【2025年版】新幹線の障がい者割引は付き添いも対象?最新情報を徹底解説!

KAORUKO

「新幹線に乗りたいけど、障がいがあると不安…」
「付き添いの人の負担も気になる…」

など、新幹線の利用について、お悩みはありませんか?

新幹線の障がい者割引を利用すれば、条件次第でご本人だけでなく、付き添いの方も運賃が割引になります。

  • 障がい者割引の対象者
  • 付き添いも割引になる条件
  • 障がい者割引を利用した際の割引額
  • どうやって購入するの?
  • 利用する際の注意点
  • そもそも新幹線の利用は安心?

について解説します。

この記事が快適な旅の参考になれば幸いです。

新幹線の障がい者割引とは?

二川カーブを走る新幹線N700S

JRをはじめとする、鉄道各社では障がいがある方に向けて、割引制度を提供している所が数多くあります。

健常者より社会的負担が重い傾向にある障がい者の社会参加を促進し、移動の自由を保障することを目的として設けられている制度です。

利用に条件こそありますが、JRが中心となって運営している新幹線でも、障害者割引制度は適用されます。この制度を活用することで、障がいのある方は経済的な負担を軽減して新幹線を利用できます。

対象者と割引内容の一例を挙げてみます。

【対象者】

  • 身体障がい者手帳
  • 療育手帳(愛の手帳など)
  • 精神障がい者保健福祉手帳

上記3つのいずれかをお持ちの方で、旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄に第1種・第2種のいずれかの記載がある方が対象です。

【割引内容】

  • 割引率は50%(半額)
  • 移動距離によっては割引が受けられない場合もある

【注意点】

旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄の種別は、障がい者手帳の発行時期によっては記載されていない場合があります。未記載の場合、お住まいの市区町村にある、障がい福祉を担当する窓口で申し出ると、追記してもらえます。

また、JRでは精神障がい者保健福祉手帳は対象外でしたが、2025年4月1日より、他の障がい者手帳と同様、障がい者割引の対象となりました。割引対象等の詳細は、各社の公式サイトからご確認ください。

精神障害者割引制度の導入について pdf|JR東日本
障害者割引制度のご案内|JR東海
精神障害者健康福祉手帳を持っていますが、割引はありますか。|JR西日本

付き添いにも適用|障がい者割引の適用条件

車椅子を押す女性1

障がい者割引の詳しい条件を下記の表にまとめてみます。

対象 割引対象の乗車券類 割引率 備考
第1種障害者と
その介護者
普通乗車券
回数乗車券
普通急行券
定期乗車券
(小児定期乗車券を除く)
50% 他鉄道会社線とまたがる場合を含む。
ただし、回数乗車券はJR線区間単独のみ発売。
12歳未満の第2種障害者と
その介護者
定期乗車券
(小児定期乗車券を除く)
50% 他鉄道会社線とまたがる場合を含む。
小児定期旅客運賃は割引が適用されない。
第1種、第2種障害者が
単独で利用する場合
普通乗車券 50% 片道の営業キロが100キロを超える場合に限る。
また、他鉄道会社線とまたがる場合を含む。

新幹線での障がい者割引は、一定の条件を満たしている場合、付き添いの方1人までが割引の対象となります。

【付き添いの方が割引になる条件】

  • 旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄が第1種の障害者手帳をお持ちの場合
  • 12歳未満で旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄が第2種の障害者手帳をお持ちの場合

【付き添いを利用するメリット】

  • 1人で利用する場合、割引が適用されるのは100km以上だが、付き添いがいれば100km未満でも割引が適用される。
  • 普通乗車券以外の乗車券も対象となる場合がある。

新幹線の障がい者割引でいくら安くなる?主要区間の料金を比較

ウッドキューブにPRICEのことば

新幹線の障がい者割引を利用すると、実際にはどれくらい安くなるのでしょうか?

普通車指定席を想定した主要区間の料金から比較してみましょう。

区間 通常料金
(普通車指定席)
ネット予約利用時の料金
(普通車指定席)
障害者割引適用後料金
(普通車指定席)
東京-新大阪間
(のぞみ/EX予約サービス)
14,720円 14,230円 10,260円
東京-仙台間
(はやぶさ/えきねっと)
11,410円 11,210円 8,380円
東京-博多間
(のぞみ/EX予約サービス)
23,810円 23,160円 16,770円
東京-金沢間
(はくたか/えきねっと)
14,380円 14,180円 10,640円
新大阪-博多間
(のぞみ/EX予約サービス)
16,020円 15,640円 11,120円

※料金は2025年5月通常期のものです。繁忙期などの時期や、列車の種類によって料金が異なる場合があります。

障害者割引が適用されるのは「乗車券」の料金のみです。新幹線を利用する際に使用する「特急券」は障害者割引の対象外であるため、子供料金のような半額にはなりませんが、通常の切符やネット予約を利用した場合よりも、大幅に安くなることがわかります。

旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄が第1種であれば、付き添いの方にも適用されるため、金銭的な負担はかなり減らせるでしょう。

ただし、障がい者割引を利用する場合、購入方法が限られている点に注意が必要です。

新幹線での障がい者割引|2つの購入方法

みどりの窓口

新幹線で障がい者割引を利用した乗車券を購入する方法は、主に2つあります。

駅の窓口で購入する方法

新幹線で障がい者割引を利用する場合、駅の窓口で購入するのが最も確実で安心です。

【必要なもの】

  • 障がい者手帳(原本)
  • 付き添いの方の本人確認書類

【購入手順】

  1. 駅の窓口(みどりの窓口など)で、障がい者手帳と付き添いの方の本人確認書類を提示
  2. 係員に「障がい者割引を利用したい」旨と、乗車区間、利用日時、列車名などを伝える
  3. 係員の指示に従い、新幹線乗車券を購入

【メリット】

  • 係員に直接相談できるので、不明点や不安を解消しやすい
  • JRの駅の窓口(みどりの窓口、JR全線きっぷうりばなど)であれば、新幹線が発着しない駅でも、新幹線の切符を買うことができる
  • 確実に割引が適用される

【デメリット】

  • 窓口が混雑している場合、待ち時間が発生する場合がある
  • 1人で利用する場合、100kmを超えないと適用されない点に注意

自動券売機(指定席券売機)で購入できる場合もある

一部のJRの駅では、片道100キロまでの普通乗車券に限り、自動券売機にて本人と付き添う方の2人分の小児用乗車券購入で代用が可能な場合があります。ただし、新幹線を利用する場合、大人料金の特急券を別で購入する必要があるため、注意が必要です。

【購入手順】

  1. 自動券売機で本人と付き添いの方の2人分の小児用乗車券を購入する
  2. 係員のいる改札で障がい者手帳と同時に提示し、通過する

【注意点】

  • 無人改札ではなく、必ず係員のいる改札を利用してください。
  • 改札を通る際は、必ず障害者手帳を提示してください。
  • 割引対象者が小児・乳幼児の場合は利用できません。

また、一部の駅に設置されている「話せる指定席券売機」であれば、みどりの窓口と同様、オペレーターへ障がい者手帳を提示して切符を購入することが可能です。設置されている場所は限られているため、確認しておくと良いでしょう。

「話せる指定席券売機」の設置場所については、下記からご確認ください。
話せる指定席券売機のある駅|JR東日本

インターネット予約で購入する方法

インターネット予約で切符を購入する場合でも、障がい者割引が利用できる場合があります。

JR東日本の「えきねっと」を例に見ていきましょう。
えきねっと|JR東日本

JR東日本「えきねっと」の場合

【用意するもの】

  • 障害者手帳(原本)
  • 付き添いの方の本人確認書類
  • クレジットカード(決済用)または代金
  • マイナンバーカード(マイナポータル利用登録・障害者手帳情報登録用)

【事前準備】

  1. 「えきねっと」への会員登録
  2. マイナポータルへの利用者登録
  3. 「えきねっと」マイページから、障がい者手帳情報を登録
    身体障がい者手帳または療育手帳(「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄」に第1種または第2種の記載があるもの)が対象

※2025年5月現在、マイナポータルの仕組み上、精神障がい者保健福祉手帳の「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額区分」が設定されていません。そのため「えきねっと」などのインターネット予約サービスでは、精神障がい者保健福祉手帳を使用した割引は利用できません。

【購入手順】

STEP
「えきねっと」のサイトにアクセス
STEP
トップページ右上の「ログイン」を選択
事前準備で登録した情報でログインする。
ログイン済みの場合は次に進む。
STEP
「割引きっぷ申込」ボタンを押す
このボタンを押さないと割引が適用されない。
STEP
障害者手帳の登録情報を確認
「利用可」になっていれば申し込みが可能。
STEP
乗降駅、乗車日時、人数などの条件を入力して「列車を検索する」ボタンを選択
検索オプションの「新幹線を利用」にチェックを入れて検索する。車椅子対応座席などもこの画面で選択できる。
STEP
利用したい経路を選択
STEP
切符の種類を選択
登録したICカードで利用できる「新幹線eチケット」対象の列車では、「新幹線eチケット」か「紙のきっぷ」を選択できる。
紙の切符の場合、指定席券売機やみどりの窓口などで受け取れる。ただし、鉄道会社によって受け取れる場所が異なるため、要確認。
STEP
座席の種類・商品を選択
座席の種類(指定席など)を選択する。「新幹線eチケット」を利用したい場合、この画面で商品を選択。
「残席×」と表示されている場合は購入できない。
STEP
乗車券の購入を選択
新幹線の場合、特急券の他に乗車券が必要なため、「乗車券を申込む」を選択。
「新幹線eチケット」を選択した場合、乗車券も含まれているため、乗車券の申し込みは不要。
STEP
座席指定へ進む
乗車する方全員分の座席位置を選択する。座席表からの選択の他、窓側限定などの条件を指定しておくことも可能。
STEP
申込内容を確認し、支払い方法を選択
「クレジットカード払い」、「コンビニ支払い」、「金融機関支払い」、「駅支払い」が可能。ただし、「新幹線eチケットサービス」を利用する場合、「駅での支払い」は不可。支払期限が決まっており、過ぎてしまうと自動キャンセルとなるため注意。
STEP
申し込み完了
申し込みが完了すると、申し込み完了メールが送信される。必要に応じて、ICカード情報の入力などを行う。

【注意点】

  • 1回の操作で最大2名分まで申し込みが可能(本人と付き添い1名)。
  • 障がい者手帳の本人と付き添い1名以外は利用できない。
  • 障がい者手帳は改札や車内での確認の際に提示を求められる。
    スーツケースなどにしまわず、手回り品に入れておくこと。
  • ICカードによるチケットレス予約は、鉄道会社が重複する場合、できない場合がある。
  • 「コンビニ支払い」、「金融機関支払い」は上限金額が定められているため、要確認。

【メリット】

  • 自宅や外出先からいつでも予約ができる。
  • 窓口に並ぶ手間が省ける。
  • 条件によっては、登録したICカードで新幹線に乗ることも可能。

【デメリット】

  • マイナポータルの仕組み上、精神障がい者保健福祉手帳の場合はインターネット予約は利用できない。
  • 鉄道会社が重複する場合、窓口で購入する必要がある。
  • 予約サービスによっては、インターネット予約で障がい者割引を利用できない場合がある。
    ただ、ネットで特急券のみを購入し、駅窓口で障がい者手帳を提示して乗車券を購入することは可能。

インターネット予約サービスはJR各社にあります。障がい者割引の利用可否についてはサービスによって異なるため、詳細は予約サービスをご確認ください。

【インターネット予約サービスの例】

障がい者手帳を忘れずに!ミライロIDも活用しよう

精神障害者福祉手帳

新幹線の障がい者割引を利用する際は、基本的に必ず障がい者手帳の原本を持参してください。乗車券の購入時や改札口、車内での確認の際に提示を求められます。提示しなければ割引は適用されません。

ただ、「障がい者手帳の出し入れが不安」「障がい者手帳を提示することに抵抗がある」という方もいらっしゃるでしょう。そういった場合は、ミライロIDの利用を検討しましょう。

ミライロIDとは?

ミライロIDは、障がい者手帳の情報をスマートフォンに登録し、障がい者手帳の代わりに提示できるアプリです。

JRを含む123社の鉄道会社で導入されており、新幹線割引を利用する際にも利用できます。

【メリット】

  • 手帳の紛失・盗難のリスクを減らせる。
  • 提示する際の心理的な負担を軽減できる。
  • 荷物の中から障がい者手帳を探す必要がない。
  • 出し入れを繰り返すことによる手帳の劣化を防げる。

【デメリット】

  • スマートフォンの充電切れ・故障の際には利用できないため、注意が必要。
  • 障がい者手帳の原本は携帯している必要がある。
  • 一部の鉄道会社・施設では未対応となっている場合がある。
  • 鉄道会社によってはミライロIDとマイナポータルが連携されていないと、障がい者割引が無効になる場合がある。

障がい者手帳は大事なものなので、携帯していたとしても取り出しにくいところにしまいがちです。取り出すのが面倒な場合も多いですが、ミライロIDを活用することでサービスが活用しやすくなりますね。

【ミライロIDの登録・利用方法】

  • 「ミライロID」アプリをダウンロード
  • 障がい者手帳の情報を登録(3営業日程度で反映)
  • マイナポータルと連携(問題なければ3営業日程度で連携完了)
  • 対応している鉄道会社や施設などでアプリ画面を提示して利用

ミライロID|障害者手帳アプリ

障がい者でも安心|新幹線のバリアフリー&サポート体制

東京駅の新幹線乗り場案内アイコン

「障がい者割引が利用できるのはわかったけれど、新幹線の利用自体がちょっと不安…」という方もいらっしゃるでしょう。

この項目では、新幹線のバリアフリー設備やサポート体制をご紹介します。

【車内・駅構内のバリアフリー設備】

  • 多目的室
    ベッドで横になることができる多目的室。車椅子や身体が不自由な方が優先して利用できる。窓口か電話での事前予約が可能で、個室料金は発生しない。
    新幹線に1室のみだが、予約が無ければ、乗務員の方に体調不良などの理由を申し出れば利用できる。
  • 車いす対応座席・車いすスペース
    車椅子が固定できるように座席1席空いている、または、車椅子に乗車したまま利用できる車いすスペースを設けている。
    満席等で対応できない場合があるため、早めの申し込みが確実。
  • 車両内トイレ・多機能トイレ
    新幹線によって異なるが、車椅子でも利用しやすい室内が広いトイレや、オストメイト対応の多機能トイレを設置。
  • 駅構内:スロープ
    乗降時に車椅子用の補助板設置など、係員の手伝いを受けられる。
  • 駅構内:エレベーター
    室内が広く設計されたエレベーター。中に手すりが設けられている。
  • 駅構内:誘導・警告ブロック、音声案内、触知案内図
    視覚障害のある方の移動をサポートする設備。

など

もし車内で緊急事態が起きても、車内の非常ボタンから乗務員に連絡できますし、AED(自動体外式除細動器)などの救急設備が備えられています。

障がいによって健康面に不安がある方は、事前に場所を確認しておくことでより安心できるでしょう。

【駅係員のサポート体制】

  • 乗降時の介助
  • 車内の誘導
  • 座席の案内
  • 切符の購入サポート
  • その他、困りごとの相談・対応

乗降時のサポートなど、駅での介助を受けたい場合、利用したい駅へ事前に連絡しましょう。駅の窓口か電話で連絡・問い合わせが可能です。介助を申し込んだら、時間に余裕をもって駅に向かいましょう。

新幹線の障がい者割引|よくある質問【Q&A】

Q&Aのイメージ

Q:切符を購入する際、障がい者手帳を忘れてしまったら?

A:原則として、障がい者手帳原本が提示できなければ、障害者割引は利用できません。通常料金での購入となります。

ただし、新幹線を利用する前に手帳と乗車券を駅窓口に持参し、事情を説明すれば通常料金の切符を払い戻し、障がい者割引で購入できる場合があります。

鉄道会社などによって対応が異なるため、余裕をもって窓口に向かいましょう。

Q;介助犬や盲導犬、聴導犬は一緒に利用できますか?

A:はい、法に定める表示などを行っていれば、無料で同伴できます。

事前連絡は不要ですが、利用する駅の係員に伝えておくと良いでしょう。

他の割引と併用できますか?

A:往復割引など、一部の割引との併用は可能です。ただし、ジパング倶楽部など、割引が併用できないものもあります。

詳しくは、各鉄道会社の公式サイトを確認するか、各社の問い合わせ窓口へ問い合わせましょう。

グリーン車やグランクラスも割引になりますか?

A:割引が適用されるのは、乗車券分の運賃のみです。そのため、指定席やグリーン車等の特急券にかかる追加料金は通常の料金がかかります。

ただし、一部の鉄道会社では、独自の割引制度を設けている場合もあります。

まとめ|新幹線と障がい者割引

  • 「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄」が第1種、または第2種の障がい者手帳を持っている方は、普通乗車券が50%割引になる障害者割引を利用できる。ただし、特急券の料金は割引されない。
  • 「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄」が第1種、または第2種でも12歳未満であれば、付き添いも割引対象となる。
  • 購入方法は駅の窓口で障がい者手帳を提示するか、鉄道会社の運営するインターネット予約。ただし、インターネット予約はマイナポータルを使用する関係上、身体障がい者手帳か、療育手帳(愛の手帳など)のみの対応。
  • 予約サービスによっては障がい者割引を利用できない場合もあるので、駅の窓口での購入が確実。
  • 切符購入時、障がい者手帳の代わりにマイナポータルと連携した障がい者手帳アプリ「ミライロID」も利用できる。ただし、乗車時に障がい者手帳の原本を携帯する必要がある。
  • 新幹線はバリアフリー設備やサポート体制が充実しており、障がいがある方でも安心して利用できる。

新幹線での障がい者割引利用について解説しました。

障がい者割引を使用しても、新幹線の料金が半額になるわけではありませんが、ネット予約等で割引になる手段を活用するよりも安く利用できるのは魅力的ですよね。

新幹線の障がい者割引を活用して、快適な旅を楽しみましょう。

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