HSPの同僚に絶対言ってはいけない5つの言葉|職場での接し方も解説

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは、生まれつき感受性が強く、刺激を受けやすい、敏感な人のことを指します。

HSPは「傷つきやすい」「内気」「繊細」などのイメージで広く知られつつありますが、全人口の15~20%にあたる、5人に1人がHSPであるというデータがあり、HSPの性質を持った方は多く存在しています。

職場の同僚がHSPだという方もいると思いますが、繊細さゆえに付き合い方が難しい場合もあり、

KAORUKO

「心の距離を感じるけど、接し方がよくわからないなぁ…」
「傷つきやすいHSPの人に、言ってはいけない言葉ってあるのかな?」

などと悩んでいるのではないでしょうか?

そのようなHSPの同僚への接し方に悩んでいる方へ、

  • HSPの特徴や性質
  • HSPの方に言ってはいけない言葉
  • HSPの同僚との接し方

について説明していきます。

HSPの特徴や性質とは?

HSP ハイリー・センシティブ・パーソン

HSPとは、先天的に環境による影響を受けやすい人のことを指します。誰でも環境の影響を受けて生活していますが、感受性の強さによっては、生きづらさを感じてしまう方もいます。

HSPを提唱した、米国の心理学者、エレイン・N・アーロン博士によると、HSPの方には、次の4つの特徴があるとされています。

  1. 物事について深く考えて処理をする
  2. 敏感で過剰に刺激を受けやすい
  3. 感情の反応が強く共感力が高い
  4. 感覚が鋭く些細な刺激を察知する

順に解説いたします。

物事について深く考えて処理をする

HSPの方は、簡単に結論の出るような事柄でも、時間をかけて深く考える性質があります。

頼みごとをしたときなど、すぐに動いてくれず、行動が遅く感じるられる場合もありますが、仕入れた情報に対してじっくりと考えて答えを出してからでないと、なかなか行動に移ることができないという面があります。

敏感で過剰に刺激を受けやすい

HSPの方は、五感が敏感で、光のまぶしさ、物音、味やにおい、服などの肌に身につけるものの感覚などによって、過剰な刺激を受けてしまう傾向にあります。

また、人の感情や電磁波など、目には見えないエネルギーにも影響されやすいため、人一倍疲れやすいことも特徴です。

感情の反応が強く共感力が高い

HSPの方は、他人との心の境界線が薄いため、相手の感情による影響を受けやすく、対人関係に疲れやすくなる傾向にあります。

人が怒られているのを見て、自分も怒られているように感じて、傷ついたり、人の気持ちに深く共感したりして、自分の気持ちが分からなくなってしまうこともあります。

感覚が鋭く些細な刺激を察知する

HSPの人は、周りの人が気づかないような細かい刺激に対して敏感に反応する傾向があります。

冷蔵庫などの機械音や、かすかな柔軟剤の匂い、カフェイン、添加物に反応するほか、第六感が優れているという方もいます。

無意識のまま刺激を受け取りすぎてしまうため、感覚が疲れてエネルギーを消耗してしまいます。

HSPの人に言ってはいけない5つの言葉

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HSPの方は、非常に感受性が強く、相手の言葉に影響を受けやすい繊細な性質であるため、傷つけることがないように、言葉をかける際には注意が必要です。

職場でも、HSPの同僚が、相手の言葉によって落ち込んでしまったという場面があったかもしれませんね。

今回は、HSPの性質から考えた、言ってはいけない言葉を5種類紹介します。

  1. 感覚を否定する言葉
  2. 急かす言葉
  3. 耐えるように提案する言葉
  4. 無理に励ます言葉
  5. 病気だと決めつける言葉

順に解説いたします。

感覚を否定する言葉:「神経質すぎるんじゃない?」など

  • 「神経質すぎるんじゃない?」
  • 「気にしすぎだよ。」
  • 「普通は○○○○だよ。」
  • HSPの方は、感覚が鋭いため、職場の光の眩しさや、音などに過剰な刺激を感じて、苦痛を訴えることがあります。

    周りからは神経質に感じられるかもしれませんが、人の感覚によっては耐えられない場合もあるため、環境の改善策がないか、話し合ってみるとよいでしょう。

    「気にしすぎだ」という否定や、「普通は○○だ」などと対比されるとネガティブな意味合いで受け取られやすいため、周りの感覚と比較するのではなく、人によってさまざまな感じ方があるのだとコミュニケーションをとることが必要です。

    急かす言葉:「もっと早くしてよ」など

  • 「もっと早くしてよ」
  • 「言っていること理解できてる?」
  • 「なんでそんなに時間がかかるの?」
  • HSPの方は、物事について深く考えて処理をするため、作業を依頼されるとすぐには行動に移らず、自分の納得する方法が見つかるまで考えを練ってから作業に入ります。

    人が発言した意図まで考える傾向があるため、考えている最中に、急かされたり、理解しているかを確認されたりすると、考えがまとまらなくなってしまいます。少し時間がかかっているように見えたとしても、今は考え中だと思ってそっとしておくのがよいでしょう。

    耐えるように提案する言葉:「気にしなくていいと思う」など

  • 「気にしなくていいと思うよ」
  • 「徐々に慣れるからいいよ」
  • 「それくらい大丈夫じゃない?」
  • HSPの方があなたに対して困りごとや心配ごとを相談してくる際もあるでしょう。

    相談される困りごとは、大きな問題には見えない場合もありますが、感覚の過敏さや感受性の強さから、本人は耐えられずに困っているという状況なので、相談を受けた場合は、「気にしなくていいと思うよ」などと流してしまわず、繊細なとらえ方をするのだと認めたうえで改善策をアドバイスするとよいでしょう。

    無理に励ます言葉:「もっと強くなるべきだ」など

  • 「もっと強くなるべきだ」
  • 「○○するべきだよ」
  • 「成長しないといけないよ」
  • HSPの方は、生まれつき感受性が強くて繊細ですが、弱い人間ではありません。

    現在の社会では、環境による刺激に反応することなく、タフに生きられる人間に価値があると思われる傾向がありますが、生まれつきの性質を無視した「強くなるべき」というアドバイスは、HSPの方には適していないと言えるでしょう。

    また、アドバイスをするときは、「○○するべき」と意見を押し付けるのではなく、本人のためになると思うことがあれば、そっと「私ならこうするよ」と教える程度がよいでしょう。

    病気だと決めつける言葉:「治療が必要だね」など

  • 「治療が必要だね」
  • 「薬を飲んだ方がいいよ」
  • 「病院へ行くべきだと思う」
  • HSPの方は、周りからの刺激を過度に受けやすく繊細ですが、これらは生まれ持った気質であり、疾患や病気として診断されるものではありません。

    中には、HSPであるために気分の落ち込みなどから、うつ病や不安障害などの精神的な疾患になる傾向が高く、治療をする方もいますが、本人が望んでいないのに周りから治療を勧められるというのは、HSPの方にとっては非常に辛いことです。

    感受性が高いことを病気だと決めつけず、繊細な気質を持っているのだと理解してあげるのがよいでしょう。

    もし、うつ病など、精神的な疾患があることを相談された場合、精神科でのリハビリテーションが可能な場合があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

    HSPの職場の同僚にはどう接したらいい?

    好き

    上記の事から、HSPの同僚とどのように関わったらよいのか悩んでいる、という方もいるかもしれませんね。

    HSPの方は、繊細で傷つきやすい性質とはいっても、職場で孤立していたいわけではなく、穏やかに、平和的に人と関わりたいという気持ちをもっています。

    これからお伝えする、接し方、話し方のポイントを参考にして、お互いに気持ちのよい関係が築けるようにしてみてください。

    感情的にならず、穏やかに話そう

    HSPの方は、感情的な表情や言葉にとても敏感に反応するため、話すときは穏やかで丁寧な口調を心がけましょう。

    話すときの相手の表情が険しかったり、口調が厳しかったりすると、相手が発する怒りの刺激を受けすぎて、圧倒されてしまい、調子を崩すことがあります。

    できるだけ感情的にならず、穏やかなコミュニケーションをとるようにしてみましょう。

    プライベートすぎる悩みを話すのは避けよう

    HSPの方は、他人との心の境界線が薄く、共感力が強いという性質があるため、プライベートな悩みを話されると、心が苦しくなる場合があります。

    聞き上手なため、話を遮ることもなく最後まで聞いてくれるのですが、話の内容によっては感情が激しく乱れたり傷ついたりして、その感情を何日も引きずってしまうことも少なくありません。

    深刻なプライベートの悩みは、できるだけ避けておいた方がよいでしょう。

    疲れているときはそっとしておこう

    疲れているのかな?と感じた時は、無理に話しかけず、そっとしておいてもらえると、HSPの方は心が落ち着きます。

    普段からとても親しい間柄でも、長時間関わっていると疲れてしまうのがHSPの特徴なので、一人になれる時間や、程よい距離があると安心できるのです。

    調子が悪そうなときは、「大丈夫?」と一声かけてあげると、気にかけてくれているのだなと温かい気持ちが伝わります。

    うれしくなる言葉をかけよう

    HSPの方は、感受性が強いため、「感謝の言葉」や「誉め言葉」など、気持ちが明るくなる言葉に反応し、喜びを感じます。その中でも特に、HSPの気質について感謝されたり、評価を受けたりする言葉を嬉しく感じます。

    • 「優しいね」
    • 「話が面白いよね」
    • 「センスがいいよね!」

    など、HSPの繊細で穏やかな性格や、独特の視点のするどさ、個性、頑張りなどが評価されることが、とても嬉しいのです。

    まとめ|HSPの人に言ってはいけない言葉

    • HSPの方は感受性が強く敏感で、相手の感情を読み取る能力が長けているため、人間関係で疲れやすいが、決して孤立したいわけではなく、平和的に穏やかに人と関わりたいと思っている。
    • HSPの性質を理解せずに「敏感な感覚を否定」「行動を急かす」「苦痛に耐えさせる」「無理に励ます」「治療を勧める」といった対応をするのはやめよう。
    • HSPの方と接するときは、「感情的にならずに穏やかに話す」「疲れているときはそっとしておく」「気持ちが明るくなる言葉をかける」などに配慮すると、よい関係を築くことができる。
    • HSPの方は他人との心の境界線が薄く相手の感情の影響を受けやすいので、プライベートの深刻な悩みを持ちかけるのは、本人以上に苦しくさせる可能性があるため、避けた方がよい。

    いかがでしたか?HSPの方は、心の距離が少し遠く感じられるかもしれませんが、穏やかな気持ちで接していくことで、よりよい関係を築くことができます。

    今回お伝えした、「HSPの人に言ってはいけない言葉」に配慮しながら、温かいコミュニケーションを心掛けていきましょう。

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