「見学では何をするの?」
「事業所が自分に合うか心配……。」
と疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
- 事業所見学の流れ
- 見学時の服装・持ち物
- 見学でチェックするポイント
について解説します。
就労継続支援事業所について
就労継続支援は、障害者総合支援法に基づいて行われる福祉サービスの一つです。
就労継続支援事業所では、障がいや難病により一般企業での就労が困難な方に、就労の機会の提供と就労に必要な知識・能力の向上のために必要な訓練等の支援を行います。
就労継続支援事業所には、雇用契約を結んで利用する「A型事業所」と雇用契約を結ばずに利用する「B型事業所」の2種類があります。A型事業所を利用できるのは原則65歳未満までですが、B型事業所には年齢制限がないので年齢に関係なく利用できます。
就労継続支援事業所の見学・体験をしてみよう
就労継続支援事業所では、利用を検討している方に向けて事業所内や作業中の様子を紹介したり、実際に作業を体験できる「見学」「体験」を実施しているところが多くあります。
ホームページやパンフレットだけでは事業所の雰囲気や職員・利用者の方の印象まではわかりません。自分に合った事業所を見極めるためにも見学や体験利用がおすすめです。
見学はご家族等の同行も可能!
「見学してみようかな」と思っても、慣れない場所に行ったり、初対面の人と話すことに不安や緊張を感じる方もいらっしゃるかと思います。
見学は、ご家族や支援員に同行してもらうこともできます。見学を申し込む際に、あらかじめ同行者がいることを伝えておきましょう。
就労継続支援事業所については、以下の記事でも詳しく解説しております。
就労継続支援事業所を見学する流れ
事業所の見学は次のような流れで進みます。
見学にかかる時間は、30分~1時間ほどです。
- 電話またはインターネットから見学申し込み
- 決定した日時に事業所を訪問
- 事業所内の見学
- 事業所内を見学後、職員と面談
ステップ1|電話またはインターネットから見学申し込み
気になる事業所を見つけたら電話もしくはインターネットで見学申し込みを行います。電話が苦手な方は、インターネットから申し込んでみましょう。
申し込みの際には、次のような質問をされます。
見学日時は事業所側の都合もあるので、候補日を複数考えておきましょう。
希望する方には、見学前に事業所パンフレットを送付してくれるところもあります。
ステップ2|決定した日時に事業所を訪問
決定した日時に事業所を訪問します。事業所に入ったら「○時に見学を予約しております○○です」と伝えると案内してもらえます。
遅刻はもちろん、早く着きすぎるのも相手方の迷惑となることがあるので、5分~10分ほど前に到着できるよう時間を調整して訪問しましょう。
遅刻しそうなときは、早めに連絡するようにします。すぐに連絡がとれるように事業所の連絡先が確認できるものを用意しておきましょう。
ステップ3|事業所内の見学
事業所職員から就労継続支援制度の説明や事業所の特徴、作業内容等について説明があります。説明の後、事業所内を案内してくれます。
実際に事業所で働く姿をイメージしながら事業所内を見学してみましょう。
ステップ4|事業所内を見学後、職員と面談
事業所内の見学が終わると、面談が行われます。面談では、現在の状況や希望等について軽くヒアリングされます。また、質問がある場合はこの時間を使って聞くことができます。
事業所について知ることができるチャンスなので、気になることがあれば何でも聞いてみましょう。見学時に聞くことができなくても、質問があればいつでも対応してもらえます。
事業所の作業内容や雰囲気は様々なので、複数の事業所を見学して比較することをおすすめします。
就労継続支援事業所を見学した後の流れは?
事業所の見学後は、希望する方に体験利用や面接が行われます。見学して「利用してみたいな」と思ったら、体験利用や面接に進んでみてください。
見学した後の流れは、A型事業所とB型事業所で異なります。
A型事業所では面接があります。就労継続支援事業所が募集している求人への応募はハローワークから行うことがほとんどです。面接時に履歴書や職務経歴書が必要になるので、準備しておきましょう。
事業所によっては、入社前に体験期間があるところもあります。
B型事業所では面接はありません。利用を決めたら「利用の意思」を事業所に伝えます。B型でも正式な利用前に、体験利用を実施している事業所があります。
見学当日に作業体験も行いたいという方は、事前に事業所に相談しておきましょう。
見学時の服装と持ち物は?
ここでは、見学時の服装と持ち物について確認していきましょう。
どんな服装で行ったらいいの?
見学時の服装は、私服でOKです。私服で問題ありませんが、派手な色やデザイン、個性的すぎる服装は避け、シンプルで清潔感のある服装を心がけましょう。
見学当日に作業体験も行う場合には、事業所から動きやすい服装等の指定があることもあります。これから通所するかもしれない事業所なので、できるだけ良い印象を持ってもらえるよう身だしなみや服装のほか、あいさつや言葉遣いにも気を配りましょう。
必要な持ち物はあるの?
見学時の持ち物は、事業所から指定がなければ特に必要ありません。メモを取りたいという方は、筆記用具とメモ帳を持っていきましょう。パンフレット等の資料を渡されることがあるので、A4サイズの書類が入るクリアファイルとかばん・リュックを持っていくことをおすすめします。
見学時の服装、持ち物が心配な方は、申し込み時に確認しておきましょう。
就労継続支援事業所の見学時にチェックする5つのポイント
ここからは、見学時にチェックするポイントについて紹介します。見学することで得られる情報はたくさんあるので、ホームページやパンフレットだけではわからなかった情報も判断材料にしていきましょう。
事業所の雰囲気
毎日通所するところなので、事業所の雰囲気が自分に合っているかを確認することは非常に大切です。
アットホームや落ち着いた雰囲気など、どんな雰囲気の事業所が合うかは人それぞれなので、「居心地が良い」と感じるかどうかを基準に判断してみてください。
事業所の雰囲気は
に注目してみるとわかりやすいです。
見学では利用者の方と接する機会は少ないと思いますので、職員に「作業中や休憩時間の雰囲気」「利用者間のコミュニケーションはどの程度あるか」等を質問してみると普段の様子や雰囲気を知ることができます。
事業所の設備・環境
雰囲気だけではなく、事業所内の快適さや清潔さも気になりますよね。事業所内はきれいに整理整頓されているか、掃除は行き届いているか等、快適に働けそうな環境が整っているかどうかもチェックしておきましょう。
また、事業所の設備や作業環境は障害特性に配慮されているかも確かめておきましょう。
事業所への通いやすさ
事業所への通いやすさも、継続して通所するための重要なポイントです。見学に行く際に、通所する実際のルートや通所にかかる時間を確認してみましょう。
遠くの事業所を選ぶと通所するだけで疲れてしまい、仕事に集中するのが難しくなってしまうこともあります。
また、交通費の負担がどれくらいあるのかも確認するポイントです。A型事業所では交通費が支給されるところもありますが、B型事業所では原則支給されません。交通費の負担が大きいと手元に残るお金が少なくなってしまいます。
自宅から距離があるという方は、交通費の補助制度や送迎サービスがあるか聞いてみましょう。
職員との相性
職員との相性が良くないと通所するのが辛く感じることもあります。見学時に話しやすいか、話をしっかり聞いてくれるか、利用者の方への接し方を確認しておきましょう。
職員は、就労面だけでなく生活面の困りごとの相談に乗ることもあります。悩みや不安を抱えていても、誰かに相談するのはなかなかハードルが高いものです。そんなとき職員が穏やかに優しく接してくれると安心できますよね。
職員との信頼関係が築いていけそうかも大切なポイントになります。
就職実績
将来的に一般就労を考えている方は、就職実績や就労移行支援への移行率を聞いてみましょう。支援のノウハウが豊富にある事業所の場合、就職活動時も安心して相談できますし、的確なアドバイスが受けられます。
将来はこういう仕事がしてみたいという希望がある場合は、作業を通じて一般就労に必要なスキルが身につけられそうか聞いてみるのもひとつです。
作業を通じてスキルを磨くことができれば、応募先企業への自己アピールに役立ちます。
就労継続支援事業所の見学に行く前に準備しておくこと
見学に行く前に、ホームページやパンフレットで事業所の基本的な情報を確認しておきましょう。相談支援事業所等に支援を依頼されている方は、支援員に事業所の口コミを聞いてみるのもいいかもしれません。
基本情報を把握したら、質問したいことや相談したいことをまとめておくと、質問がスムーズにできます。また、当日慌てないように事業所までのルートも確認しておきましょう。
まとめ|就労継続支援事業所の見学
ここまで、就労継続支援事業所の見学について、見学で確認するポイントを解説してきました。
- 見学はご家族等の同行も可能
- 見学時の服装は私服でOK!心配な方は申し込み時に確認しましょう
- 見学では、事業所の雰囲気や作業環境等を確認して自分に合った事業所を見極める
- 質問や相談したいことは見学前にまとめておく
見学に行くのは緊張するかもしれませんが、リラックスして臨んでもらえれば大丈夫です。
まずは見学だけという方も多いので、気軽に見学の申し込みをしてみましょう。