ADHDはプログラマーに向いてない?プログラミングを仕事にする方法を解説!

ADHDを持ちながらプログラマーとして活躍している方の話を聞いて、「自分も特性を活かしてプログラマーになりたい!」と考えるADHDの方は少なくないでしょう。

しかしながら、ネット上には「ADHDはプログラマーに向いていない」という情報も散見されます。

KAORUKO

「ADHDはプログラマーに向いていないというのは本当?」
「ADHDの人はプログラミングが苦手なの?」
「プログラマーになりたいけどADHDだと難しいのかな?」

という不安を抱く方もいるかもしれません。

実際に、ADHDでもプログラマーとして活躍している方がいることは確かです。

では、どうして「ADHDはプログラマーに向いていない」と言われることがあるのでしょうか。そして、どうすればADHDの特性を活かしてプログラマーになることができるのでしょうか。

  • ADHDはプログラマーに向いていないのか
  • ADHDがプログラマーに向いている可能性がある理由
  • ADHDがプログラマーに向いていない可能性がある理由
  • プログラミングを扱う仕事の種類
  • ADHDの方がプログラミングを仕事にする方法

を解説していきます。

この記事が、プログラマーを目指すための一歩を踏み出すきっかけになりましたら幸いです。

ADHDはプログラマーに本当に向いてない?

キーボードを打つ 明るいイメージ

インターネットで「ADHD プログラマー」「ADHD プログラミング」と検索すると、検索サジェストで「向いていない」「苦手」と出てくるのは確かです。検索結果に出てきた記事のタイトルでも、同じような言葉がよく見られます。

では、本当にADHDの方はプログラマーに向いていないのでしょうか?

それを知るためにも、まずはプログラマーがどのような仕事であるかを知るところから始めていきましょう。

プログラマーとは

プログラマーとは、コンピュータを動かす「プログラミング言語」を使って、さまざまなシステムやソフトウェア、アプリケーションのプログラムを作る「プログラミング」を行う職業です。

基本的な仕事の流れは、システムエンジニアと呼ばれる方たちが設計したシステムやソフトウェアなどに基づいてプログラミングを行う、という形になります。

プログラマーになるためにはプログラミングスキルが欠かせません。プログラミングを学ぶときは、一つのプログラミング言語の習得から始めていき、徐々に多数の言語へ学習の幅を広げていくことになるでしょう。

ただし、プログラミングは一朝一夕で身につく技術ではありません。プログラミング言語の使い方を理解するのには時間がかかるからです。

プログラミング言語の中にも、「Java」「JavaScript」「PHP」「C言語」をはじめとした多くの種類があります。バージョンアップにより仕様が変更されることもあるため、日々新しい情報に気を配り、知識のアップデートもしていく必要があります。

しかし、根気強く学習し続けてより多くの言語を習得することができれば、幅広い仕事ができるようになります。プログラマーとは、学習を続けてさまざまなスキルを習得していくほど自分の可能性が広がっていく仕事であると言って良いでしょう。

ADHDだからプログラマーに向いているかどうかは断言できない

では、ADHDの方はインターネットで見かけるように「プログラマーは向いていない」「プログラミングは苦手」と本当に言えるのでしょうか。

結論から先に言うと、ADHDだからプログラマーに向いている、向いていないと断言することはできません。このような言い方になってしまうのは、ADHDの方に現れる特性の種類や強さ、現れ方は、人によって全く異なるからです。

確かに、ADHDの方の中には、自身の持つ特性を有効に発揮しプログラマーとして活躍している方がいます。しかし、あなたが持つADHDの特性がプログラマーと相性がいいかどうかはわかりません。ADHDの特性にはプログラマーに向いているものも多いですが、それをあなたが持っているとは限らないためです。

「ADHD プログラマー」と検索すると「向いていない」とサジェストに出てきたり、プログラミングが苦手だという記事があったりするのは、上記のような理由からであると考えられます。

プログラマーへの適性を知るには、あなた自身を見つめなおす必要がある

あなたがプログラマーに向いているか、仕事にしたいかどうかを考える際は、自身がもつ特性の向き不向き、性格、興味・関心をよく見極めるところから始めることをオススメします。

プログラマーへの向き不向きはADHDの特性に加えて、自身の性格や、興味・関心、さらには職場の環境によっても変わってくるからです。

ネット上には手軽に適性を検査できるサイトもありますので、プログラミングに少しでも興味を持っている方は受けてみると良いでしょう。ただし、このような診断テストはサイトによって結果が異なる場合もあるので、あくまで参考程度に利用しましょう。

もしも、自分一人では判断できなかったり不安があったりする場合は、後述する就労移行支援などに相談することもオススメします。

次の項目からは、一般的に言われるADHDがプログラマーに向いている可能性がある理由と、プログラマーに向いていない可能性がある理由をそれぞれ解説していきたいと思います。

あなたがプログラマーを目指すかどうか考える上で、参考にしていただければ幸いです。

ADHDの方がプログラマーに向いている可能性がある理由5選

理由(REASON)

ADHDの方がプログラマーに向いている可能性がある理由には、さまざまなものがあります。中には、あなたにも当てはまるものがあるかもしれません。

詳しく解説していきますので、自分自身の特性と照らし合わせながら読み進めることをオススメします。

では、一緒に見ていきましょう。

プログラミングに興味がある

まず大前提として、プログラミングに興味があることが最も重要になります。

先に解説したように、プログラマーになるにはいくつものプログラミング言語を習得しなければなりません。それは一朝一夕ではできませんし、根気強く勉強し続けることも必要になります。

IT業界は速いペースで進化を続けており、新しい知識やスキルを身につけ続けることも要求されるので、プログラミングに興味がなければプログラマーを続けていくことは難しいです。

しかし、プログラミングに興味を持っていれば、他の方が苦に感じそうな学習や仕事に対しても、楽しみながら臨むことができるでしょう。ADHDの方は特にその傾向が強いです。興味がある分野であればあるほどモチベーションが高まり、この後紹介するような特性を活かすことができる可能性があります。

もし、プログラミングの経験がない場合は、プログラミングの動画や書籍に触れて、興味が持てるかどうか確かめてみると良いでしょう。

また、テックアカデミーというサイトでは無料でプログラミングの体験ができます。実際にプログラミングに触れてみて、楽しい、興味があると思えるか確かめてみることもおすすめです。

過集中を発揮できる

ADHDの方には、興味があるものに対して驚異的な集中力を発揮できる「過集中」という特性があります。プログラミングにおいて過集中を発揮することができれば、プログラマーとして大きな強みになるでしょう。

例えば、プログラミング言語を通常よりも早く習得したり、バグが発生しても粘り強く修正作業をし続けたりできることが挙げられます。

また、プログラミングではコードを多く、早く書くことが要求されます。ここでいうコードとは、PCやスマホなどのアプリを動かすコンピュータプログラムを表現する文字列のことです。複雑なプログラムほどたくさんのコードを書かなければなりませんが、過集中が発揮されれば、より早く書き上げられる可能性があります。

ただし、過集中のあとは一気に疲れが生じてしまうことが多いため、うまく利用するには適度な休憩が必要です。タイマーを利用して時間の区切りをつけることや、一定の時間ごとに休憩を挟むことを意識すれば、過集中を強みとして発揮できるでしょう。

視覚優位を活かすことができる

ADHDの方には「視覚優位」という特性がよく見られます。視覚優位とは、耳で聞く情報よりも目で見る情報の方が理解・記憶しやすい特性のことを言います。

この視覚優位という特性は、プログラミングにおいて強みの一つになります。プログラミングの仕事は、コードの記述やエラーメッセージを読むことなど、目から得た情報を扱うことが非常に多いからです。

エラーや不具合が出た時も、PCで検索して問題解決を図ることがIT業界では一般的になります。その際に必要となるのも、検索した情報を目で見て探す能力です。視覚優位の特性を持っていれば、プログラマーとしての仕事の大部分を効率的に行うことができるでしょう。

また、指示やコミュニケーションも口頭ではなく、チャットなどのテキストベースで行うことが多いので、そういった面でも働きやすい可能性があります。

作業のやりなおしができる

ADHDには、不注意によるケアレスミスが発生しやすいという特性があります。この特性のために、仕事で苦い経験をしてきた方も多いかもしれません。

しかし、プログラミングは作ったものを動かし、ミスや不具合があればその都度改善、修正を施していくという流れが一般的です。つまり、ミスと作業のやり直しが前提となる仕事なのです。ミスや不具合についても、コンピュータがエラーを出して教えてくれますので、見逃すことは少ないでしょう。

IT業界自体にも「納期までに完成できれば問題はない」という風潮があるほか、「不具合を出したことのないログラマーはいない」とさえ言われています。

そのため、時間が許してくれる限りは何回でもやり直すことが可能です。もちろん、社会人としてミスの対策は必要ですが、ミスが許されないタイプの職種よりも相性は良いと言えるでしょう。

一人で黙々と仕事ができる

ADHDの方は、人とのコミュニケーションに難しさやストレスを抱えている場合が多いです。

その点において、プログラマーは他の職種と比べると、PCに向き合って一人で黙々と仕事をする時間が多い傾向があります。個人のスキルや成果が重要視されるので、必然的に個々のタスクに集中することになるからです。

また、分からないことも基本的には先輩に聞くのではなく、自分自身で解決することが求められます。実際、ネットで検索するとプログラミングの事例が数多く出てくるので、一人で解決することも可能です。そのため、他の職種と比較すると、対人関係のストレスを感じることは少ないと考えられます。

もちろん、対人関係が全くないわけではありません。業務の途中経過の報告する際や、会議でプロジェクトの概要を共有する際、クライアントとのやり取りの際など、一定のコミュニケーションスキルが必要とされる場面もあります。

しかし、職場や仕事の種類、プロジェクトによっては、上司やシステムエンジニアから指示を受けた後は実質一人で進めていくケースもあります。

近年では、システムエンジニアとのやり取りもオンラインのチャット上で行うことが多くなってきていますし、リモートワークを推奨しているIT企業も少なくありません。一人で黙々と働ける職場環境が整っていれば、ADHDの方でも快適に仕事を進められるでしょう。

ADHDの方がプログラマーに向いていない可能性がある理由4選

NGのプラカードを持つ若い女性

ここまで解説したように、プログラマーとしての強みになるADHDの特性は多くあります。

しかし、向いているとされる特性を持っていても、性格や環境によりプログラミングを苦手に感じたり、向いていないと思ったりする方は少なくありません。

ADHDの方がプログラマーに向いていない可能性がある理由には、どのようなものがあるのでしょうか。その理由によっては対処できることも少なくありません。もしプログラミングを仕事にしたいときはどんなことに注意すればいいのか、一緒に見ていきましょう。

プログラミングに興味がない

まず、プログラミングに興味が持てない場合は、プログラミングに向いているとは言えません。

ADHDの方は興味がないことに集中するのが難しい場合が多いです。無理に取り組もうとすると、強いストレスを感じることになり、心身に不調をきたしてしまう場合もあります。

たとえ、プログラマーとして向いている特性があなたにあったとしても、プログラミングに興味が持てない場合はモチベーションが上がらず、能力を十分に発揮できない可能性が高いです。

もし、先ほど紹介したような無料体験などを試しても興味を持てなかった場合は、興味が持てる分野に視野を広げてみることをオススメします。

複雑なコミュニケーションを求められる

ADHDの方は複雑なコミュニケーションをとることが苦手な傾向が強いです。

先ほど、プログラマーは他職種と比較して一人で黙々と仕事ができると解説しましたが、職場によってはコミュニケーションが必要なチーム作業が中心になることもあります。

例えば、プロジェクトメンバーと足並みをそろえて仕事を行ったり、メンバーの進捗状況を見ながら仕事の優先順位を決めたりすることが求められる職場もあるでしょう。プログラミングができても、このような複雑なコミュニケーションが必要とされる職場では、目の前の作業に集中できなくなり、大きなストレスを抱えてしまう可能性が高くなります。

そのため、プログラミングを仕事にしたいADHDの方は、事前の面接やWebサイトなどでどの程度のコミュニケーションが必要となる職場なのか確認しておくことが大切です。リモートワークやフレックス制度、チャットツールなどが導入されているかもチェックしておくことをオススメします。

マルチタスクを要求される

ADHDの方はマルチタスクが苦手な傾向が強いです。加えて、仕事の順序立てを行うことも得意ではないので、多くの作業を同時進行してこなそうとすると、頭がパニックになってフリーズしてしまうことがよくあります。

そのため、マルチタスクで行う作業が多い職場には向いていない可能性が高いです。

例えば、プログラミング以外の事務作業や会議準備を掛け持ちで行う職場や、多数のプロジェクトへ同時に携わることを求められる職場などが挙げられます。過集中を発揮していても、電話対応一つでそれまで続いていた集中力が切れてしまうことがあるでしょう。

こちらについても、プログラミングのみに集中できる職場であるかどうか事前に確認しておくことが大切です。自分のパフォーマンスを十分に発揮できる職場選びを心がけましょう。

職場にADHDに対する理解やサポートがない

職場にADHDに対する理解がない場合、必要な配慮を受けられず、大きなストレスがかかってしまう可能性が高いです。

プログラマーとして就職活動を行う際は、事前に面接などでADHDがあることを伝え、配慮を受けられるかどうか確認しておくことをオススメします。

配慮を受ける際には、自分にどのような特性があるのか、相手にしっかり言葉で伝えられるようにしておくとよいでしょう。自身の特性を客観的に理解して対策を立てていることを伝えられれば、企業から良い印象を抱いてもらえますし、企業側も配慮のイメージをしやすくなります。

障害者雇用枠の利用も検討するとよいでしょう。一般雇用枠と比べて、合理的な配慮を受けられる可能性が高くなります。ただし、障害者雇用枠で就職するには障害者手帳が必要になるため、利用する場合は忘れずに申請しておきましょう。

プログラミングを扱う仕事の種類

プログラミング中のモニター

ここまでADHDの方がプログラマーに向いている可能性、向いていない可能性、それぞれの理由を見てきました。

しかし、プログラミングを仕事としたい場合は、自身の特性や職場の環境だけでなく、どの分野との相性が良いかも見極める必要があります。プログラミングと一括りに言ってもさまざまな分野があり、扱う言語や知識、業務内容が大きく変わってくるからです。

分野や種類を選ぶときも、自身の持つ特性や興味と照らし合わせて選べば、ADHDの弱みを補い、そして強みを活かして働くことができるかもしれません。

プログラミングを扱う仕事では、まずプログラマーからスタートして、システムエンジニアをはじめとした上位職へとキャリアアップしていくという形が一般的です。

ここでは、プログラマーの種類や上位職の一例を紹介していきます。

プログラマーの種類

プログラマーの種類を、習得が必要になるプログラミング言語と一緒に解説していきます。

扱う分野によってはプログラミング以外のスキルや知識も必要になります。分野を選ぶ際は、あなたの興味がどこに向いているかをしっかり考えることも大切です。

Webプログラマー

Webプログラマーは、ホームページ上のさまざまなプログラムの開発作業を行うことが仕事です。業務内容の例としては、ショッピングサイトやデータベースの構築が挙げられます。

Web開発は作成する機能が独立していることも多く、チームとのミーティング以外は個人業務になるケースが多いため、ADHDの特性と照らし合わせても相性がいい可能性があります。

また、Webプログラマーが扱うプログラミング言語の中でも、「JavaScript」や「PHP」は仕様書や文法が簡単なので、比較的習得がしやすい傾向にあります。

ただし、プログラミングスキルに加えて、通信技術に関する幅広い知識が必要です。

アプリケーションプログラマー

アプリケーションプログラマーは、パソコンやスマートフォン、タブレット端末で使われるアプリケーションの開発を行っており、現在特にニーズが高まっているプログラマー職でもあります。

主に、会計ソフトや画像編集、プレゼンテーションなど、目的に応じたシステムの開発を行うことが仕事になります。アプリケーションプログラマーが扱うプログラミング言語の中でも、IOS用アプリの開発を行う「Swift」や、Webアプリの開発で使われる「Python」「Ruby」などは文法が比較的簡単で習得難度も高くありません。

ただし、OSによって使う言語が非常に多いため、常に新しいプログラミング言語を学び続ける姿勢が必要になります。

AIプログラマー

AIプログラマーは、AI(人工知能)システムのアプリケーションの開発が主な仕事になります。

開発の例としては、日常でも目に触れる機会が多い音声による家電製品の遠隔操作システムや、オンライン広告のパーソナライズシステムなどが挙げられます。

AI開発は現在特に注目が集まっており、企業からのニーズも高いです。AI開発で使われるプログラミング言語である「R言語」や「Python」はシンプルな文法で理解もしやすいため、習得難度も高くないと言えるでしょう。

ただし、プログラミングスキルはもちろん、データ収集・処理スキルや、数学・統計学の知識が求められます。

ゲーム系プログラマー

ゲーム系プログラマーとは、コンシューマーゲーム、スマホゲーム、ブラウザゲームなど、さまざまなゲームのプログラミングを担当します。

ディレクターやプランナーなどと協力しながら、ゲームの企画や設計、テストを行い、ゲームの世界観のイメージを具現化していくことが仕事です。一つのゲームを完成させるために大きなプロジェクトチームを組むことも珍しくありません。そのため、クリエイターやデザイナーと密にコミュニケーションを行わなければならず、他のプログラマーと比べるとADHDの相性と噛み合わない可能性もあります。

もし、ゲームを作ることに興味があれば、コンシューマーゲームなら「C++」、スマホゲームであれば「C#」の習得を目指しましょう。

組み込み系プログラマー

組み込み系プログラマーは、主に家電製品や自動車、電子機器など、生活に身近なものに関わるプログラムの開発を担当します。

能力の限られたコンピューターを駆使して、機械を制御するために必要なすべてのプログラムを組み込むことを要求されるため、OSやコンピューター、ハードウェアなどの専門知識も必須となります。

「C言語」をはじめ、習得の難度が高いプログラミング言語を使う傾向がありますが、その分非常に需要が高く、若手は重宝されやすいです。

業務系プログラマー

業務系プログラマーとは、企業の業務を効率化したり自動化したりするアプリケーションの開発、メンテナンスを行う仕事になります。

例えば、経理システムや勤怠管理システム、在庫管理システムなどがあります。どちらかといえば、新規開発よりもメンテナンスを行うことが多いでしょう。プログラミングの知識だけでなく、クライアントの要望を聞き出すためのコミュニケーション能力や、企業の業務について深く理解することも必要になります。

習得難度が高い「Java」や「C++」「C#」がよく扱われるプログラミング言語になります。

汎用系プログラマー

汎用系プログラマーとは、メインフレームと呼ばれる1台の大型コンピューターで膨大なデータを適切かつ安全に処理する、汎用系システムの開発を行うプログラマーになります。

大企業や公的機関の個人情報を処理するためのシステム開発であるため、高度なプログラミングの知識だけでなく、責任感の強さも必要です。

汎用系プログラマーでよく使われるプログラミング言語は「COBOL」です。「COBOL」は専門性が高い言語ですが、現在の需要は減少傾向にあるようです。

オープン系プログラマー

オープン系プログラマーは、オープン系システムで稼働するアプリケーション開発を担当することが主な仕事になります。オープン系システムとは、ネットワーク内にある全てのパソコンがシステムにアクセスすることのできるシステムです。代表的なものに、UNIXやLinux、Windowsなどがあります。

主に使うプログラミング言語としては、「C++」「Java」などが挙げられます。開発の工程では、顧客の情報管理に特化したコードを作成することが重要であるため、複数の言語に精通しているとよいでしょう。

また、採用したプログラミング言語の特徴と、詳細設計で記載されている内容を理解して記述を行う能力が必要になります。

プログラマーの上位職

ここからは、プログラマーから目指すことのできる上位種を紹介します。中には、ADHDの特性と相性の悪い可能性がある職種もあるので注意が必要です。

システムエンジニア

システムエンジニアとは、プログラマーの上位職になります。

クライアントから直接要望を聞いて、それに沿ったシステムの設計をすること、設計したシステムのプログラミングをプログラマーに依頼、あるいは自ら行うことが主な仕事です。簡単に言えば、プログラマーのリーダー的立ち位置になります。

必然的にクライアントとのやり取りが多く発生するほか、チームメンバーとの密なコミュニケーションを求められる場面も多くなります。また、複数のプロジェクトが同時進行している際は、さまざまな条件を勘案しながら作業の優先順位を決めることが必要になるでしょう。

そのため、高度なコミュニケーションやスケジュール管理、マルチタスクを苦手とするADHDの特性とは相性が悪い面が多いです。

ただし、周りのサポートが手厚い職場であれば、システムエンジニアとして働いていける可能性もあります。システムエンジニアとなる可能性がある職場を目指したい場合は、事前にサポート体制や職場環境がどんなものか調べておくことをオススメします。

プログラマースペシャリスト

プログラマースペシャリストとは、高度なプログラミングスキルに加え、特定の言語に高い知識を持つ、プログラミングの専門家です。技術スペシャリスト、エキスパートプログラマーと呼ばれることもあります。

トラブルが発生したときは技術的な拠り所になるため、市場価値は高く、企業から求められる人材として重宝されています。基本的な仕事はプログラミングのみですが、企業やプロジェクトの規模によっては現場のリーダーを任されることもあります。

スペシャリストになるためには、常に新しい情報や技術を取り入れ、向上心を持って学び続けなければなりません。

反面、システムエンジニアのような高度なコミュニケーションやマルチタスクを求められる機会は少ないです。そのため、プログラミングを深く学び続けることができれば、ADHDの特性とも相性が良い可能性があると言えます。

プログラマーの仕事を探す際は、その職場にスペシャリストへのキャリアパスがあるかどうかも意識しておくと良いでしょう。

ADHDでプログラミングスキルを仕事にする方法

セミナー・勉強会・打ち合わせ・会議

先ほど解説したように、プログラミングは一朝一夕で学べるものではなく、分野によってはさらに必要な知識が増えていきます。

ADHDの方がプログラミングスキルや必要な知識を学び、プログラマーやプログラミングを行う仕事を目指すには、どのような方法があるのでしょうか。

ここでは、いくつかの方法を紹介していきたいと思います。

独学で身につける

プログラミングスキルは、独学で身に付けることが可能です。

最近は、お金をかけず手軽にプログラミングを学ぶための環境が整ってきています。書籍だけでなく、YouTubeにも無料で見ることができる解説動画がありますし、ゲーム感覚でプログラミングを学べるアプリも増えてきました。勉強しようと思えば、いつでも始めることができると言っていいでしょう。プログラミングに興味を持つための入門として、まずは独学してみることも一つの方法です。

一方で、独学にはデメリットも多いです。

まず、学習内容を選ぶことに時間がかかる可能性があります。先に解説したように、仕事や分野の種類によって学ばなければならないプログラミング言語は全く違ってきます。未経験の方で目的がないと「どれから学べばいいのかわからない」と悩んでしまうでしょう。学ぶときは、まず目標や興味のある分野を明確にしておくことが必要です。

次に、分からないことがあっても人に聞くことができない点が挙げられます。プログラミングは難しく、ときには一人で調べて解決することが難しい場面にあたることも多いです。このため、モチベーションを維持できず、挫折してしまう方も珍しくはありません。

また、先ほども解説したように、プログラミング以外の知識が必要となる分野もありますが、そうした知識は独学ではカバーしきれない可能性があります。

「プログラマーを本格的に目指したい」という方は、次の項目で説明するようなプログラミングスクールや就労移行支援、就労継続支援の利用を検討することをオススメします。

プログラミングスクールに通う

プログラマーになるための方法として、プログラミングスクールが思い浮かぶ方も多いでしょう。

プログラミングスクールとは、プログラミングスキルだけでなく、これからのIT業界に必要な技術も学ぶことができるサービスです。目的や分野に沿ってカリキュラムが組まれているので、最低限の時間で必要なスキルを学ぶことができます。

分からないことがあればプロの講師やアドバイザーにすぐに質問できるサポート体制や、他の受講生と励ましあえることなど、挫折しない仕組みが設けられている点も魅力的です。就職や転職のサポートが手厚いことも、大きなメリットの一つでしょう。

もちろん、デメリットもあります。特に受講料は高額になる場合が多いです。

経済産業省の行っている「キャリアアップ支援事業」の対象スクールで、給付金が出る場合でも約20万円前後、給付金を利用しない場合は50~60万円以上もかかる場合が多いです。そのため、お金に余裕のある方でないと、スクールを受講することは難しいかもしれません。

コースによって受講する期間も決まっているため、プログラミングを学ぶためのまとまった時間の確保も必要となってきます。入ってから後悔をしないためにも、スクール選びは慎重に検討することが大切です。

スクールを選ぶ際は無料カウンセリングや無料体験を受けよう

もしも、興味のあるプログラミングスクールがあるときは、無料カウンセリングや無料体験を受けることがオススメです。実際に体験することで、そのスクールが自分に合っているか、学習内容に興味を持つことができるか確かめることができるでしょう。

無料相談では、下記の点を確認しておくと良いでしょう。

  • 受講形式や内容は、自身の特性と相性が良いか
  • 自分が興味のある分野のカリキュラムがあるか
  • 自分の目的をサポートしてくれる体制はあるか
  • 講師にはどのような方がいるか

無料カウンセリングや無料体験は、プログラミングスクールの雰囲気を知ることができる貴重な機会です。疑問があれば、どんなことでも質問していくことをオススメします。

また、近年では障がい者向けのプログラムが組まれているプログラミングスクールもあります。下記はその一例です。

侍エンジニア塾

「侍エンジニア塾」とは、マンツーマン専門のプログラミングスクールです。指導実績は45,000人を突破しています。分野ごとにコースが細かく分かれているので、あなたの目的に沿った受講内容を学習することができるでしょう。

侍エンジニア塾では、「障がい者向け優待プログラム」が行われています。このプログラムでは、ADHDなどの発達障害を申告することで受講料が最大25%offになる可能性があります。

また、経済産業省が行っている「キャリアアップ支援事業」の対象スクールでもあるため、給付金を利用できる場合があります。

下記リンク先で無料カウンセリングも申し込めますので、興味がある方は確認してみると良いでしょう。
障がい者向け優待プログラム|侍エンジニア

就労移行支援を利用する

就労移行支援事業所では、ADHDをはじめとした発達障害や病気を抱えながらも一般就労を目指す方を対象にした就労支援を行っています。

主な支援内容には、就職に必要な基本スキルや専門スキルの習得、就職活動や就職後の職場定着の支援などがあります。体調管理やメンタル面に関する相談対応も行っているほか、自身の障がい特性や、その対処法について学ぶことが可能です。「自分の特性はプログラマーに向いているのか」といった相談にも親身に対応してくれるでしょう。

それぞれの特性に合わせて学習計画を立て、適切なサポートが受けられるという面から見ても、就労移行支援の利用はオススメできます。

就労移行支援を利用するには、障害者手帳か専門医の診断書が必要になります。基本は無料ですが、一部の方に利用料がかかる場合があるほか、利用期間が原則2年と定められている点には注意しておきましょう。

また、最近ではITに特化した就労移行支援事業所が増えてきています。プログラミングについても、興味のある分野を専門的に学ぶことができるでしょう。就労移行支援事業所は、見学を受け付けているところがほとんどです。興味がある事業所を見つけた際は、問い合わせてみることをオススメします。

こちらの記事でも就労移行支援について詳しく解説していますので、参考にしてください。

就労継続支援(A型・B型)を利用する

就労継続支援とは、一般就労で働くことが難しい方たちを対象に、就労の場を提供する福祉サービスです。就労移行支援とは違って、実際に働く機会を得ることが目的となるので、賃金が発生します。

「働くこと」に重きを置いているため、スキルが身につくまでに時間はかかるかもしれませんが、収入を得られる安心感が大きなメリットと言えます。利用期間に制限はありませんが、障害者手帳か専門医の診断書が必要なことや、一部の方に利用料がかかる場合があることは、就労移行支援と同様です。

近年では、ITに特化した就労継続支援事業所も増えてきており、実際に仕事をしながらプログラミングを学ぶことができるようになってきました。

ここからは、プログラミングを学ぶことができる就労継続支援事業所を一部紹介します。

岐阜就労支援センター(就労継続支援A型)

「ぎふ就労支援センター」は、IT業務に特化している就労継続支援A型事業所です。Webサイトの制作や、ホームページのデザインなどを行っています。

それぞれの業務に合わせて学習用カリキュラムが用意されており、専属のWebディレクターも常駐しているため、未経験の方でも一からスキルを身に付けられる環境が整えられています。

もちろんプログラミングを学べるカリキュラムも用意されており、主にWebページを製作することに適した「PHP」などのプログラミング言語を学ぶことができます。所在地である岐阜市への通所のほか、在宅でも利用することができるので、気軽に問い合わせてみると良いでしょう。

ぎふ就労支援センター

未来のかたち(就労継続支援B型)

「未来のかたち」は、大阪で展開している就労継続支援B型事業所です。こちらもパソコンスキルの習得に特化しており、パソコン操作の基礎から始めて基本的なプログラミングスキルを学ぶことができます。

学べるプログラミング言語は「Java」「PHP」「Python」などと幅広く、IT業界出身の専門スタッフが常に事業所にいるため気軽に質問できます。中でも、未来のかたち四ツ橋港校はプログラマー育成に特化しており、より実践的なスキルを学ぶことができるでしょう。就労移行支援事業所も併せて運営しています。

こちらも大阪にある事業所への通所のほか、在宅で利用することも可能なので、お気軽にお問合せや見学をしてみると良いでしょう。

未来のかたち

まとめ|ADHDはプログラマーに向いているのか

  • ADHDだからプログラマーが向いているかどうかは断言できない。適性を知るには、まず自分の特性に加え性格、興味・関心を見つめ返す必要がある。
  • ADHDがプログラマーに向いている可能性がある理由に、プログラミングに興味がある、過集中を発揮できる、視覚優位を活かすことができる、作業のやり直しができる、一人で黙々と仕事ができるという点が挙げられる。
  • ADHDがプログラマーに向いていない可能性がある理由に、プログラミングに興味がない、複雑なコミュニケーションを求められる、マルチタスクを要求される、職場にADHDの理解がないという点が挙げられる。
  • プログラミングを扱う仕事の代表的なものには、プログラマーとその上位職であるシステムエンジニアやプログラマースペシャリストがある。プログラマーは分野が複数に分かれており、Web系プログラマー、アプリケーションプログラマー、ゲーム系プログラマーなどがある。
  • ADHDの方がプログラミングを仕事にするには、独学で学んだりプログラミングスクールに通ったりするほかにも、就労移行支援や就労継続支援を利用するという方法がある。

いかがでしたでしょうか。

ADHDだからプログラマーに向いているかどうかは、はっきりと断言はできません。しかし、プログラマーになるために一番大事な要素は、「プログラミングに興味があること」です。

現在は、動画サイトや書籍などで気軽にプログラミングに触れることもできますし、無料体験や簡易的な適性検査もインターネット上で受けられます。記事で紹介したように、ADHDだからこそ利用ができる支援制度や障がい者向けプログラムも充実してきました。

あなたが少しでもプログラミングに興味を持っているなら、小さな一歩でも構いません、すぐに行動することをオススメします。

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