【大人のASD】苦手なことにどう付き合っていく?職場での対処法を紹介!

KAORUKO

「苦手なことが多くて把握できていない…」
「ASDの苦手なことへの対処法ってある?」
「苦手なことと付き合っていきたいんだけど、どうすればいい?」

などの疑問や不安を抱えていませんか?

ASDの方の中には、特性の影響から苦手なことが多く、特に、仕事をする上で困りごとがある方も多いのではないでしょうか。

また、コミュニケーションを取ることが苦手な場合、仕事以外の場面でも困りごとが出てくるでしょう。

ASDの特性は個人差が大きく、自分に合った苦手に対する対処法を見つけていくことが重要です。

  • 大人のASDの方が苦手なこと8つ
  • ASDの苦手なことへの対処法4選
  • ASDの苦手とどうやって付き合っていくのか

について解説していきます。この記事が少しでも参考になれば幸いです。

大人のASDの方が苦手なこと8つ

困った顔で考える男女のビジネスマン

ASDの特性は、仕事をする上でさまざまな困りごとに繋がります。具体的な内容を把握しておくと、対処できる可能性が生まれるので、ご自身で一度整理してみましょう。

ここでは下記の8つのことについて詳しく解説しています。

  • イレギュラーな出来事
  • 曖昧な表現を理解する
  • 空気を読む
  • 感情表現をする
  • 切り替え
  • こまめな報告や連絡
  • 聴覚から情報を理解する
  • 騒がしい場所

順に見ていきましょう。

イレギュラーな出来事

ASDの方は、ルーティンに強いこだわりを持っている方が多いので、イレギュラーな出来事や急に仕事を追加されて即座に対応することが苦手な傾向があります。

同じ行動をすることで安心感が生まれるので、そこから外れてしまうと焦ってしまったり、仕事のミスに繋がってしまったりする場合もあるでしょう。

曖昧な表現を理解する

ASDの特性から、言葉のニュアンスを読み取ることが苦手な方が多いとされています。よって、「適当にやっておいて」や「いい感じで」など、具体性のない指示に対して対応が難しいことがあるでしょう。

指示した側と自分との認識が違うと、仕事の進捗にも影響が出てきます。仕事量が多くなって時間が足りないなど、追い込まれる状況になってしまう可能性もあります。

空気を読む

ASDの方は、言葉のニュアンスや相手の表情から情報を読み取ることが苦手な特性から、その場の空気を読むことが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

特に、会社の中では暗黙のルールなど、「なんとなく決まっている」ことも存在するので、知らず知らずのうちにルールを破ってしまい、トラブルに繋がってしまう危険性もあります。

感情表現をする

ASDの方は、表情があまり動かない状態で話したり、声のトーンが一定だったりする影響から、感情表現が苦手な方も多いとされています。また、自分の意図とは異なる捉えられ方をされてしまい、うまく言いたいことが伝わらないストレスを抱えてしまう可能性もあります。

自分の感情を伝えることは、相手とのコミュニケーションを取る上でとても重要なことなので、雑談の場や仕事をする場面でさまざまな困りごとが出てくるでしょう。

切り替え

ASDの方は、得意な分野や興味のあることに対しての集中力がとても高いので、仕事の中で切り替えが難しい側面があります。

特に、納期などの関係で優先順位が明確にある場合、一つの内容に集中しすぎてしまうと周りの方の仕事にも影響が出てしまいます。やらなければならない仕事が複数ある場合、エネルギー配分がうまくできず、パフォーマンスが低下する可能性も考えられます。

こまめな報告や連絡

ASDの特性の影響から、いわゆる「報連相」のタイミングが分からず、こまめな報告や連絡が苦手な場合があります。

相手の都合が良さそうなタイミングが分からなかったり、具体的な指示がなかったりすると、報連相が遅れてしまい、仕事の進捗に影響してしまいます。その影響でトラブルに繋がってしまうこともあるので、注意が必要です。

聴覚から情報を理解する

ASDの方の中には、耳で聞いて理解することが苦手な影響から、会議や会話の中で要点を整理することが難しい場合があります。

特に、会話の中で仕事に関する重要なことを言われると、意図せず聞き逃したり理解することが難しかったりして、仕事の進捗に影響が出てしまうことも考えられます。

騒がしい場所

ASDの方は聴覚過敏の特性がある方が多い傾向が多く、騒がしい場所が苦手な方が多いとされています。

他にも、時計の秒針が動く音や小声で行われる会話など、小さな音でも気になってしまうこともあるでしょう。特に、聴覚過敏は他者には伝わりにくい特性なので、職場環境によっては、常に強いストレスを感じてしまう状況になっている可能性もあります。

ASDの苦手なことへの対処法4選

対処法

上記では、ASDの苦手なことについて解説してきました。この項目では、苦手なことに対しての対処法4選を紹介していきます。

ご自身に合った方法を見つけることができれば、少しでも改善できる可能性があります。

  • ソーシャルスキルを取り入れる
  • マニュアルを作る
  • 図形や文字など視覚的な情報を活用する
  • 職場の方に特性を伝える

順に見ていきましょう。

ソーシャルスキルを取り入れる

ソーシャルスキルとは、対人関係など社会生活に必要なスキルのことを指します。

特に、ASDの方は、コミュニケーションを取ることを苦手としている場合も多いので、ソーシャルスキルを取り入れていくことで、改善していく可能性があります。具体的には、ゲームやディベートなどを通じて、相手の感情を読み取ったり、自分の感情をコントロールしたりする練習をします。

ソーシャルスキルトレーニング(SST)は、精神科のデイケアや地域障害者職業センターなどで行われていますが、仕事の都合などで参加が難しい場合は、書籍で学ぶこともできます。興味のある方は、ネットで評価の高い書籍を見つけたり、図書館でオススメを聞いたりして、少しずつでも取り入れていきましょう。

マニュアルを作る

仕事をする上で、イレギュラーな出来事や急に追加される業務は避けられません。その都度、焦ってしまったり、パニックになって業務を止めてしまったりすると、作業効率が落ちてしまいます。

このようなことを防ぐためにも、あらかじめ自分の中で「○○○が起きたら□□□する」などのマニュアルを作っておきましょう。

具体的に決めておくと逆に動けなくなってしまうといった不安がある方は、例えば「仕事が追加される→優先順位を聞きに行く」のような、一連の流れだけを決めておくこともオススメです。

ご自身に合ったマニュアルを少しずつ作っていくことが大切になります。

図形や文字など、視覚的な情報を活用する

聴覚からの情報を得ることが苦手な場合、図形や文字など、視覚的な情報を活用していきましょう。

特に、会議など会話が速い場面では、録音を許可してもらい、後で文字起こしアプリなどで文章にして理解を深めることが重要になります。自分だけが分かる簡易的な図形を考えて、聞いたことを分かりやすくメモすることもオススメです。

現在は仕事を効率化できる付箋など、便利な文房具やツールがたくさんあるので、ご自身に合ったものを探してみるのもいいですね。

職場の方に特性を伝える

障がいを伝えて働くオープン就労なのか、伝えずに働くクローズ就労なのかにもよりますが、職場の方に自分のASDの特性を伝えることも選択肢に入れておきましょう。

ASDの特性を自分だけでカバーすることは、どうしても難しいことが多いです。コミュニケーションの面でも、さまざまな特性を知っておいてもらうことで、誤解が生まれることを防げる可能性があります。

また、仕事をする上でも、優先順位を教えてもらったり、指示を具体的にしてもらったりすることで、仕事の効率化が期待できるでしょう。

ASDの苦手と付き合って生きていくには

上記では、ASDの特性の対処法について紹介してきました。ASDなどの発達障害は「治す」ものではなく、「付き合っていく」ものになります。

ここでは、ASDの苦手と付き合って生きていくために重要なことを、2つ解説していきます。

  • 自分の特性を理解する
  • 一人で抱え込まない

順に見ていきましょう。

自分の特性を理解する

ASDの特性は人によってさまざまであり、個人差が大きいものです。同じ特性でも、強弱やきっかけ、性質が異なる場合もあるので、一方でうまくいった対処法が他方ではうまくいかないこともあります。よって、自分の特性を理解することがなによりも大切です。

特に現代はネット上に莫大な情報があり、取捨選択が大変です。「ASDだから○○○をしなきゃ…」と自分に合わない対処法や、難しい方法などを実践していっても、苦手なことへの改善は見込めません。

また、自分の特性を理解しておけば「私は○○○が苦手で、□□□のようなサポートをしていただきたいです」などと、周りの方に助けを求めやすくなるでしょう。

一人で抱え込まない

ASDを含む発達障害の方は、二次障害として、うつ病などの精神疾患になりやすいと言われています。

理由としては、特性の影響から対人関係がうまくいかなかったり、仕事をする上でストレスを抱えてしまったりすることが挙げられます。

それを防ぐためにも、悩みを一人で抱え込まないことが大切です。主治医や支援員、家族や友達など、とにかく悩んでいることを他者に話すことが重要になります。

「病院や周りの人に話すのはハードルが高い…」と思われる方は、発達障害者支援センターや障害者就業・生活支援センターなど、地域の支援機関を頼ることも視野に入れておきましょう。さまざまなサポートが受けられるので、苦手なことに対してのアドバイスや適切な支援を教えてもらえる可能性もあります。

詳しくは下記の記事でも詳しく解説しています。興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ|ASDの苦手との付き合い方と職場での対処法

  • 大人のASDの方が苦手なことはさまざまにある。特に、コミュニケーションを取ることや言葉のニュアンスを理解することが苦手な傾向が多い。他にも、集中しすぎてしまい、物事への切り替えが難しく、疲れてしまうこともある。
  • 苦手なことへの対処法として、ソーシャルスキルを取り入れたり、自分だけのマニュアルを作ったりすることが挙げられる。また、図形や文字など視覚的な情報を活用することや、職場の方に特性を伝えることも効果的。
  • ASDの方が苦手と付き合って生きていくには、自分の特性を理解することが重要。決して一人で抱え込まず、積極的に他者や支援機関を頼ろう。

いかがだったでしょうか?

ASDの特性の影響から、苦手なことがさまざまにある場合、生き辛さを感じている方も多いでしょう。特に、仕事での困りごとは周囲の方に相談しにくく、理不尽に叱られてしまったりうまくいかなかったり、ストレスがかかりやすい環境でもあります。

また、失敗体験が多くなると自己肯定感も下がってしまい、仕事をすることが億劫になってしまうこともあるでしょう。このようなことを防ぐためにも、ご自身の苦手なことや特性に対しての理解が、とても重要になってきます。

近年は、ASD当事者の方が有益な情報を発信している場合も多いので、ご自身に合った対処法を探していきましょう。少しずつでも苦手なことが改善していくかもしれません。

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