「気持ちを切り替えたいと思っても、難しい…」
あなたは、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
発達障害の方の中には、特性の影響から「気持ちの切り替え」がうまくできない悩みを抱える方が少なくないようです。
「気持ちの切り替え」ができないと、日常生活や社会生活に支障があり困ってしまいますよね。特に、働いている場合は仕事にも影響が出てしまい、憂鬱になる方もいるでしょう。
- 大人の発達障害の方は「気持ちの切り替え」ができない?
- 大人の発達障害の方に「気持ちの切り替え」ができない原因
- 「気持ちの切り替え」ができないことによる悩みや困りごと
- 大人の発達障害の方におすすめの「気持ちの切り替え」トレーニング方法
を解説していきます。
可能な限り「気持ちの切り替え」がスムーズに出来るようになることを目指し、無理のない範囲で良いですので、少しずつトレーニングを実践していきましょう。
大人の発達障害の方は「気持ちの切り替え」ができない?
発達障害の症状の一つに「気持ちの切り替えができない」ことがあります。
もちろん、発達障害ではない健常者の方でも、身内が亡くなった場合など、「気持ちの切り替え」が難しいケースはあるかとは思います。
ただ、下記の場合は、健常者の方と比べて極端に「気持ちの切り替え」が難しかったり、できなかったりします。
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- 注意欠陥/多動性障害(ADHD)
- 強迫症/強迫性障害(OCD)
例えば、突然の予定変更があった時、健常者の方ですと多少の戸惑いで済むことが多いですが、発達障害の方ですと、パニックになったり、癇癪を起こしたり、フリーズしてしまったりと、大きく影響してしまう場合があります。
【大人の発達障害】「気持ちの切り替え」ができない原因
「気持ちの切り替え」ができない原因について、「気持ちの切り替えができない」ことに関連する発達障害の特性を示し、解説していきます。
ただし、各特性の有無や度合いには個人差があります。
行動や感情のコントロールが苦手<主にASD/ADHD>
「自閉スペクトラム症(ASD)」や「注意欠陥/多動性障害(ADHD)」の方は、行動や感情のコントロールが苦手な傾向があります。
一度、好きなことに熱中すると、周りが見えなくなるほど集中し過ぎてしまう、いわゆる「過集中」の状態になりがちです。また、ストレスや不安を感じやすい特徴があります。
ADHDの方は、「今やるべきこと」よりも、「今やりたいこと」を優先しがちです。
上記のように、行動や感情のコントロールが苦手であることが、「気持ちの切り替え」を難しくしています。
こだわりが強い<主にASD>
ASDの方は、こだわりが強い傾向があります。
中途半端を嫌い、作業中のものを完了させないと次の作業ができない傾向があるため、「気持ちの切り替え」が難しいことが多いです。
白黒思考・完璧主義<主にOCD/ADHD/ASD>
「強迫症/強迫性障害(OCD)」の方や、ASDやADHDの方は、白黒思考の傾向があり、物事を「白か黒」「0か100」で極端に考えてしまいがちです。
また、完璧主義の傾向もあり、理想のイメージにこだわり過ぎて、「気持ちの切り替え」ができなくなってしまうことが多いです。
マルチタスクが苦手<主にASD/ADHD>
ASDやADHDの方は、マルチタスクが苦手な傾向があります。
マルチタスクが苦手なことも、周囲に意識を向けるのに疲れを生み出し、同一作業へのこだわりを強化することとなり、「気持ちの切り替え」を難しくする要因です。
見通しを立てるのが苦手<主にASD/ADHD>
ASDやADHDの方は、見通しを立てるのが苦手な傾向があります。
ASDの方は、イメージするのが苦手なため、先のことがしっかり考えられず、今の状況に執着しがちです。
また、ADHDの方は、一時的に記憶を保持する容量である「ワーキングメモリ(作業記憶)」が小さく、情報の組み立てや優先順位をつけることが苦手です。
上記のように、見通しを立てるのが苦手なことも、次の作業への移る気持ちの準備不足となり「気持ちの切り替え」を困難にする要因となります。
コミュニケーションが苦手<主にASD/ADHD>
ASDやADHDの方は、コミュニケーションが苦手な傾向があります。
誰かに相談したり頼ったりすることができず、「気持ちの切り替え」の機会を失ってしまいがちです。
【大人の発達障害】「気持ちの切り替え」ができないことによる悩みや困りごと
大人の発達障害により「気持ちの切り替え」ができない方は、下記のような悩みや困りごとを抱えることがあります。
- オンとオフが切り替えられない
- 仕事がうまく進められない
- 心身が休まらない
- ネガティブな思考が続いてしまう
順に詳しくみていきましょう。
オンとオフが切り替えられない
気持ちの切り替えがうまくできない方は、仕事の時間にプライベート気分のままだったり、プライベートや休憩の時間なのに頭から仕事のことが離れなかったりすることがあります。
例えば、「プライベートで気になることがあると仕事中もずっとそのことを考えてしまい、何も手に付かない」といった困りごとが生じます。
仕事がうまく進められない
仕事を振られた際、物事を納得がいくまで考え過ぎてしまい、納得できない業務には集中できないケースがあります。その場合、周りの方からは仕事をより好みしていると誤解されがちです。
また、気持ちがうまく切り替えられないために、仕事上の突然の予定変更に対応できないこともあるでしょう。突然のことに戸惑ったり、パニックになったりしてしまいます。
心身が休まらない
気持ちの切り替えがうまくできない場合、布団に入ってからも今日あったことや過去のことについて色々考えてしまい、寝るべき時間に寝られないということがあります。
また、一つの作業に集中し過ぎて、休憩や食事を忘れてしまう場合もあります。休憩をおろそかにした結果、体調を崩してしまう可能性もあるので注意が必要です。
ネガティブな思考が続いてしまう
不安や怒りといった感情から思考を切り替えることができないと、ネガティブな気持ちが大きくなり過ぎて身動きが出来なくなってしまいます。
さらに、発達障害のある方はその特性上、人に頼ったり、相談したりすることが苦手な方も多いです。そのため、人に話して気持ちを切り替える機会を失い、一人で抱え込み過ぎてしまいがちなのです。
【大人の発達障害】オススメの「気持ちの切り替え」トレーニング方法
「気持ちの切り替え」のトレーニングとして、以下のメニュー(✓の項目)の中で、自分に合うものを見つけるまで試していきましょう。
効果があるメニューは続けて、余裕があれば別のものも追加で試すというように、自分に合うものを可能な限り増やすことも出来るはずです。
メニューによっては、「周りの方の協力」や「時間」「労力」「お金」が必要な場合がありますので、まずは、手軽に一人でできて、時間やお金、労力がかからないものを選ぶと良いかもしれません。
場合によっては、周りの方にもトレーニングメニューの作成に協力してもらい、「自分だけのトレーニングメニュー」を作っていただけたらと思います。
まずは、状況に合わせて、自分に合いそうなメニューを一つ選んでやってみましょう。
「気持ちの切り替え」の準備をする<予定の把握や予行練習など>
まず、予定の把握や予行練習など、「気持ちの切り替え」の準備をするトレーニングメニューをご紹介します。
予定の把握をする
予定の把握には、下記の2つの方法があります。
方法 | 内容 |
---|---|
見通しを目に見える形にする方法 | 「スケジュール表」や「行動のチェックリスト」など、見える形のものを活用する。 |
見通しを予告してもらう方法 |
|
上記のように、予定の把握をすることで、「次はこの作業をする予定だな」という気持ちの準備になり、「気持ちの切り替え」がしやすくなります。
予行練習をする
ハプニングが起きた際、急に対応できないケースがあります。
予行練習として、予め起こりうる事態をいくつか想定し、事前に疑似体験をするロープレ(※)をしておくと良いでしょう。そうすれば、ハプニングが起きても、ある程度、対応がしやすくなります。
ロール・プレイングの略で、役割演技ともいわれています。
予め現実に起こる可能性がある場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じます。
疑似体験をしておくことで、想定した場面が実際に起こったときに、適切に対応できるようにしておきます。
このようにロープレをしておくことも、「気持ちの切り替え」の準備の一つです。
ロープレには下記の2つの方法があるので、状況に応じて方法を選び実施してみてください。
方法 | やり方 |
---|---|
対人ロープレ | 職場の方や家族、友人などに協力してもらい2人以上の複数人で行う |
一人ロープレ | 自分一人だけで誰かがいることを想定して行う。 (状況によって、声を出さずに行ったり、実際に動いたり声を出したりして行う。) |
原因の分析をする
「気持ちの切り替え」ができない原因を分析をすることも、「気持ちの切り替え」の準備となります。
ネガティブな気持ちが続く時など、何が原因なのかを客観的に考えましょう。原因は、自分の対策や改善で解決できる場合と、自分では解決できない場合に分けられます。
自分では解決できない場合は、ずっと自分だけで悩んでいても仕方がありません。人に相談することにより解決できる可能性があります。
ポジティブに考える
次に、ポジティブに考えるトレーニングメニューをご紹介します。
良い意味で開き直る
例えば、何か失敗をしてしまった時、
「失敗は成長するために必要だ」
「繰り返さないように対策して、次に活かそう」
…などというように、前向きで良い意味で開き直った方が、ネガティブな気持ちのままで行動できなくなってしまうよりも良いでしょう。
自分を褒める(自分を認める・自分を責め過ぎない)
普段、普通に過ごしていると、なかなか自分のことを褒める機会が無いかと思います。
ネガティブな状況に直面した時に、「自分はダメな人間だ」「自分には価値が無い」などと自分を否定してしまうことがあるかもしれません。
しかし、今までの人生を振り返った時、誰しも、何かしら「目標・目的を達成したこと」や「壁を乗り越えたこと」「成長したこと」があるはずです。
また、人それぞれ自分の「良い部分」や「得意なこと」があるでしょう。そうした自分を思い出したり、気づいたりして、自分を褒めることも大事なことです。
いざという時、「自分には良い部分がある」「自分にも得意なことがある」というように「オンリーワンな自分」を思い出すことが、自信や勇気となり、ネガティブな出来事から抜け出す「気持ちの切り替え」をするためのエネルギーになるでしょう。
自己暗示をする
何か合言葉を決めて、自分に言い聞かせる自己暗示も「気持ちの切り替え」の一つの手段です。
例えば、「なんとかなる!」「大丈夫!」「5分悩んだら相談!」というようにポジティブな言葉ほど問題を解決するエネルギーになります。
逆に、「絶対無理!」「ダメだ!」というようにネガティブな言葉を思ったり自分に言い聞かせたりしまうと、ネガティブな気持ちから抜け出せなくなってしまいますので、注意が必要です。
頭を別のことに使う
次に、頭を別のことに使うトレーニングメニューをご紹介します。
身体を動かす
心と身体は密接に繋がっており、例えば、暗い気分であっても、まず笑顔になってみると気持ちが明るくなってくる方が多いです。
このように「何か身体を動かすことで心が連動する」という現象を応用し、「気持ちの切り替え」を促していきます。
本格的なスポーツだとなかなか出来ない場合も多いと思いますが、身の周りの整理整頓や掃除など手軽に身体を動かすという方法もあります。
相乗効果として、身の周りがキレイになり、気持ちがスッキリするのでおすすめです。
他にも、下記のような手軽にできるものも良いでしょう。
- 「散歩」や「ランニング」「サイクリング」などの移動系
- 「ストレッチ」や「ラジオ体操」「ヨガ」などの身体を伸ばす系
- 「縄跳び」や「キャッチボール」、軽い「筋トレ」や「ダンス」などの軽い運動系
休憩時に自席を離れる
休憩時、自席にとどまるよりも、自席を離れてトイレに行くなどした方が、「気持ちの切り替え」がしやすいでしょう。
歩いてみたり、少し走ってみたり、トイレに行くついでに顔を洗ったりすることもオススメです。
また、目が疲れていたら目薬を差したり、身体が凝ったならストレッチをしたりするのも良いでしょう。
自分の身の回りの手入れをする
自分でできる「爪切り」や「スキンケア」「ムダ毛処理」なども、「気持ちの切り替え」には効果的です。
また、専門のお店でやってもらう「美容院」や「理容院」「マッサージ」「歯科医院」、「ネイル」や「マツエク」「エステ」「ホワイトニング」などの手入れも良いでしょう。
誰かと話す
直接会って話したり、電話で話したり、チャットやメール、SNSなどでやり取りしたりすることで、気持ちや考え方に変化が起きる可能性があるでしょう。
問題の解決策が見つけられるケースもあります。
外出する(例:食事・買い物など)
自分の好きな食べ物があるお店や、食べてみたい料理があるお店へ行き、食事をするのも、「気持ちの切り替え」には良いでしょう。
また、買い物に出かけることも一つの方法ですが、もし、お金を使いたくない状況であれば、ウインドウショッピングでも良いでしょう。
そして、特に用事がなくても、気分転換として、近所を「散歩」や「軽いランニング」「サイクリング」「ドライブ」などするのも「気持ちの切り替え」のきっかけになる可能性があります。
趣味や娯楽を楽しむ
趣味や娯楽を心から楽しむことも、「気持ちの切り替え」に繋がる場合があります。
インドアでおすすめなのは、「読書」や「書写」「料理」「カラオケ」「楽器の演奏」です。
また、手軽にできる「ボウリング」や「バッティング」「ビリヤード」「ダーツ」「ゲーム」なども良いでしょう。
アウトドアでおすすめなのは、「ピクニック」や「キャンプ」「釣り」「ガーデニング」です。
また、「スポーツ観戦」や、「お花見」や「花火」など季節のイベント、「お祭り」などの地域のイベントに行くのも良いでしょう。
いつもと違うことをする
「いつもと同じこと」をするより、「いつもと違うこと」や「新しいこと」にチャレンジなどした方が、頭を使うので、「気持ちの切り替え」のきっかけとなる可能性があります。
隙間時間を使って、何か新しいことを学ぶのも良いでしょう。
また、「行き道」や「帰り道」を、「いつもと違う道にすること」や、「いつもと違う交通手段にすること」なども、「気持ちの切り替え」に繋がる場合があります。
頭を休ませる
次に「頭を休ませる」内容のトレーニングメニューをご紹介します。
寝る
例えば、帰宅後、何か趣味をしたり、用事をしたりするのではなく、「考えることはやめて、今日は早めに寝よう」と決めて、しっかり寝ることも、「気持ちの切り替え」には有効です。起きた時に感情や考えが変わる場合もあります。
また、休憩時に10~20分程度寝るだけでも違ってくるでしょう。
深呼吸をする
集中していると呼吸が浅くなっている場合があるので、ゆっくり深呼吸するのも、「気持ちの切り替え」に効果的です。
何も考えず、呼吸に意識を向けて深呼吸することがポイントです。
外に出れる場合は外の空気を吸うと、新鮮な空気が身体に行き渡り、より頭がスッキリし気分も上がるはずです。ストレッチなども合わせて行うと身体もスッキリするでしょう。
お風呂や温泉でゆったりする
自宅のお風呂や近所の銭湯、遠出して温泉などでリラックスすることで、身体と心を癒し、「気持ちの切り替え」ができる可能性があります。
水分補給をしっかりした上で、入浴や岩盤浴、サウナの後に、冷水に浸ったり、外気浴をしたりすることで、身体も気分もスッキリします。
自宅のお風呂の場合は、日によって入浴剤を、さまざまな種類に変えるのも良いでしょう。
お気に入りの場所へ行く
景色の良い場所などのように、落ち着いたり気分が上がったりする場所など、自分のお気に入りの場所へ行くのも、「気持ちの切り替え」のきっかけとなる一つの手です。
身の回りの物理的なものを変える(例:着る物や居る場所など)
次に、身の回りの物理的なものを変えるトレーニングメニューをご紹介します。
帰宅したらすぐ着替える
仕事モードからプライベートモードに切り替える行動を習慣にしましょう。
例えば、帰宅したらすぐに「部屋着に着替える」「顔を洗う」「シャワーを浴びる」など、家でしかできないプライベートなことがおすすめです。
このような行動が、「気持ちの切り替え」のスイッチになります。
髪型や髪色を変える
気持ちを切り替えたいタイミングで、髪型を少しアレンジしたり、思い切って今までとは全く違う髪型にしたりするのも良いでしょう。
また、髪色を変えても良い職場ならば、髪色を変えるのも「気持ちの切り替え」になりうる一つの手段です。
身に着けているものを変える
身に着けているものを変えることでも、「気持ちの切り替え」のきっかけになる場合があります。
男女共通のものでは、「靴」や「スーツ」「シャツ」「時計」「ベルト」「香水」などを変えることができます。
男性ならば、「ネクタイ」や「ネクタイピン」「カフスボタン」などを変えるのも良いですね。
女性ならば、「髪どめ」や「ピアス」「ネックレス」「指輪」「化粧」などを変えるのも良いでしょう。
普段、アクセサリーを身に着けていない方は、もし着けても良い職場ならば、着けることを検討するのも良いでしょう。
持ち物を変える
持ち物を変えることが、「気持ちの切り替え」に繋がるケースがあります。
「カバン」や「ハンカチ」「名刺入れ」などの持ち物を変えることも良いでしょう。
いつもと違う場所に行く
行ったことがない場所やたまにしか行かない場所など、いつもと違う場所へ出かけるのも「気持ちの切り替え」に良いです。
国内や海外の旅行を計画してみるのも良いでしょう。
自然が豊かな場所へ出かける
「海」や「山」「川」「湖」など、自然が豊かな場所へ出かけるのも「気持ちの切り替え」に有効です。
遠出ができない場合でも、単に、外に出てベンチなどに座り日光浴をするだけでも、部屋にこもっている場合とは違ってくるでしょう。
五感「味覚・聴覚・視覚・触覚・嗅覚」や「感情」を刺激する
次に、五感「味覚・聴覚・視覚・触覚・嗅覚」や「感情」を刺激するトレーニングメニューをご紹介します。
音楽を聴く
自分が好きな曲を聴くと気持ちが上がり「気持ちの切り替え」のきっかけになります。
また、気持ちを穏やかにしたい場合はスローテンポな曲を選択したり、気分を上げたいときはアップテンポな曲を選択したり、状況に応じて曲をセレクトすると良いでしょう。
場合によっては歌詞がある曲を選び、歌詞の内容から「気持ちの切り替え」ができるケースもあります。
今まで聴いたことない曲や、誰かがオススメの曲を聴いてみるのも新鮮で良いです。
目を閉じて音楽に集中する方法や、身体を動かすことにプラスして音楽を聴く方法もあります。
ラジオを聴く
放送内容もポジティブな内容が多めで、「元気をもらえた」というように聴いている方の気持ちを上げる場合があります。
また、新しい音楽や情報、他人の考えや価値観に触れる機会があるので、視野を広げるきっかけにもなり、「気持ちの切り替え」になる可能性があるでしょう。
軽食や水分を摂る
「すっぱいもの」や「辛いもの」「炭酸飲料」「グミ」「ガム」「ミント系タブレット」「コーヒー」などの刺激があるものや、お気に入りのフレーバーの「紅茶」など、手軽に「気持ちの切り替え」につながるアイテムがあります。
自分が好きなお菓子や飲み物を食べたり飲んだりするだけでも、気分が変わるでしょう。
背中を軽くたたくなどしてもらう
気の知れた方に、実際に背中を軽く叩くなどしてもらうと「気持ちの切り替え」のスイッチになる場合があります。
動物と触れ合って癒される
可愛い動物を見ると癒されますよね。
動物を見るだけでも「気持ちの切り替え」には良いですが、さらに、触れ合うことができるならば、なお良いです。
住む環境やアレルギーなどで動物を飼うことができなければ、動物園に行ったり、動物の動画を観たりするのも良いでしょう。
嗅覚を刺激する
お花などの良い香りを嗅ぐと、気持ちに変化があるはずです。
また、「お香」や「アロマキャンドル」「アロマディフューザー」などで、自分のお気に入りの香りを楽しむのも「気持ちの切り替え」に良いでしょう。
映画やTV、動画などを見る
「お笑い系」や「感動系」「泣ける系」「ホラー系」などの映像を観ると、「感情」が動かされて「気持ちの切り替え」に繋がる場合があります。
芸術鑑賞に行く
映画館や美術館、博物館に足を運んだり、音楽ライブに行ったりするなど、生の芸術を鑑賞するのも「気持ちの切り替え」に良いでしょう。
生の芸術を鑑賞することは、やはりTVなどで観る場合と違い、肌で感じるものがあるなど臨場感があり、「感情」が揺さぶられやすいでしょう。
思い出の写真や動画をみる
記念に写真や動画を撮っていても、なかなか振り返ってみる機会が無いかもしれません。
過去の楽しかった思い出の写真や動画をみると、「感情」が動かされて、「気持ちの切り替え」のきっかけとなる可能性があります。
視野を広げる(第三者の力を借りる、新しい情報を取り入れる)
次に、第三者の力を借りたり、新しい情報を取り入れたりする、視野を広げるメニューをご紹介します。
人に相談する(一人でかかえこまない)
一人だけで悩んでいると、どうしても視野が狭まってしまい、解決の糸口が見つかりにくいです。そして、ネガティブな気持ちも大きくなってしまう傾向があります。
人に相談することにより、第三者の意見やアドバイスから問題が解決したり、ポジティブな気持ちに切り替わったりする可能性があります。
新しい情報を取り入れる
本やインターネットなどから新しい「知識」や「考え」「価値観」などの情報を得ることができます。
新しい情報から、自分の視野を広げることができ、「知識」や「考え」「価値観」が更新されることで、「気持ちの切り替え」に繋がる場合があるでしょう。
「フォーカスする先」を変える
次に、「フォーカスする先」を変えるメニューをご紹介します。
「状況」や「理由」にフォーカスする
「気持ちの切り替え」が上手くできない背景に、フォーカスする先が固定してしまっている場合があります。
ネガティブな出来事などに、ずっと焦点を合わせてしまっていたら、ずっと「気持ちの切り替え」ができないままとなってしまいます。
例えば、フォーカスする先を「上手くいかなかった結果」ではなく「結果を起こした状況」や「相手が行動した理由」などに向けると、「次からはこうした方が良い」という改善点が見つかる場合もあり、次に活かせるでしょう。
「ポジティブなこと」にフォーカスする
ネガティブなことに注目するのではなく、逆に、ポジティブなことに意識を向けると「気持ちの切り替え」のきっかけとなりうるので良いです。
例えば、感謝できることや、相手の尊敬できる所、自分が今まで成長したことなどに焦点を合わせることもオススメです。
また、自分へのご褒美や楽しい予定の計画を考えるのも良いでしょう。
「全く別のこと」にフォーカスする
少しの時間だけ、今していることと全く関係が無いことを考えると「気持ちの切り替え」がしやすくなります。
例えば、一時的に外の木々や雲に目を向けたり、鳥の鳴き声に耳を傾けたりすることも良いでしょう。
もし可能な状況ならば、仕事デスクの上に、観葉植物やお気に入りの小物を置いたり、大切な人の写真、ペットの写真など置いたりして、ときどき見ては気持ちのスイッチON/OFFに使うこともできます。
パソコンやスマートフォンなどの壁紙に、お気に入りの写真を設定して、「気持ちの切り替え」をしたいときに見るのも一つの方法です。
また、自分の大切な方や飼っているペットなどのことを考えたり、自分が実現したいと思っていることや人生における目標を思い出したり考えたりすることも、「気持ちの切り替え」のきっかけになる場合があります。
「大きなこと」にフォーカスする
大きなことにフォーカスする方法もあります。
例えば、日本の政治や経済、世界の情勢や宇宙のことなど、大きいものを見ると、今、自分が直面していることが小さく感じるでしょう。
高い視点から考えることで、新しい価値観に気づいたり問題の解決策が見つかったりする可能性があります。
まとめ|発達障害と気持ちの切り替え
- 発達障害の方は、極端に「気持ちの切り替え」が難しかったり、できなかったりする。
- 大人の発達障害の方が「気持ちの切り替え」ができない原因は、発達障害の特性である『行動や感情のコントロールが苦手』や『こだわりが強い』『白黒思考』『完璧主義』『マルチタスクが苦手』『見通しを立てるのが苦手』『コミュニケーションが苦手』などが考えられる。
- 「気持ちの切り替え」ができない悩みや困りごとは、『仕事とプライベートのオンとオフが切り替えられない』や『気になることがあり、何も手に付かない』『寝るべき時間に寝れない』『突然の予定変更に対応できない』『一つのことに集中し過ぎる』などである。
- 「気持ちの切り替えができない」場合の対処法は、大きく分けて、『気持ちの切り替えの準備をする』や『ポジティブに考える』『頭を別のことに使う』『頭を休ませる』『身の周りの物理的なものを変える』などがある。
以上、発達障害の方に気持ちの切り替えができない原因や起こる困りごと、トレーニング方法を解説してきました。
「気持ちの切り替えのトレーニング方法」では、数多くのトレーニングメニューご紹介していますので、自分に合いそうなメニューを選んで、実践してみていただけたらと思います。
トレーニングをする時間がなかなか取れないという方は、時間が掛からないメニューを選択する方法があります。元々やるべき家事や用事などのメニューを選択すると、トレーニングをする時間をわざわざ作る必要が無いので、手軽にできるでしょう。
あなたが少しでも気持ちを切り替えやすくなり、ポジティブに日々を送れるようになることを祈っております。