あなたは、

「そろそろ仕事復帰したいけど体調に波があり、不安…」
と思っていませんか?
うつ病で休職中の方に向けて、
- うつ病の回復期について
- うつ病の回復期の過ごし方
- うつ病の回復期の波がつらい時の対処法
- 仕事復帰はいつ考えるのか
- うつ病の回復期の方でも利用できる就労支援機関
について詳しく解説していきます。
うつ病の回復期とは?
回復期とは、うつ病の症状が少しずつ改善してくる時期を指します。回復期を正しく理解し適切に過ごすことが、再発防止と社会復帰のために重要になります。
以下では、うつ病の回復過程全体の中での回復期の位置付けや、回復期に見られる心身の特徴を解説していきます。
うつ病の3段階の回復過程
うつ病の回復過程は、一般的に「急性期」「回復期」「再発予防期」という3つの段階を経て進んでいきます。
気力や体力が戻り始めるため、趣味・外出・仕事などの活動意欲が向上します。一方、症状はまだ不安定で気分の波が見られるため、無理は禁物な時期です。
再発を防ぐために、治療を継続しつつストレス対処法を身につけたり、生活習慣を整えたりすることが重要になってきます。
うつ病回復期に見られる主な特徴
うつ病回復期は、症状が波のように上下し、一進一退を続けながら少しずつ回復に向かっていく時期です。「体調が良い」と感じる日は増えますが、万全な状態ではないことに注意が必要です。
うつ病回復期に見られる主な特徴は、以下の通りです。
- 日によっても、1日の中でも、気分や体調の波がある
- とにかく眠い時がある(半日以上眠ってしまう日もある)
- 意欲が湧いて行動するも、すぐ疲れてしまう
- 「このままではいけない」「何かしなくては」などの焦りを感じる
- 何もしたくない・やる気が出ない時がある
回復期には、急にうつ病の症状が強まったり体調不良が起きたりする場合もあるため、何もしたくない・やる気が出ないなどに悩むことがあります。回復期の特徴を理解して、焦らずに治療を進めていくことが大切です。
回復期には症状の波がある!オススメの過ごし方3選
うつ病の回復期は症状が落ち着いてくるため、「もう治ったかも?」と勘違いしやすい時期です。そこで、つい無理をしてうつ病の症状が悪化することは珍しくありません。
以下では、回復期に無理せずに過ごすためのポイントを3つ解説していきます。
薬は自己判断でやめず、しっかり服薬する
うつ病回復期になると、「毎日服薬するのが面倒」「薬を減らしても良いのでは?」と考える人は少なくありません。
ですが、自己判断で薬を辞めたり減らしたりするのは、うつ病の悪化や再発の恐れがあり危険です。回復期であっても、医師の指示に従い決められた量を服薬することが大切です。
どうしても「薬が合わない」「量を減らしたい」と思った時は、必ず主治医に相談しましょう。
適度に活動を再開する
うつ病回復期は、調子が良い時でも、無理のない範囲で適度に活動することが大切です。
例えば、
- 軽い散歩やストレッチ
- 趣味の活動を再開する
など、心地よいと感じられる程度の活動から取り組んでいきましょう。
疲れたら休息を取ることを心がけながら、少しずつ活動量を増やしたり、新しい事に挑戦したりするのもおすすめです。回復期は、適度な活動と休息のバランス維持が大切です。
気分や体調の変化を受け入れる
うつ病回復期は、気分や体調に波があるのが自然な状態です。この波は、心身のエネルギーがまだ十分に回復していない状態で、活動やストレスに対する耐性が不安定であるため起こります。
という状況は回復期によくあることなので、うつ病の症状が酷いと思ったら「今日はそういう波の日だ」と割り切って休養に専念しましょう。
回復期の特徴を理解し、日々の気分や体調の変化を受け入れて、適切な対応を取ることが大切です。
回復期の波が辛い時の対処法6選
うつ病の回復期には、気分や体調の波があるのは先述の通りです。
しかし、この不調の波を理解していても、回復期は、
「またうつ病が悪化したのでは?いつになったら元通りになるのだろうか……」
このような悩みを抱えやすくなります。これは、活動意欲・体力・思考力がある程度回復しているからこそ起こる症状です。
回復期の波が辛い時にできる対処法は、主に以下の6つとなります。
- 無理せず休む
- 好きな音楽を聴く
- 深呼吸をしてみる
- 今の気持ちを吐き出してみる
- 自分を責めず焦らない気持ちを持つ
- 主治医に相談する
順番に解説します。
無理せず休む
不調の波を感じた時は自分を責めず、意識的に心身を休めることが大切です。ここで、無理をして活動したり元気を出そうとしたりすると、かえってエネルギーを消耗して不調が長引く原因になります。
「今日は不調だな」という感覚は、うつ病が回復しつつあるからこそ感じられるものです。回復期特有の症状だと割り切り、無理をせず休むよう心がけましょう。
好きな音楽を聴く
「音楽」には、人の心と体を癒す力があります。
例えば、
- アップテンポの音楽からはエネルギーを得られるため、気分が明るくなる
- 優しくゆったりとした音楽は、不安や緊張を和らげてくれる
といった効果があるのです。また、雨・風・鳥の鳴き声などの「自然音」には高いリラックス効果があり、ストレス解消用のBGMとしてYouTubeなどに様々な動画が公開されています。
うつ病の方は、静かすぎる空間よりも適度な音があった方がリラックスできる場合があります。軽い気持ちで、その時々の気分にあった音楽を流してみてはいかがでしょうか。
深呼吸をしてみる
ネガティブな感情にとらわれて、心が苦しくなった時は深呼吸をしてみましょう。
人は不安になったり恐怖を感じたりすると、無意識のうちに呼吸が浅くなり、体に余分な力が入ります。そのような時は、「鼻からゆっくり空気を吸い込み、口からゆっくり吐き出す」というリズムで深呼吸をすると、余分な力が抜け体がリラックスします。
今の気持ちを吐き出してみる
不安や落ち込みが強い時は、気持ちを自分の中に溜め込んだままにしておくと、余計に辛さが増してしまいます。そのため、今の自分の感情を紙に書き出したり、声に出したりして外に出すことを意識してみましょう。そうすることで、気持ちの整理ができるため、スッキリした気分になれます。
また、紙に書き出せば、後からその時の感情を見返すことができます。感情を目に見える形で記録すると、「自分の感情の波」や「考え方の癖」などにも気づきやすくなるため、自己理解を深める手段としても効果的です。
自分を責めず焦らない気持ちを持つ
うつ病は病気の性質上、自分を責めてしまう傾向にあります。
特に、うつ病の回復期では気分の浮き沈みがあるため自己肯定感が低下しやすく、「自分はダメな人だ……」と思い込みやすくなるのです。うつ病は、発症すると仕事や日常生活に大きな支障をきたす、深刻な病気です。
そのため、
「今はそういう時期だから大丈夫」
という視点を忘れないようにしましょう。このような認識は、決して「現実逃避」や「甘え」ではありません。自分を責めたり焦ったりせず、自分に優しくしてあげましょう。先述した対処法を試したり、自分にあったストレス解消法を探したりするのもオススメです。
主治医に相談する
気分の落ち込みが数日以上続いており辛い場合は、1人で抱え込まず主治医に相談することが重要です。
主治医は、あなたの症状をよく知る理解者になります。気分の落ち込みが「回復期の波に原因があるのか?」「それ以外の要因があるのか?」を判断して、治療方針の見直しなどの適切な対応をしてくれます。気分の波がひどく、日常生活に支障をきたす場合は一度、ためらわず主治医に相談しましょう。
仕事復帰を考えるタイミングと事前準備について
うつ病の回復期に入ると、「そろそろ仕事に復帰できるかもしれない」と考えることがありますよね。
しかし、焦って社会復帰のタイミングを見誤ると、うつ病の再発や悪化などに繋がり大変危険です。ここでは、仕事復帰を考える適切なタイミングや、焦らずに少しずつ準備できることを解説していきます。
主治医との相談が何よりも重要!自己判断は避ける
仕事復帰のタイミングや進め方は、主治医と相談して、その指示に従うことが大切です。
主治医は、あなたのうつ病の治療経過を把握しているため、
- 体調は安定しているか?
- もう少し治療に専念するべきか?
- 仕事復帰に向けて何から取り組んでいくべきか?
などを判断してくれます。
焦る時期ではありますが、安心して仕事に復帰するためにも、自己判断をせず主治医の指示に従いましょう。
仕事復帰に向けて少しずつ準備できること
回復期に仕事復帰を目指す場合、日常生活の中で徐々に仕事に近い生活習慣や活動を取り入れていくのが効果的です。休職期間中に乱れがちな生活リズムを整え、働くイメージを明確にしておけば、仕事復帰した後のうつ病の再発予防にも繋がります。
主治医の指示に従いながら、以下のようなことに取り組んでいきましょう。
生活リズムの調整
仕事復帰の第一歩として、生活リズムを整えていくことが大切です。
まずは、
- 毎日同じ時間に就寝・起床する
- 食事や入浴の時間を決めておく
などの取り組みから始めてみましょう。
また、日中の「本来は仕事をしている時間帯」には、家事や外出などの活動を意識的に取り入れるのも効果的です。
体力をつける
体力づくりはうつ病の改善や予防にも効果的です。
まずは、無理のない範囲での軽い運動を習慣にしましょう。散歩やストレッチだけでなく、掃除や洗濯などの家事も良い運動になります。運動は、体力向上だけでなく、気分転換や睡眠の質改善などにも繋がります。
また、少し体力が戻ってきたら、実際の通勤時間に合わせて職場近くなど、通勤のシミュレーションをしておくと、安心して仕事復帰できるでしょう。
うつ病で休職中に利用できる就労支援サポート4つ
あなたは
と、一人で悩んでいませんか?
うつ病回復期の方でも、仕事復帰や再就職のサポートをしてくれる就労支援はたくさんあります。ここではうつ病回復期の方も利用できる就労支援サポートを4つご紹介します。
適切なアドバイスや支援を受け、不安なく仕事に復帰するためにも、ぜひご参考ください。
リワーク
リワークとは、うつ病などの精神疾患で休職している方を対象とした、復職支援プログラムです。医療機関・地域の障がい者就業センター・企業内の産業保健部門などで実施されています。
リワークの支援は、
- 集団活動を通して社会的スキルを向上
- 復職後のストレス管理スキルの向上
- 作業を通して働く感覚を取り戻すこと
などの活動内容が中心です。リワークは、復職に向けたリハビリを行う場なので、「いきなり職場に戻るのは不安」という方にオススメの支援です。
ハローワークの障がい者専門窓口
ハローワークには、うつ病などの精神疾患がある方に向けて専門的な就職支援を行う、障がい者専門窓口が設置されています。
うつ病などの病気を発症すると、これまでとは就職活動の進め方が異なる場合があります。
そのような時に、専門的な知識のある担当者が、
- うつ病の人でも働きやすい仕事や障がい者求人の情報提供
- うつ病であることを踏まえた履歴書の作成や面接対策
- 就職後の職場定着支援の実施
などの相談に乗ってくれるのです。うつ病の方が転職や再就職を希望する場合は、幅広いサポートを受けられます。
支援内容等の詳細は、以下の記事で紹介しております。
障がい者就業・生活支援センター
障がい者就業・生活支援センターとは、精神疾患を持つ方が就職して、長期間安定して働くための支援を実施している機関です。
ここでは、先述しているリワークのほか、
- 生活全般の相談支援
- 安定した就労生活を送るために必要な社会福祉制度の紹介
- 就職後の職場定着や問題解決を助けてくれる「ジョブコーチ支援」
などの支援が実施されています。就労支援だけにとどまらず、生活面の支援も受けられるため、気軽に相談できる場所です。
詳しくは、以下の記事でで解説しております。
就労移行支援
就労移行支援事業所とは、一般企業への就職を目指す障がい者を対象とした就労支援です。
キャリア相談・面接対策・履歴書添削など、一般的な就職支援はもちろんのこと、
- 就職する上で必要な知識やスキルの習得サポート
- 職場実習や就労体験の機会の提供
などの支援も実施されています。
様々な就労移行事業所がありますので、詳しくは以下の記事で解説しております。
まとめ
- 回復期とは、うつ病のピークが過ぎて、症状が少しずつ改善してくる時期を指す。
- うつ病回復期の主な特徴は「気分や体調の波がある」「とにかく眠い時がある」「意欲が湧き行動するが、すぐに疲れてしまう」「焦りを感じる」「何もしたくない時がある」などが挙げられる。
- 回復期の適切な過ごし方として「服薬を自己判断でやめない」「適度な活動と休息のバランス」「気分や体調の変化に気づく」ことが大切。
- 回復期が辛い時は「無理せず休む」「音楽を聴く」「深呼吸してみる」「今の気持ちを吐き出してみる」「自分を責めない・焦らない」を実践してみる。
- 仕事復帰を考える時は、自己判断はせず主治医の指示と相談しながら、段階的に進めていくことが大切。
- うつ病で休職中の方は、「リワーク」「ハローワーク」「障害者就業・生活支援センター」「就労移行支援」などの就労支援を利用できる。
うつ病の回復期は焦らずに、自分の状態と向き合っていくことが大切です。
気分や体調の波があることを理解し、上手に付き合っていくことで、無理なく仕事復帰へと進めます。無理せず、あなたのペースで回復期を乗り越えていきましょう。
休息期間中の過ごし方については、以下の記事でも詳しく解説しております。
この記事が、あなたの不安解消に繋がりましたら幸いです。