障がい者雇用のサテライトオフィスとは?3つのメリットや求人の探し方を解説

KAORUKO
「障がい者雇用のサテライトオフィスって何?」
「メリットやデメリットはあるの?求人の探し方を知りたい」

このような疑問を抱えていませんか?

障がい者の働き方の一つとして、サテライトオフィスの活用が挙げられます。

せっかく働くなら、あなた自身に合った環境で働きたいですよね。

  • 障がい者雇用のサテライトオフィスとは?
  • 利用するメリットとデメリット
  • 求人の探し方や注意点
  • 障がい者が利用できる支援制度

について解説します。

障がい者雇用のサテライトオフィスについて理解して、あなたにとって最適な働き方を見つけるための一助としていただければ幸いです。

障がい者雇用のサテライトオフィスとは?

PCを見ながら考える女性01

障がい者雇用のサテライトオフィスとは、

  • 障がいについて詳しい支援員がサポートしてくれる
  • 施設がバリアフリー化されている

という特徴がある、障がいがある方の働きやすさを重視したサテライトオフィスのことです。障がいの種類に関わらず安心して働くことができます。

そもそも、サテライトオフィスがよくわからない方もいらっしゃいますよね。

サテライトオフィスとは、「本社から離れた小規模なオフィス」のことです。本社とサテライトオフィスの間の通信手段を確保することで、双方を行き来することなく働ける環境を整えているため、

  • 通勤が楽になる
  • プライベートな時間が増える
  • 在宅勤務のように自宅に働く環境を確保する必要がない

などの特徴があります。

【サテライトオフィスの例】
本社:東京都
サテライトオフィス:岐阜県

サテライトオフィスは、テレワークの一種とも捉えられており、「従業員の働きやすさ」を改善するための取り組みと言えるでしょう。

障がい者雇用サテライトオフィスの要点

障がい者雇用のサテライトオフィスについて、要点を下記の表にまとめました。

障がい者雇用サテライトオフィスの要点
特徴
  • 支援員がサポートしてくれる
  • 設備がバリアフリー化されている
障がい者の立場
  • サテライトオフィスを利用している会社の正社員やパートとして働く
会社
  • 障がい者に業務の指示をする
勤務時間
  • ~8時間(短時間勤務も有り)
給与
  • 雇用契約によって異なる
業務内容
  • データ入力
  • 資料作成
  • DM封入(広告を封筒に入れる)
  • 缶バッジの加工
  • レシートの仕分け作業(事務作業がメイン)
メモ
  • サテライトオフィス自体は、人材育成会社等、ほかの会社が運営していることが多い。

働く方はサテライトオフィスに出勤して、サポートを受けつつ会社から指示された業務を進めます。

障がい者雇用のサテライトオフィスで働くメリット3選

ノートパソコンに「メリット」の文字

障がい者雇用のサテライトオフィスで働く場合、

  • 支援員がサポートしてくれる
  • 施設がバリアフリー化されている
  • 柔軟に働くことができる

このようなメリットがあります。

まずは、メリットを1つずつ確認していきましょう。

支援員がサポートしてくれる

障がい者雇用のサテライトオフィスには、障がいの特性を熟知した支援員がいます。そのため、働くなかで下記のような困りごとがあった時に相談することができます。

  • 急な体調不良
  • 業務で問題が発生したとき
  • 心配ごと、悩みの相談

小さな不安や問題でもサポートしてくれる方がいると、心強いものです。

他にも

  • 個別の支援計画を考えてくれる
  • 就職に向けてアドバイスをしてくれる

など、支援員が幅広くサポートを行っているため、障がいがある方も安心して働くことができます。

施設がバリアフリー化されている

障がい者雇用のサテライトオフィスは、下記のような施設がバリアフリー化されています。

  • 車椅子の段差解消スロープ
  • エレベーター
  • トイレ

そのため、身体障がいの方でも負担なく働くことができます。

また、小休憩スペースや半個室型ワークスペースがあるところも多いです。周囲の話し声や雑音、光などの刺激に敏感な方でも設備をうまく活用すれば、集中しやすい環境で仕事ができるでしょう。

柔軟に働くことができる

障がい者雇用サテライトオフィスの求人には、パート勤務や短縮勤務などのさまざまな働き方があります。

  • 体調が不安定で長時間働けない
  • 正社員は負担が大きい
  • 病院に通院しないといけない

このような障がい者が抱えやすい不安にも、柔軟に対応してもらえます。

障がい者雇用のサテライトオフィスで働く3つのデメリット

ノートパソコンに「デメリット」の文字

障がい者雇用のサテライトオフィスで働く場合、

  • パソコンを使った仕事が多いので向き不向きがある
  • 会社とのコミュニケーションが難しい
  • 給与が低くなりやすい

のようなデメリットがあります。

デメリットについても確認していきましょう。

パソコンを使った仕事が多い

業務内容の多くは、

  • データ入力
  • 資料作成

などの、パソコンを使ったものが多いです。

障がいの特性によっては仕事に対して向き不向きがあるため、一定時間パソコンに向かって作業することを「つらい」と感じる方もいるでしょう。

会社とのコミュニケーションが取りにくい

業務の指示は基本的に

  • チャットツールの活用
  • Web会議システムでのミーティング

などの手段を用いてリモートで行われます。

直接コミュニケーションを取れば伝わることも、リモートだとうまく伝わらないことがあります。ですが、支援員さんがサポートしてくれるので、不安になりすぎなくても大丈夫ですよ。

給与が低くなりやすい

障がい者雇用のサテライトオフィスは、障がい者の方が働きやすいように業務内容は負担が少ないものが多いです。業務の負担が少ない分、給与が低くなりやすい傾向があります。

厚生労働省の「令和5年度障害者雇用実態調査結果」によると、障がい別の平均給与は下記の通りとなっています。

身体障がい者 知的障がい者 精神障がい者
平均給与(月) 235,000円 137,000円 149,000円
30時間以上の労働 268,000円 157,000円 193,000円
20~30時間の労働 162,000円 79,000円 121,000円
20時間未満の労働 107,000円 43,000円 43,500円
(※10時間以上20時間未満と
10時間未満との合算)

そのため、障がい者雇用向けのサテライトオフィスは、収入の高さではなく安心できる環境で働きたい方に向いているでしょう。

障がい者雇用のサテライトオフィス求人の探し方と注意点

ビジネス パソコンとスマホ デスクワーク

障がい者雇用のサテライトオフィスについて馴染みのない方は、

「求人はどうやって探せばいいの?」
「求人を探すときの注意点はあるかな?」

このような疑問を抱えてしまうことがありますよね。

次の項目で詳しく解説していきます。

求人の探し方

「障がい者雇用専門の就職・求人情報サイト」で、求人を探すのが一番簡単です。

<手順>

  1. 「障がい者雇用 サテライトオフィス 求人」とネット検索をする
  2. 検索結果に出た「障がい者雇用専門の就職・求人情報サイト」の求人に応募する

求人に応募するためには、求人サイトの会員登録をする必要があります。

一見、面倒くさそうに感じるかもしれません。ただ、障がい者雇用専門の求人サイトを使えば、

  • あなたの特性に合った求人の紹介
  • 就職に役立つセミナーの提供

など、障がい者が働くときに感じる不安な部分を、幅広くサポートしてもらえます。

難しいと感じる場合は「dodaチャレンジ」のような障がい者専門のエージェントサービスに相談することもできます。上記に加えて難しい応募書類の書き方や面接対策などのアドバイスを受けることができるので、積極的に検討してみてください。

サテライトオフィスの支援体制に注意しよう

求人を探すときは、求人情報や会社のサイトを見て支援体制をチェックするよう注意しましょう。

  • 支援員の人柄やサポート体制はどうか?
  • 設備のバリアフリー化は自分に適したものか?

設備がバリアフリー化されていても、会社であなたの障がいの特性に合った支援が実施されていなければ安心して働くことができません。可能であれば、働く場所や働いている方の見学をさせてもらうと良いですね。

障がい者が利用できる支援制度

サポートと書かれたノート

障がい者雇用のサテライトオフィス以外にも、障がいのある方にオススメできる働き方はいくつかあります。色々な働き方を知り、仕事の幅を広げてみてください。

特例子会社

特例子会社とは、障がいのある方の雇用に特化した子会社のことです。障がい者が長期的に安定して働けるように、会社内で特別な配慮を実施している特徴があります。

そのため、一般の障がい者雇用に比べて、

  • 施設や設備、サービスが整っている
  • 従業員に占める障がい者の割合が高い

という違いがあります。

特例子会社の特徴は下記の表の通りです。

特例子会社の特徴
勤務時間 ~8時間
給与 月に12~16万円ほど
業務内容
  • 事務補助
  • データ入力
  • オフィスや工場の清掃
  • 名刺印刷やコピーなどの印刷関連
  • フラワーギフトの販売
配慮
  • 支援員のサポート
  • 施設のバリアフリー化

特例子会社の給料は雇用契約によって異なります。

2018年に野村総合研究所が行った「障害者雇用及び特例子会社の経営に関する実態調査」のデータでは、特例子会社で働く障がい者の方の平均年収で最も多かったのは、「151〜200万円」が33.8%でした。

1か月で計算すると、12~16万円ほどですね。1つのデータに過ぎませんが、参考にしてみてください。

就労継続支援A型

就労継続支援A型は、病気や障がいによって一般企業で働くことが難しい方を対象に、雇用契約を結んで一定の支援や配慮を受けながら働く就労福祉サービスです。

障がいや難病があり一般の会社で働くことが難しい方でも、一定の支援を受けながら働くことができます。

就労継続支援A型の特徴は下記の表の通りです。

就労継続支援A型事業所の特徴
勤務時間 4~6時間
利用可能な年齢 原則18歳以上、65歳未満
給与 月に7~8万円ほど
業務内容
  • 飲食店のホールスタッフ
  • パソコンを使ったデータ入力
  • Webサイト作成
  • 清掃
  • 車の部品加工
利用料 世帯の収入状況による

就労継続支援A型事業所の多くは、勤務時間が4〜6時間と短いため、最低賃金が保障されてはいますが給与は月7〜8万円ほどです。

一方で、支援員にサポートしてもらえたり、短時間勤務ができたり、と体調に合わせて柔軟な働き方ができます。

また、就労継続支援A型事業所を正社員で働くためのステップアップにする方もいます。このサービスを利用するには、障害福祉サービスの申請が必要です。

詳しくは、お住まいの市区町村の障害福祉窓口に問い合わせてみてください。

就労移行支援

就労移行支援は、主に一般企業への就職を目指す障がい者を支える制度です。

利用することで、

  • 生活面のサポート
  • 職業訓練
  • 就職活動の支援
  • 就職後の定着支援

など、利用開始から就職後まで一貫したサポートを受けられます。

障がい者手帳がないと利用できないと思われがちですが、医師の診断や自治体の判断により、なくても利用できる場合があるので、まずは地域の相談窓口や就労移行支援事業所に相談してみましょう。

以下はおすすめの就労移行支援事業所です。事業所を選ぶ際の参考にしてみてください。

ココルポート

ココルポートは、障がいをお持ちの方がリラックスして通える、温かな雰囲気づくりを大切にしている就労移行支援事業所です。個々の不安に配慮した少人数制のプログラムや個別相談を提供しています。

基本的なPCスキルからグループワークまで、多様な活動を通じて「できること」を増やし、社会参加への自信を育んでくれます。相談しやすい環境が魅力です。

ミラトレ

ミラトレは、企業が求めるスキルを効率的に習得できる実践的なプログラムが魅力の就労移行支援事業所です。就労経験が乏しく自信がないという方も、模擬オフィスでの業務体験や企業実習を通じて、働くことのイメージを具体化できます。

就職活動では、履歴書の書き方から面接対策まで徹底指導してくれます。高い就職率と定着率を誇っており、「しっかりと就職までサポートしてほしい」という方におすすめです。

まとめ|障がい者雇用におけるサテライトオフィス

  • 障がい者雇用サテライトオフィスは、障がいがある人も働きやすいサテライトオフィスのこと。
  • メリットは、支援員がサポートしてくれる、設備がバリアフリー化している点、柔軟に働くことができる点。
  • デメリットは、パソコンを使った仕事が多く、会社とのコミュニケーションが取りにくい他、給与が低くなりやすい傾向にある。
  • 求人は「障がい者雇用専門の就職・求人情報サイト」で探すと、自分の障がいに合った求人が見つけやすい。
  • 求人を探すときは、「支援員の人柄やサポート体制はどうか」「設備のバリアフリー化はされているか」をチェックする。
  • 障がい者雇用のサテライトオフィス以外にも、特例子会社や就労継続支援A型事業所などの働き方もある。

昨今では、働き手不足の影響もあり、障がい者が働きやすい環境を整備する動きが広まりつつあります。

障がい者のサテライトオフィスもその一つであるため、希望を持って就職活動を続けていくことが大切です。

あなたにとって最適な職場が見つかると良いですね。

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