【大人の発達障がい】ADHDが片付けられない理由とは?対処法をわかりやすく解説

ADHDの方の中には、部屋の片付けができないことで困っている方がいます。

この記事を読んでいるあなたも

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「片付け始めても他のことに気が散ってしまう」
「大事なときに必要なものが見つからない…」

という経験や悩みはありませんか? 本人としては「片付けを克服したい」と思っている分、辛いですよね。

  • 片付けられないのは発達障がいが原因?
  • ADHDが片付けできない3つの理由とは?
  • ADHD向け片付けの対処法3選
  • 片付けが楽になる環境づくりのコツ3つ

について解説します。

片付けができない原因や対処法を学ぶことで、片付けのストレスが減って前向きに生活ができます。

ぜひ参考にしてみてください。

片付けられないのは発達障がいが原因?

汚部屋を片付け中の女性

発達障がいの1つであるADHD(注意欠如・多動症)は、注意や感情のコントロール、行動の抑制が難しい脳の特性があり、片付けが苦手な人が多いです。

もし、以下のようなことに心当たりがあれば、ADHDの可能性を考慮してみても良いかもしれません。

  • 片付けを始めても、すぐに他のことに気を取られてしまう
  • どこに何を片付ければ良いのか分からず、整理整頓が苦手
  • 片付けを後回しにしてしまい、物が溜まってしまう
  • 片付けたつもりでも、どこに置いたか忘れてしまう

一方、適切な対処法を知り実践することで、片付けの困難さやストレスを軽減できます。

また、片付けが苦手なことと、忘れ物をしやすいことは関連している場合もあります。以下の記事でも詳しく解説しておりますので、併せて読むことをオススメします。

ADHDが片付けできない3つの理由とは?

ADHD(注意欠如・多動症)

ADHD(注意欠如・多動症)の方が片付けられない理由は、脳の機能特性によるものが大きいと言われています。

ここではADHDの方が片付けられない具体的な理由を3つ説明します。

計画を立てるのが苦手(実行機能の困難さ)

実行機能というのは、目標を達成するために計画を立てたり、実行したり、管理したりする能力のことです。
ADHDの方は、脳の前頭前野という部分の働きに偏りがあるため、この「実行機能」に障がいが出ることがあります。

そのため、

  • 部屋を片付けようと思っても、どこから手をつければいいのか分からず、計画を立てられない
  • 物の重要度や緊急度を判断して、整理する順番を決められない
  • 片付けにどれくらいの時間がかかるか見通しを立てられない
  • 複数の情報を同時に覚えておくことが苦手で、途中で何をしていたか忘れてしまう

などが起きやすいです。

片付けが上手にできなくても自分を責める必要はなく、「ADHDの特性によって片付けが苦手なのは仕方がない」と受け入れて対策を考えることが大切になります。

注意や集中するのが苦手

ADHDの方は、注意を持続させたり、集中したりすることが苦手な方が多いです。

そのため、

  • 些細な物音や視覚的な刺激に気を取られやすい
  • 一つのことに過度に集中してしまい、他のことに注意を向けられなくなる(過集中)
  • 単調な作業に飽きやすい

などが起きやすいです。

このような場合には、静かな環境で片付けをしたり、集中力を高めるためにタイマーを使ったりして片付けをすると、スムーズに片付けを進められます。

気持ちのコントロールが苦手

ADHDの人は、感情のコントロールが苦手な傾向があります。そのため、片付けが上手くできない場合も多いです。

例えば、

  • 必要のない物を衝動的に購入してしまい、部屋に物が増えてしまう
  • 片付け中にイライラしたり、落ち込んだりしてしまい片付けが中途半端になってしまう
  • 面倒なことを後回しにする傾向があり、片付けを先延ばしにしてしまう

ことが起きやすいです。

このような傾向を少なくするには、衝動買いをしないための工夫やゲーム感覚で片付けができる環境作りが大切になります。

各特徴については、以下の記事でも詳しく解説しております。

ADHD向け片付けの対処法3選

対処法の文字ブロック

「片付けなきゃ…」と思うけど、なかなかやる気が出ない。そんな経験はありませんか? ADHDの方にとって片付けは難しいものですが、コツを知って実行すればスムーズに片付けに取り組めます。

ここでは、ADHDの方が無理なく実践できる片付け対処法を3つ紹介します。

タイマーを設定する

タイマーを設定して限られた時間内で片付けを行う方法です。

ADHDの人は外部刺激に気を取られやすく、作業の中断や過集中が起こりやすいです。 そのため、タイマーを設定して限られた時間内で片付けを行うことで、集中して片付けに取り組むことができます。

具体的な方法としては、以下のやり方を参考にしてみてください。

  1. タイマーで15分くらい設定する
  2. 片付けに取り組む
  3. タイマーがなったら一度作業を止めて、5分休憩する

このようにタイマーで作業時間や休憩時間を設定することで、集中力を保ちながら片付けができます。

また、「10分でどれだけ部屋が片付けられるか?」など、片付けにゲーム要素を入れると、やる気が出ない時でも行動に移しやすくなるのでおすすめです。

片付ける場所を1つに絞る

片付けをする際に、片付ける場所を一つに絞る方法です。

ADHDの方は計画を立て、実行するのが苦手な傾向があります。そのため、目についた場所から片付けをしたり、途中で片付けをやめてしまったりする場合も多いです。

まずは、片付ける場所を1つに絞って片付けをしてみましょう。 片付ける場所を1つに絞ることで、やるべきことが明確になり、集中して片付けに取り組むことができます。

また、片付ける場所を1つに絞ることで、片付けが成功しやすくなります。1つの場所が片付いたことで得られる達成感は、次の片付けのモチベーションにもつながります。

チェックリストを作る

片付ける場所や手順をリスト化し、終わったらチェックを入れる方法です。チェックリストを使うことで、次に何をすべきかが明確になり、迷うことなく作業を進められます。

また、タスクを完了するごとにチェックを入れることで、達成感を得られるためモチベーションも維持できます。 チェックリストはスマホのメモ帳やアプリなど、使いやすいもので構いません。

チェックリストの作成方法として、まずは大きなタスクを小さなステップに分割しましょう。

例えば、「部屋の片付け」ではなく、

  1. 机の上を片付ける
  2. 床の物を片付ける
  3. クローゼットを整理する

といった具体的なタスクに分けます。

完了したタスクはチェックするだけでなく、色ペンを使ったりシールを貼ったりすると、完了が視覚的に分かりやすくなります。 また、片付けが終わったら自分にご褒美を与えるなど、モチベーションを維持するための工夫も取り入れると良いでしょう。

チェックリストについては、アプリを使うことでより効率的になります。以下の記事で詳しく解説しておりますので、併せて読むことをオススメします。

片付けが楽になる環境づくりのコツ3つ

衣類 ラベル

片付けは時間も労力もかかる大変な作業なので、なるべく楽をしたいですよね。ADHDの方でも部屋が散らからない環境づくりを意識することで、綺麗な状態をキープできます。

ここでは、片付けが楽になる環境づくりのコツを3つご紹介します。これらのコツを取り入れて片付けの負担を減らし、快適な空間を手に入れましょう。

視覚的にわかりやすい収納にする

視覚的に分かりやすい収納にすることで、片付けを簡単にする方法です。ADHDの人は「目に見えないもの=存在しない」と認識しやすいため、収納の中に隠してしまうと存在を忘れてしまいがちです。

例えば、クローゼットの奥にしまった服や、引き出しの中の書類がどこにあるかわからなくなることはありませんか?

この対策として、

  • 透明な収納ボックスを使う
  • ラベリングして一目でわかるようにする
  • 扉のないオープン棚を使う

といった方法を取り入れると、物の管理がしやすくなります。

物を減らして増やさない努力をする

物が多ければ多いほど、片付けが大変になります。不必要なものは定期的に処分して、新しいものを購入する際は、「本当に必要なものか?」を考える必要があります。

一方で、ADHDの方は、衝動的な行動や感情のコントロールが苦手な傾向あるため、衝動買いをして物が増えてしまう場合もあるかと思います。

このような衝動買いを避けるためには、

  • 必要なものをリストアップし、それ以外は買わないようにする
  • 欲しいものを見つけてもすぐに買わずに、数日置いて本当に必要かどうかを考える
  • オンラインショッピングは衝動買いしやすいため、利用を制限する

などの工夫をして、少しずつ改善していくことが大切です。

収納ボックスを活用する

物を種類別や用途別に分類し、収納ボックスに収納する方法です。収納ボックスを活用することで、ものが散らかりづらくなります。また、必要なものがどこにあるか一目でわかるようになり、物を減らす手間や時間が減ります。

この方法は、必要な時にものが見つからないストレスを減らせるのでオススメです。

収納ボックスの活用の仕方は以下の方法を参考にしてください。

  • 部屋にある必要な物を種類別、用途別に分類する
  • 収納ボックスにラベルを貼り、中身を明記する
  • 収納ボックの置き場所を決めて収納する

使用頻度の高い物は、手の届きやすい場所に収納すると片付けの負担が減ります。

また、定期的に収納ボックスの中身を見直し、不要な物を処分すれば、ものが増えずに管理がしやすくなります。

まとめ

  • 発達障がいの1つであるADHD(注意欠如・多動症)は、脳の特性から片付けが苦手な人が多い
  • ADHDの方が片付けられないのは意志の問題ではなく、実行機能や感情のコントロールの困難さなど、脳の特性によるものが大きい
  • ADHDの方向けの片付けのコツは、タイマーを設定する、片付ける場所を1つに絞る、チェックリストを作るなど自分の特性に合わせて、続けやすいものを選ぶと良い
  • 片付けやすい環境づくりのコツとしては、 視覚的にわかりやすい収納にする、物を減らして増やさない努力をする、収納ボックスを活用する方法がある

今回ご紹介した片付けのコツや環境づくりのポイントを実践することで、ADHDの方でも上手に片付けができるようになります。

まずは、実践できそうな部分からスモールステップで始めてみましょう。

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