利用できる支援
について詳しく解説していきます。
この記事が、あなたの生きづらさを解消するための参考になれば幸いです。
大人の発達障がいのグレーゾーンとは?
発達障がいとは、脳の機能発達の偏りによって、行動・感情・対人関係などに特性が現れる生まれつきの障がいです。その特性の現れ方は一人ひとり異なり、周りの環境との相互作用によって困難が生じることが多いのです。
発達障がいは、大きく以下の3つのタイプに分けられます。
- ASD(自閉スペクトラム症)
- ADHD(注意欠如・多動症)
- LD(学習障がい)
これらの特性は単独で現れるとは限らず、複数のタイプを併せ持つ場合もあります。
ですが、これらの発達障がいの特性を持っていても診断基準を満たしていない人々は、「発達障がいグレーゾーン」と呼ばれます。また、発達障がいは通常、幼少期に診断を受けるものですが、大人になってから症状を自覚して医療機関を受診する人が増加しているため、「大人の発達障がい」が広く知られるようになりました。
ここからは、3つの発達障がいの特徴とグレーゾーンと診断される原因を見ていきましょう。
ASD(自閉スペクトラム症)
ASDは「自閉スペクトラム症」とも呼ばれ、対人関係やコミュニケーション、興味・行動の偏りといった特性が見られます。ASDの特性の現れ方には個人差があり、誰にでも少なからず当てはまる症状が多いため、「障がいの有無」ではなく「どの程度の症状か?」によって診断されます。これが、「スペクトラム(連続体)」と表現される理由です。
ASDの主な特性は以下の通りです。
- 相手の気持ちや意図を読み取ることが苦手
- 暗黙のルールや空気を察するのが難しい
- 興味関心が限定的で、特定のことに強いこだわりを持つ
- ルーティンや決まったやり方が崩れると混乱しやすい
- 感覚の過敏さ(音・光・においなど)がある場合がある
これらの特性は、一見してわかりにくいことが多く、「周囲とうまくなじめない」といった漠然とした悩みを抱えやすくなります。大人になってから職場や家庭での違和感に気づき、初めてASDの特性に向き合うケースもあります。
ADHD(注意欠如・多動症)
ADHDは「注意欠如・多動症」と呼ばれる通り、不注意・多動性・衝動性の特性が見られる神経発達の障がいです。大人になると多動性と衝動性は目立ちにくくなりますが、不注意は改善されにくく、日常生活や仕事に支障をきたすケースも少なくありません。
ADHDの人には、以下のような特性が見られることがあります。
- 注意力が散漫で、ケアレスミスや物忘れが多い
- ひとつの作業に集中し続けるのが難しく、途中で別のことに気を取られやすい
- 思いついたことをすぐに口に出してしまい、人間関係を構築しにくい
- 落ち着きがなく、じっとしていることにストレスを感じやすい
- スケジュール管理が苦手で時間感覚が鈍いため、遅刻や締切遅れが起きやすい
これらの特性は「だらしない性格」と誤解されやすく、自分でも努力不足と感じてしまうことがあります。しかし、脳の働き方に由来するものであるため、工夫や支援によって改善できる可能性もあるのです。
LD(学習障がい)
LD(学習障がい)は、知的発達に遅れはないものの、「読む・書く・計算する」など特定の学習分野に著しい困難が生じる状態を指します。大人になってからも、その特性が職場での業務や日常生活に影響を与えることがあります。
LDの主な特性には以下のようなものがあります。
- 文字の読み書きに時間がかかり、文書作成やメール処理に負担を感じる
- 数字の理解が苦手で、計算やスケジュール管理にミスが出やすい
- 音声での指示を理解しにくく、指示通りに動くのが難しいことがある
- 地図や図表などの視覚情報の処理が苦手で、混乱しやすい
- 複数の情報を同時に処理する作業に困難がある
「努力が足りない」と誤解されやすいのがLDの難しい点です。しかし、適切な理解とサポートがあれば、得意な力を活かして働くことも十分可能といえるでしょう。
どのような時に発達障がいグレーゾーンと言われるのか?
発達障がいグレーゾーンとは、発達障害の特性があるものの、診断基準をすべて満たしていない状態を指します。
グレーゾーンと言われるケースには、主に2つの状況が挙げられます。
- 幼少期の情報が不足している
発達障がいは生まれつきの障がいであるため、確定診断を受けるためには「幼少期からの発育歴」
「母子手帳の記録」などの情報が重要です。 - 検査時の環境や体調によって、発達障がいの症状も変化する
発達障がいの症状は、生活において常に一定の困難を発生させるものではないため、
検査時に特性や困難が表面化されないことがあります。
しかし、発達障がいグレーゾーンであっても、職場や家庭では大きな困難を抱えているケースは珍しくありません。そのため、グレーゾーンの人も周囲の適切な理解とサポートを得ることが大切です。
【ASD編】大人の発達障がいグレーゾーンの特徴5つ
以下では、ASD(自閉スペクトラム症)のグレーゾーンの特徴について、
- 空気が読めない
- 会話のキャッチボールが苦手
- こだわりが強すぎる
- 急な予定変更に対応できない
- 感覚過敏で職場環境がつらい
これら5つを解説していきます。
空気が読めない
ASD(自閉スペクトラム症)のグレーゾーンの人の特徴として、「空気が読めない」ことが挙げられます。これは、場の雰囲気や相手の感情を直感的に理解することが難しいため現れる特徴です。
ASDの特性を持つ人は、
- 暗黙のルールや微妙なニュアンスを読み取るのが苦手
- 言葉通りの意味でしか理解できない(会話の深読みが苦手)
という傾向があります。
そのため、相手の気持ちに気づかずに失言をしたり、冗談を真に受けて不適切なリアクションをしたりしてしまいます。
このような特性は、コミュニケーションにおいて誤解を招きやすく、人間関係のトラブルにつながりやすくなります。特に、職場では「協調性がない」「相手の気持ちを考えていない」と誤解されることも少なくありません。しかし、これは意図的なものではなく、物事のとらえ方に違いがあるために生じるものです。
会話のキャッチボールが苦手
ASDグレーゾーンの人には、「会話のキャッチボールが苦手」という特徴もあります。
ASDの特性を持つ人は、「自分の気持ちを優先しやすい」という傾向があるため、興味のある話題になると、一方的に話し続けてしまい、相手がどう感じているかを意識しにくくなります。そのため、「会話が噛み合わない」「話を聞いてもらえない」と誤解されることが増えるのです。
また、「耳からの情報処理が苦手」という特徴も関係しています。ASDの傾向があると、会話の内容を瞬時に理解して適切に返答するのが難しく、話の流れについていけなかったり、的外れな返答をしてしまったりすることがあります。
さらに、「思い込みをしやすい」ことも影響します。自分の中で会話の展開を予測し、それに基づいて返答してしまうため、相手の意図とズレが生じることがあります。例えば、「こういう話題なら、相手はこう思っているはず」と決めつけてしまい、実際の相手の意見を十分に聞かずに話を進めてしまうことがあるのです。
これらの特徴から、ASDの人はコミュニケーションがきごちなくなり、会話のキャッチボールが苦手になるのです。
こだわりが強すぎる
ASDグレーゾーンの特徴として、「こだわりが強すぎて、人間関係に影響することがある」という傾向が見られます。自分なりのルールや価値観を大切にしすぎるため、他人と衝突しやすくなるのです。
ASDの特性を持つ人は、物事の順序やルール、時間などに強いこだわりを持つことが多いです。そのため、自分が納得できる形で物事が進まないと、不安やストレスを感じやすく、時にはいら立ちを表に出してしまうこともあります。
特に職場では、会議の進め方やデータの整理方法などで自分のやり方に固執してしまうと、チームでの柔軟な対応ができなくなったり思わぬミスに繋がったりしやすくなります。
その結果、周囲から「融通が利かない」「頑固」「面倒な人」と誤解されてしまい、人間関係が悪化することも少なくありません。本人にとっては効率や正確さを重視しているつもりでも、周囲からは協調性に欠けているように映ってしまうのです。
このような場合は、「相手の視点を大切にする」という意識を持つことで、こだわりの強さを緩める練習を続けることが大切です。
急な予定変更に対応できない
ASDグレーゾーンの人には、「急な予定変更にうまく対応できない」という特徴がよく見られます。想定外の出来事に直面すると、強いストレスや混乱を感じやすいのです。
これは、ASDの「予定どおりであること」に安心感を覚えるという特性によるものです。あらかじめ立てたスケジュールや段取りが崩れることで、不安や焦りが一気に高まってしまいます。
仕事中の「スケジュール変更」や「上司からの急な指示」などがあると、頭の中が真っ白になりますよね。適切な対応ができない・不機嫌な態度を取ってしまう、というケースもあるでしょう。
このような反応は、本人の意思や性格ではなく、ASDの特性が関わるものです。そのため、急な予定変更に対応できるように余裕を持った計画を立てることが大切です。
また、万が一変更があった際には、一度深呼吸して状況を整理する時間を確保することも有効です。ちょっとした準備と工夫で、変化へのストレスはかなり軽減されるでしょう。
感覚過敏で職場環境がつらい
ASDグレーゾーンの大人は、音・光・匂いなどの刺激に対して過敏に反応しやすく、職場環境が強いストレスになることがあります。これは感覚処理の特性によるもので、脳が外部からの刺激を過剰に拾ってしまうためです。その結果、集中力が続かなかったり、疲れやすくなったりします。
例えば、仕事中に多い悩みには、
- 蛍光灯のちらつきが気になって目が疲れる
- 人の話し声やタイピング音が気になって集中できない
などが挙げられます。ASDの傾向があると、一般的には気にならないような刺激でも、大きな負担に感じることがあるのです。こうした感覚過敏は生まれ持った特性ですが、周囲の理解がないと「神経質な人」と誤解されやすい傾向もあります。
対策としては、ノイズキャンセリングイヤホンの使用や、デスクにパーテーションを設置するなど、環境を調整することが有効です。自分にとって快適な空間をつくる工夫が、働きやすさにつながります。
【ADHD編】大人の発達障がいグレーゾーンの特徴5つ
以下では、ADHD(注意欠如・多動症)のグレーゾーンの特徴について、
- うっかりミスや物忘れが多い
- 集中力が続かない
- 感情のコントロールが苦手
- 時間管理が苦手
- 片づけができない
これら5つを解説していきます。
うっかりミスや物忘れが多い
ADHDグレーゾーンの大人に多く見られるのが、「うっかりミスや物忘れが多い」という特徴です。注意力を持続させるのが難しいというADHD特有の認知特性から、真面目に取り組んでいてもケアレスミスを繰り返してしまうのです。
例えば、
- 会議の予定を忘れてしまう
- 資料の添付を忘れたままメールを送ってしまう
などのミスをすることがあります。そのため、本人には悪気がなくても周囲からは「だらしない」「仕事が雑」と誤解されやすくなるのです。
このような状況が続くと、評価や人間関係に影響が出ることもあります。その結果、自信や自己肯定感を失ってしまう人も少なくありません。
集中力が続かない
ADHDグレーゾーンの大人は、「集中力が続かず、仕事に取り組めないことがある」という悩みを抱えやすいです。やるべきことがあっても、なかなか手がつけられない、途中で気が散ってしまうといったことが頻繁に起こります。
これは、脳の注意をコントロールする機能にばらつきがあるためです。興味のないことには集中が向かず、反対に好きなことには過剰に集中する「過集中」の状態になることもあります。
例えば、「仕事中に気がついたらネットサーフィンや別の作業に没頭している」などのケースは少なくありません。本人も「やらなきゃ」と思っているのに、思うように体が動かず、自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。
このような集中のムラは、努力不足ではなく認知特性によるものです。そのため、タイマーを使って作業を区切る、作業環境を整えるなど、集中をサポートする工夫が必要になります。
小さな成功体験を積み重ねることで、少しずつ仕事への取り組みやすさは変わっていきます。
感情のコントロールが苦手
ADHDグレーゾーンの大人には、「感情のコントロールが苦手」という傾向があります。この背景には、感情や衝動を抑える前頭葉の働きがうまく機能しにくいことが関係しています。興奮や怒り、不安などの感情が湧き上がったときに、一呼吸おく前に言葉や行動として出てしまいやすいのです。
そのため、思ったことをすぐに口にして失言に繋がり、後から後悔するケースが少なくありません。
例えば、
- 気に入らないことがあると相手を否定してしまう
- ストレスが高まると上司や同僚に対してきつい口調になってしまう
などのことが挙げられます。本人に悪気はなくても、周囲に誤解や不快感を与えてしまうことがあるのです。
衝動的な言動はトラブルの原因になりますが、特性を自覚して工夫していくと改善が可能です。感情が動いたときに「深呼吸をする」などの習慣を意識することで、徐々に感情のコントロール力を高めることができます。
時間管理が苦手
ADHDグレーゾーンの大人は、「時間管理が苦手」という傾向があります。ADHDの特性があると、「時間の感覚」を把握するのが苦手になるため、やるべきことの見積もりが甘く、気づいたときには締め切り直前ということも珍しくありません。
「いま何時か?」「どれくらい時間が経ったか」などを実感しにくいため、
- 「あと10分だけ」とスマホを見ていたつもりが1時間経過していた
- 複数のタスクの優先順位を決められず、どれも中途半端になってしまう
などのケースがあります。結果として遅刻や納期遅れを繰り返し、信頼を損なってしまうことがあるのです。
このような特性は、努力不足ではなく認知機能の違いによって起こります。タスク管理アプリやアラームの活用、時間の見える化などの工夫を取り入れることで、時間に追われるストレスを減らすことが可能です。
片づけができない
ADHDグレーゾーンの大人には、「片づけができない」という特徴がよく見られます。デスクや部屋が散らかりがちで、日常的に物を探す時間が多くなり、効率や集中力にも悪影響を及ぼすことがあります。
その原因は、物の定位置を決めて維持するという作業が苦手で、頭の中で整理整頓の手順を組み立てるのに負荷がかかるためです。また、「あとでやろう」と先延ばしにしてしまう傾向も関係しています。
例えば、
- 郵便物や書類をとりあえず積んでおく
- 使った文房具を戻さずに机の上に置きっぱなしにする
など、小さな行動の積み重ねで空間がどんどん乱れていくのです。
本人も「片づけなければ」と思ってはいるものの、どこから手をつければよいか分からずさらに先延ばしにする悪循環が生まれます。
これは単なる「面倒くさがり」ではなく、実行機能の弱さに起因するものです。収納のルールをできるだけシンプルにする、1日5分だけ片づけ時間を決めるなど、負担を減らす工夫を取り入れることで、改善につなげることができます。
【LD編】大人の発達障がいグレーゾーンの特徴4つ
以下では、LD(学習障害)のグレーゾーンの特徴について、
- 文字の読み書きが苦手
- 数字に弱く計算が苦手
- 口頭の指示がうまく理解できない
- 図形や空間把握が困難
これら4つを紹介します。
文字の読み書きが苦手
LDグレーゾーンの大人は、「文字の読み書きが苦手」という特徴を抱えていることがあります。文章をスムーズに読めなかったり、書く際に誤字脱字が頻発したりすることが多いのです。そのため、「マニュアルやメールの読解」「書類作成」などの作業が困難になりがちです。
このような特徴は、文字を認識し処理する脳の働きに偏りがあるため起こります。あくまで脳の特性であり知的能力の問題ではありませんが、読み書きの苦手さは業務ミスを誘発するため、本人にとっては非常に大きなストレスとなるのです。
音声入力や読み上げ機能、書類のテンプレートの活用など、自分に合ったツールを取り入れることで、負担を軽減することが可能です。
数字に弱く計算が苦手
LDグレーゾーンの大人には、「数字に弱く計算が苦手」という特徴がみられる場合があります。そのため、仕事上の計算ミスや日付の確認でうっかり間違いをしてしまい、自信をなくすことが少なくありません。
これは、数字や数量の感覚や概念を捉えるのが苦手となる傾向であり、「算数障がい(ディスカリキュリア)」と呼ばれる特性です。たとえ電卓を使っても、計算の手順が混乱したり、数字の桁を取り違えたりしてしまうケースもあります。
- 請求金額の合計を間違える
- スケジュールを勘違いしてダブルブッキングしてしまう
などのミスは「注意不足」と誤解されがちですが、実際には脳の情報処理の特性に根ざしたものであるため、周囲の正しい理解とサポートを求めることが大切です。
口頭の指示がうまく理解できない
LDグレーゾーンの大人には、「口頭の指示がうまく理解できない」という特性が見られることがあります。そのため、指示の内容を誤解してしまう、作業に取りかかるまでに時間がかかるなどの問題が発生しやすくなるのです。
この原因は、「聴覚情報の処理」が苦手という脳の特性にあります。聞いた情報を瞬時に整理し、正しく記憶することが難しいため、複数の指示を一度に受けると混乱してしまうのです。
例えば、「この資料をまとめて、次に会議室を準備して」という一連の指示をうまく記憶できず、最初の内容だけ実行してしまうといったケースも少なくありません。このようなミスは、本人の努力不足ではなく、認知処理の仕組みの違いによるものです。
図形や空間把握が困難
LDグレーゾーンにある大人の中には、「図形や空間把握が困難」という困りごとを抱えている人がいます。この背景には「視空間認知」の苦手さがあり、図形や位置関係、空間のイメージを脳内で組み立てることが難しいという特性が関係しています。
そのため、
- マニュアルの作業手順の図解を見ても理解できない
- グラフやフローチャートの意味を直感的に読み取れない
- 地図を見ても進行方向が分からず、迷子になる
などの困難に直面しやすいのです。
このような困りごとは、図表を文章に置き換えて理解する、簡略化した資料を使うなどの工夫でカバーすることができます。視覚情報に頼らない代替手段を取り入れることで、混乱を減らすことが可能になります。
LDについては、以下の記事でも詳しく解説しております。
大人の発達障がいグレーゾーンでも利用できる支援機関7選
発達障がいグレーゾーンは「発達障がいの確定診断」ではないため、自分の特性に気づいていても障がいの認定が受けられず、利用できる支援が分からないことがありますよね。
ここでは、発達障がいグレーゾーンの大人が利用できる支援機関を7つ紹介します。
支援機関一覧
大人の発達障がいグレーゾーンの方が利用できる支援機関は以下の通りです。
これらの支援機関は地域ごとに運営されている場合が多いので、まずはお近くの機関を探してみてください。
- 発達障がい者支援センター
発達障がいのある人に対して、生活全般に関する支援や相談サービスを提供する地域の支援機関です。
発達障害者支援センター・一覧 | 国立障害者リハビリテーションセンター - 障がい者就業・生活支援センター
障がいを持つ人が職業生活や日常生活で困難を感じている場合に、支援やアドバイスを行う施設です。
障害者就業・生活支援センターについて|厚生労働省 - 地域障がい者職業センター
障がいを持つ人が自立した職業生活を送るために、職業訓練や就職支援を行う機関です。
地域障害者職業センター|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 - ハローワーク(公共職業安定所)
障がい者向けの就業支援サービスを提供しており、求人情報や就職相談が受けられます。
障害者に関する窓口|厚生労働省 - 就労移行支援
就職を希望する障がい者に職業訓練や就職活動支援を行い、企業への就労をサポートするサービスです。 - 就労継続支援A型
障がいのある人が働く機会を得るため、企業での就労を支援し、給与を支給する制度です。 - 就労定着支援
就職後、仕事を継続するための支援を行い、職場定着を助けるサービスです。
これらの支援機関は、「障がいの診断を受けていない」「障がい者手帳を所持していない」などの場合でも利用可能です。ただし、医師の診断書や意見書が必要になる場合もあるため、利用を希望する際は確認しておきましょう。
「グレーゾーン?」と思ったら医療機関を受診しよう
「もしかして自分は発達障がいのグレーゾーンかも」と感じたら、専門の医療機関へ相談することが大切です。
特性に気づかないまま無理を続けたり、特性を自覚しながら我慢したりしてしまうと、心身に負担がかかり、うつ病の発症など二次的な問題に発展するおそれがあるからです。
専門医に相談することで、自分の特性に対する理解が深まり、必要な配慮や工夫を知るきっかけになります。また、セカンドオピニオンを受けることで、発達障がいの確定診断を得られるケースもあります。
先述している支援を受けるためにも、医療機関を受診して困りごとに向き合う第一歩を踏み出してみましょう。
まとめ
- 発達障がいのグレーゾーンとは、発達障がいの特性は持っているが診断基準を満たしていない状態のこと。
- 発達障がいグレーゾーンでも困りごとはあるので、適切な支援が必要。
- ASDグレーゾーンの特徴には、「空気が読めない」「こだわりが強い」「コミュニケーションが苦手」などがある。
- ADHDグレーゾーンの特徴には「うっかりミスや物忘れが多い」「感情のコントロールが苦手」「集中力が続かない」などがある。
- LDグレーゾーンの特徴には「文字の読み書きが苦手」「数字に弱く計算が苦手」「図形や空間把握が困難」などがある。
- 大人の発達障がいグレーゾーンの人が利用できる支援には「発達障がい者支援センター」「障がい者就業・生活支援センター」などがある。
発達障がいグレーゾーンの人は、職場や人間関係において生きづらさや困難を抱えてしまうことがありますよね。ですが、グレーゾーンであっても医療機関や専門の支援機関を頼ることで、生活環境や就労環境を整える手助けが得られます。
自分一人で抱え込まず、適切な支援を利用し、前向きに生活を改善していくことが大切です。