「読書が苦手で、仕事に影響が出ている…」
「どうやったら読書ができるようになる?」
などの疑問や不安を抱えていませんか?
ADHDの方は、その特性の影響から、読書が苦手で困っている方も多いと思います。
読書は、知識や教養を深めます。また、仕事に必要なスキルを磨くツールでもあります。
読解力が身についていないと、仕事をする上で、マニュアルを読んだり勉強をしたりすることが難しく感じてしまうこともあるでしょう。
- ADHDの方はなぜ読書が苦手なのか
- 読書が苦手だと、仕事にどのような影響が出るのか
- ADHDの方が苦手な読書を克服する方法
を詳しく解説していきます。
ADHDの方が読書を苦手とする理由はさまざまですが、自分に合った方法を見つけることができれば、苦手意識を克服できるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
ADHDの方が読書を苦手とする理由
ADHDには、「不注意」「多動性」「衝動性」の特性があります。これらの特性から、ADHDの方には、じっと座って目の前の文章に集中する読書が苦手な方が多いとされています。
場合によっては、仕事にも影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
ここからは、主に3つの特性の影響から、読書が苦手になる原因を説明していきます。
- 不注意が原因の場合
- 多動性が原因の場合
- 衝動性が原因の場合
順に見ていきましょう。
不注意が原因の場合
ADHDの方は、不注意の特性を持つ方がいます。
仕事をする上で、大切な情報が書かれている書類を読む機会は多くあり、読書が苦手だと重大なミスに繋がるリスクも高くなってしまうでしょう。
具体的には、下記のようなものがあります。
- 重要な情報を見落として、書いてある内容が理解できない
- 何回も読み飛ばしてしまう
- 読書をしていても、すぐに気が散ってしまう
不注意の特性から、本に集中したくても、さまざまなことに興味が移ってしまうので、長時間の読書が難しくなってしまいます。
そのため、読書の内容の理解に時間がかかり、苦手に感じてしまうこともあるでしょう。仕事の場では、効率が落ちてしまう可能性もあります。
多動性が原因の場合
ADHDの方は、多動性の特性を持つ方もいます。
貧乏ゆすりなど、動いていないと落ち着かない場合、読書に対して苦手意識が強くなってしまうこともあるでしょう。
具体的には、下記のようなものがあります。
- じっと座っているのが難しい
- 読書中にそわそわしてしまう
- 読書自体が苦手
多動性の特性から、座って静かに本を読むことが難しく、動き回りたくなる傾向があります。「読書をする」こと自体との相性も悪く、読書を長時間することが苦手な方も多いとされています。
衝動性が原因の場合
ADHDの方には、衝動性の特性がある方もいます。
思い立ったらすぐ行動に移してしまう特性から、仕事に関係ある勉強などをしなければいけない場合に、効率が落ちてしまうことがあるでしょう。
具体的には、下記のようなものがあります。
- 理解ができていないのに本を読み進める
- 最後まで本を読むことができない
- 読書中、衝動的に他のことを始めてしまう
衝動性の特性から、突然の衝動的な欲求にかられることがあります。そのために、読書中に他のことを始めてしまったり、最後まで読まずに放棄してしまったりする場合がありえます。
読書が苦手だと、仕事にどう影響するのか
上記では、ADHDの方が読書が苦手な原因を、特性別に解説しました。
では、ADHDで読書が苦手な場合、仕事にどのような影響が起きるのでしょうか?
ここでは、主に考えられる2つの影響を紹介していきます。
- 業務資料やマニュアルの理解不足
- 情報収集力の低下
順に見ていきましょう。
業務資料やマニュアルの理解不足
読書が苦手だと、資料やマニュアルを読んでも内容を理解できず、業務に必要な知識やスキルを習得できない可能性があります。そのため指示を間違えてしまい、ミスやトラブルの原因になってしまうこともあるでしょう。
また、
などの、悪循環に陥ってしまう根本的な原因になりうるので、読解力は仕事をする上でとても重要なことが分かります。
情報収集力の低下
さらに、文章から情報を収集できずに仕事に支障が出てしまうこともあるでしょう。
例えば、競合他社や業界の動向の情報をうまく処理できず、ビジネスチャンスを逃してしまう可能性があります。
「情報を制する者は戦いを制す」と言った言葉があるように、何事においても情報を集めることは、非常に有益な手段です。
特に、時代と共に新しい情報をどんどん収集しなければならない職種の場合、仕事についていけなくなったり、アップデートをしていくために必要な勉強をストレスに感じたりして、仕事をすること自体が億劫になってしまう場合もあるでしょう。
ADHDの方が苦手な読書を克服する方法
上記では、読書が苦手だと、仕事にどのような影響があるのかを解説してきました。
読書が苦手なままだと、仕事の困りごとも増えてしまいますよね。では、どのようにすれば、ADHDの特性があっても読書に対して苦手意識が無くなるのでしょうか?
ここでは、下記の4つの克服方法を紹介します。
- 音読をする
- メモをとりながら読書をする
- 環境を整える
- 興味のあるものを読む
順にみていきましょう。
音読をする
ADHDの方は、視覚の情報よりも聴覚の情報の処理が得意な方もいます。
その場合、音読をすると文章の理解がしやすくなることがあります。声に出して本を読むことで、音として文章を聞き取り、理解を深めることができるのです。
このことから、音読は言葉や文章を捉えるトレーニングとして非常に効果的と言えるでしょう。
また、文章を読み上げてくれるアプリや、本を朗読してくれるオーディオブックなどを使用することもオススメです。マニュアルやメモなどを読み上げてもらったり、仕事で役立つビジネス書などを耳から聞いたりすることができるので、読書と同等の効果が期待できるでしょう。
メモをしながら読書をする
ADHDの方で、多動性の特性がある方は、文字だけを追うと飽きてしまうことがあります。
メモを付箋やノートにとりながら読むことで、後から簡単に見返すことができるほか、感想などを書くことで理解が深まります。別の作業を挟むことで集中力が持続し、単調な読むだけの作業より飽きずに楽しめる可能性があるでしょう。
また、仕事をする時にメモをする習慣をつけておくと、読解力向上に繋がる場合もあります。今は様々な種類の文房具が発売されているので、お気に入りのものを見つけて、自分に合った方法を探していくのもいいですね。
環境を整える
ADHDの方は、周囲の環境からの刺激を受けやすいので、気になることが多いと集中できなくなってしまいます。よって、静かで集中しやすい環境を整えることで、読書に集中できる可能性があります。
仕事においても、事前に周囲に事情を説明し、文章を読むときはオフィス内の個室や集中できるスペースを使用すると、内容の理解が深まります。
移動が難しい場合は、イヤーマフやカーテン、パーテーションなどの利用を相談し、集中できる職場環境を積極的に作っていきましょう。
興味のあるジャンルの本を読む
読書が苦手なADHDの方は、まずは読書に慣れる必要があります。
ただし、苦痛になってしまうのは良くありません。その際は、自分の興味のあるジャンルを選んでみましょう。好きな作家の小説や漫画などから、読書に慣れることをオススメします。
特に、漫画は絵からの情報が大部分を占めているので頭に入りやすく、文章を読む作業に慣れるトレーニングにもなります。
また、電子書籍を利用すれば、好きな本を手軽に購入できます。小説の場合、背景や文字の大きさを自分で変えられるので、読書をするハードルはより低くなります。
「読書がしたいけど、うまくいかない…」という方は、少しずつでも読書をする習慣をつけていくことが、とても大切になります。
まずは、日常的に読書をする習慣をつけて、仕事でも活かしていけるようにしましょう。
まとめ|ADHDと読書
- ADHDの方は「注意欠如」「多動性」「衝動性」の3つの特性をもち、その影響から読書が苦手と感じる人が多い。
- 読書が苦手だと、仕事をする際に業務資料やマニュアルの理解不足につながってしまったり、情報収集能力の低下などに影響してしまったりして、困りごとが増えてしまう。
- ADHDの方が苦手な読書を克服する方法は、音読をして聴覚から情報を得ることや、メモをとって行動に変化をつけることなどがある。他にも、集中できる環境を整えたり、まずは興味のある本を読むことから読書習慣をつけてみたりすることが挙げられる。
いかがだったでしょうか。
ADHDの方は、たとえ読書が苦手であっても、工夫次第で十分に克服していけます。
ご自身に合った方法を探して読書に対しての苦手意識をなくし、仕事でも活用していけるようにしましょう。
この記事が参考になりましたら幸いです。
ADHDについては、下記の記事でも詳しく解説しています。興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。